2010-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『2010年回顧』 言葉の展覧会999

未熟なままの船出はいたかった さあ、新しい航海だ、と言葉かけ とてもいい時代がやってくると想ってみたものの あっちに当てられこっちに当たりふらふらと 身から出たさびも加わって おたおたと 育てはされず共にも歩まずたたかれてばかり 少しは傲ってみた…

『別れ』 言葉の展覧会998

* ついに別れがくるとは思ってもいなかった 夕暮れ時 あなたは寂しげに海を見る * * たまにしか会えなかったけれど ぼくはあなたに密かに恋をしていました・・ 海の向こうに陽が落ちていく * * 数々の街角のポスターを見ながら あなたはつぶやく 「わた…

『マスコミ幼児事情』 言葉の展覧会997

えっ、なんでこんなのが ニュース速報に出るの??? エビなんとか言う人が 歌舞伎界の御曹司であるとかで 泥酔の果てに同類のような輩に ぼこぼこに殴られたとか殴ったとか 真実はあーだとかこーだとか してやったりとその後のヒステリーじみた騒ぎぶり あ…

『アロエ』 言葉の展覧会996

* 『アロエ』この冬一番の冷え込み 冷たい風に吹かれてゆれている お陽様が当たってすこしまどろむ アフリカからの遠い旅 めずらしく咲いてみせた ぴんくの悩ましげな花 ねばねばの葉肉をもらって そっと肌にぬってみる 棘がいたい *

『歩歩是道場』 言葉の展覧会995

「この道、果てもない旅の夕月夜」 (山頭火に習って) * 『歩歩是道場』道を歩く 軽やかに ときに重々しく ふと立ち止まって振り返る 長い道を歩いてきた 過ぎ去るさまざまな風景いろいろな出来事 ときに愚かに ときにひとりよがりに ときに悲しく ときに…

『布団のなか』言葉の展覧会994

おーさむ さむ 出たくても出られない ふとんのなかで まるまって ちぢまって あと5分あと5分と いる時間を引きのばし とうとう ええい!! と気合いをいれて 外に出る 変温動物に変身した あわれさ こっけいさ * 年賀状を一日中書いていた。買ってきた2…

『どうじんかい』 言葉の展覧会993

すてきな仲間とすてきな本 すてきな語り合いとすてきな食事 どうじんかい今日も続けてまっせ こんな気楽なかいはない こんなおもろいかいはない やってきたかいはある つづけてきたかいはある つながり希薄孤人むえんしゃかいと ますこみさんは騒いではるけ…

『ふつかよいの唄』 言葉の展覧会992

『ふつかよいの唄』 ふつかよい よいよい よいじゃないか よーいとせ よいよい よいがまわって よいんがのこり よいしょ よいやさ よいとこしょ よいつぶれたあとは よいことなんにもねぇ よいよい もう酒よいよい ずつうときょだつがおそって よいこらしょ …

『幻在』 言葉の展覧会991

人は一生涯のなかで少しだけの時間、星をみつめる 実は中心などではなかった そこに在るばかりに幻想していただけのこと だれもが自分は中心だとおもっているが そんなものはまぼろし 人は欲望を満たすために自ら忙しさをつくり動き回っている それは回る岩…

『せむしの男』 言葉の展覧会990

せむしの男が歩いてる ひょこひょこひょこひょこえっちらおっちら 地球の上をあっちへ行ったりこっちへ来たり せむしの男が座ってる ただじっと日が暮れるまで 大地をみつめ空をあおいで座ってる せむしの男が笛をふく 風にあわせて さびしくゆかいに 小鳥が…

『ベタベタ』 言葉の展覧会989

記憶の 綺麗に飾られた部屋 そこの住人は内輪の空気だけを読み合い 巧みな言論をちらつかせ ときに豪語しながら その内をぐるぐるまわっている だから外が見えない 見ようともしない それが完成度の高さなのか 失われた時間などに誰もいない ここは市場の荒…

『枯葉たち』 言葉の展覧会988

『枯葉たち』 枯葉がよりあつまって にぎやかだ 木から落ちてよろこんでいるのか かさなりあって うっとり 冬の雨にぬれて しっとり 穴があいたり曲がったりしているけれど のんびりと 冬の日を過ごしている やがて 土に帰る日を夢見ながら ・ ※※※ 悪戦苦闘…

『我が家の朝』言葉の展覧会987

* 今朝6時に起きて朝食と弁当をつくった フライパンで焼いた卵焼きは形が崩れ少し焦げていた なんでこんなに下手なんだろうと我ながら感心する 「あなたのつくった卵焼きはすかすかやね」 と妻が追い打ちをかける 豚肉とタマネギ、ニンジン、椎茸の炒めは…

『「生」点灯』 言葉の展覧会986

「生」点灯日中はそれほどでもなかったが 夕暮れになるとどんどん寒くなる 身体が縮こまって唇が震え出す ちゃぷちゃぷと川の中を長靴で歩く さあ、中州に出て点灯だ もう薄暗い 石を浮き上がらせる 学生は身が軽くしゃきしゃき動く 年寄りはゆっくり 川の流…

『言葉を打つ』 言葉の展覧会985

* 『言葉を打つ』 洪水となった流れのなかで わずかネットに引っかかる言葉 だが、すぐに捨てられる いたいたしい言葉 今朝の冷え込みは厳しい 棒で打つ氷の寒い音 老母がつくる味噌汁に入れるために 畑にネギをとりに行ったが指が凍てつきいたい キーボー…

