2010-12-16 『冬の夜』 言葉の展覧会984 * 冷え冷えとした夜が襲ってきたので 私は炬燵でまるまって ある島で土の中に埋まっている無数の骨たちを見る あの愚かさはこの冬の夜につながっている 虚しさを吸いたくて煙草を燻らす ギロチンが上げられ海が帰ってくる 吐いた煙が部屋にたちこめる 遠くで救急車の音 壁の隙間から侵入してくる冷気 至る所に愚かさがころがっている つながらない言葉の中で 他者への恐怖に目をつむり 世界中の人々の意識の流れに逆らって 惨い外交戦略 それでも言葉は必要なのだろう こんな寒い夜はもう寝るしかない ・