『冬の夜』 言葉の展覧会984

* 冷え冷えとした夜が襲ってきたので 私は炬燵でまるまって ある島で土の中に埋まっている無数の骨たちを見る あの愚かさはこの冬の夜につながっている 虚しさを吸いたくて煙草を燻らす ギロチンが上げられ海が帰ってくる 吐いた煙が部屋にたちこめる 遠く…

『つぶやき』 言葉の展覧会983

ぶつぶつ 泡 のように繰り返されるつぶやき 世界にひらかれて いまを切り取る みずみずしく とても単純で豊か 現実と泡を共時でで同時につなぐ ありとあらゆる人たちのつぶやきが 海流となり気流となって 世界を駆け巡る ソーシャルストリーム 泡と泡が結び…

『落ち葉』 言葉の展覧会982

うつる裸木のねっこに いちまい一枚とかさなって 落ちていく だれかのあのときのちいさな小さな断片 影模様は薄くいとおしく 青い春の匂い そっと手で触れようとすると 消えてしまう 大地にもどる準備なのだ かけがえのないように枝はゆれて 時はしずかに流…

『冬の山』 言葉の展覧会981

あざやかだった姿は 今はもう面影無く 華やかさはすでに過ぎ去って 褪せくすんで大地にもどる色になった わずかに残る色艶も哀しさを添えている 寒さに備えなければならない やがて訪れる死にも 自然はいつもそうだった 巡るのだ 常に新しい意匠をまとって …

『攪乱する家』 言葉の展覧会980

その館内には屋根がない 代わりに森があり山があり雲があった まぎれもない家 家とは、住むとはこんなものなのだ という思い込み から遠く 離れて 透明な建築の内蔵 楽しむ犬 座り寝転び歩き回り思考する やはり洞窟なのだ 勝手に生成した家 だからここで勝…

『欲望の雨』 言葉の展覧会979

不安定な冬の空 すっきり晴れていたかと思えば あたりが少しずつ薄暗くなり 大衆の欲望がグローバルな空を覆うようになった そんなものは早く消えてしまえ いや、お、おもしろいじゃないか これはわれわれの危機だ でも、ちょっと見てみようよ ほらおまけに…

『大きな迷走』 言葉の展覧会978

かつて大きな迷走がありました 国民はみんな信じ込んでいたのです ある人は地上波に乗せてあおり またある人は口コミであおりました 人を巻き込み人に巻き込まれ みんなは外眉をつりあげ、唇をキュッと結んで 迷走に囚われ執着し拘泥しました 人は自分の世界…

『踊る数字』 言葉の展覧会977

感動を あの人もみている もっと感動を この人もみている さあ、感動の釘付けだ 取り残されずに そして数字が踊る 売り上げという数字 価格という数字 ランキングという数字 市場に踊る 薄っぺらい画面の上 大衆の表象のなかで やがて芸術は撤退し世間様の一…

『うつ』 言葉の展覧会976

『うつ』うつ 鬱 うつぶしては 俯しては うつうつ うつうつ うつむいては 俯いては うつうつ うつうつ うつつをぬかしては うつつを抜かしては うっせきする 鬱積する うつろな 虚ろな うつわ 器 うつ 打つ うつつで 現で うつ 撃つ うつくしさが 美しさが …

『覚悟せよ』 言葉の展覧会975

ずしーんと 重く 身体の芯まで響くものがある つらく悲しく あれだけやさしかったのに あれだけつくしていたのに あれだけ嬉しかったのに こんな不幸なことで終わってしまうなんて・・・ 突然それはやって来て 善意も栄光も喜びも幸せもすべてもみ消してしま…

『思い込み』 言葉の展覧会974

かれは思い込みが強すぎていつも損をしております そんなのはいい加減ほっといて サラーッと流せばいいものを つい未練たらしく こだわり続けるために 狭い檻の中に閉じこもって あの実験ネズミのように ぐるぐるぐるぐる回っているんです こうなりゃいくら…

『近頃国会事情』 言葉の展覧会973

すっかり未来が見えなくなって 大きなことを忘れ 狭い「危機」とやら「憂国」とやらのなかで まるで鬼の首をとったかのように 浮き足だって揚げ足とり 誹謗中傷に嘲笑 これでもかこれでもかと責め立てる 一方、どこか失言せぬものか 落ち度はないかと弱気に…

『川に浮かび上がる「生」』 言葉の展覧会972

百年前にもこの川が流れていた 川の流れのなかで どこからか かすかに 浮かび上がる 「生」 とおいとおい記憶のなかに ちいさなちいさな喜びが 消えては 灯る ・ 百年後にもこの川が流れている ● 早朝、大野良平さんと宝塚南口の武庫川河原へ荷物を運んだ。…

『山椒魚の時間』 言葉の展覧会971

谷川の石の下でただじっとして 動かない 動く時が来れば じっくり動く 少年の私は飽きずにじーっと山椒魚を見ていた くりかえす呼吸 めぐる血液 くりかえす鼓動 15億回の寿命 未来につなげる生命 山椒魚の時間 私は時々子どもの頃に見たあの山椒魚を思い出…

『新語・流行語トップテン』 言葉の展覧会970

それでは、ととのいました新語・流行語2010なう、はじまりはじまり〜 華やかなりしはカメラ女子に山歩き女子なんでもかんでもペケペケ女子 おまけに色気もつけて元気いっぱいAKB48 女子会ってイクメンでかろうじてもっているなさけない男を抜いた会…