2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「夏の終わり」言葉の展覧会650

夏の終わり 田舎の景色を眺めながら 今日もぼーっと過ごした ぶり返した日中の暑さに閉口しながら ただぼーっと 目に入る緑 耳に入る蝉の声 かすかにながれくる さわやかな秋風 虫の声 夏の最後の昼寝に ちょっと汗をかいた ※と、今日も一日中田舎でぼーっと…

「時間を感じて」言葉の展覧会649

夏の終わりの土曜日 家で一日 ぼうっと過ごした 過ぎゆく時間 来る時間を 感じて 何するわけでもない時間が とっても大切におもえてきて ただぼうっと 時間を過ごすことの幸せ ○ ※合間に 食事をつくって食べたり 皿を洗ったり 小雨のもとでも洗濯物を干した…

「むのたけじ」言葉の展覧会648

そわそわして 落ち着かなく 自分を見失い バラバラになった この国で 老ジャーナリストは静かに語る 私を救えるのは私以外にない 自分を救えば他人も救える (かつてぼくは、たいまつに救われた) 制度を変えても変わらない人間への失望 すりかえる権力と繰…

「ああー」 言葉の展覧会647

ああー と生まれ出て 嗚呼ああーと言いながら 老いていき ああー! と一声あげて逝く ●

「アフガン・で」言葉の展覧会646

木がひとつもない 草もほとんどない 緑が失われた 岩や石ばかりの山々をくぐって 遺体は村人に担がれて運ばれる 実に多くの村人や子どもたちが付き添っている 空腹の荒廃の壊れた地で 遠い国日本から助けに来た若者が 無法者たちによって 足に何発もの銃弾を…

言葉の展覧会645

なんという誇示だ 莫大なカネを使って 世界は空疎にからから回る もう拡大の時代は終わったというのに しかしやがていつかは 衰退し滅んでいくだろう 何でも どんなものでも 終わりがある だからそんなことをやるなんて・・・ もう終わってるんだよ ・

「夕暮れをあてに」言葉の展覧会644

仕事が上手くいき夕暮れがとても素敵だったので 夕暮れをあてに缶ビールを飲んだ 窓から涼しい風が入ってくる 冷たいアルコール液がゴクゴクと喉を通る ああ うまい! もう一缶!! ただいま〜 なに だれ そこにいるのは う〜い だれって みたらわかるやろ …

「G,おまえもか」言葉の展覧会643

血迷ったか G あれだけ徹底批判していたのに ころりと手の平を返すように 愚かな肩入れをして 堕落した同類項に落ちてしまった 思い上がりだったのか 傲慢だったのか あるいは観念の囲い込みの挫折だったのか もう完璧なまでの独走も限界だ 孤高で明晰さの…

「無化装置」言葉の展覧会642

場違いなところにやって来た 日陰者 呪われた者の 理不尽な反駁 やってしまったことの 見苦しいまでの弁明 つらつらと 罠に落ち込んで 愚鈍なキンダイの徹底を! だって すでに死んでいるのに 転換の 眩暈 ●

言葉の展覧会641

今宵ぼくは ぽんこつのギターを ぽろんぽろんと弾きながら 懐かしい歌をうたった 音はぽろんぽろんと 裏の畑のほうへ流れていき 虫のねと共鳴した *

「変」 言葉の展覧会640

恋 好きです あなたが ぼくは恋をしたのです ふん 何を寝言 言ってんの わたしは嫌いです でもなんと言われても ぼくはあなたが好きなのです この気持ちをわかってください ふん だれがわかるか 嫌なものは嫌 ああ たまらなく好きなんです ニンゲンとネコは…

「0年代の想像力」言葉の展覧会639

内へ内へ引きこもって あまりにも軟弱で欺瞞だったばかりに いつのまにか雲散霧消するセカイ そこへ忍び込んでいたのがケツダン 小さな物語を選択しろ 逃れられない物語 無根拠承知でつくるかい 信じたいものを信じろ劇場の そのわかりやすさと たまらない刺…

「90年代の想像力」言葉の展覧会638

モノはあっても意味がない だだっ平くて 空白の 終わりなき 戦場 自由はあるのだが 冷たく わかりにくい そこでがんばっても 決して豊かになれない そこでバブルははじける みんな泡となって島宇宙 拠り所となって崇めるものは ハッポースチロールの神や マ…

「きみよ!」 言葉の展覧会637

きみ やけにこじんまりと つまらないことにこだわって こせこせと卑屈に 狡くなったものよ なんというざまだ きみ ぎすぎすと とげとげしく へんなプライドにこだわって 他人を気にするようでは いったいこれまで何を学んできたのか あほうなやつめ 想像力が…

「赤い糸に繋がれて」言葉の展覧会636

大きな部屋に大量に並べられている記憶 それぞれの小さな思い出 ちいさな物語が 整然と置かれ 共存している 合わなくなって 履き古して 持ち主が死んでしまって もういらなくなった 靴、靴、靴、・・・・・ そのひとつひとつに 赤い糸が結ばれる 大陸を越え…

「濃い夏」言葉の展覧会635

青い空 白い雲 緑の山 みんなすべて濃い もっと濃厚な蝉の声 眩しい向日葵 暑苦しく濃い夏は居座り続ける そんななかでうすっぺらなボクだけが 暑さにぺらぺら のたうっている *

「『決壊』」言葉の展覧会634

もし人間の遺伝子に 悪 が組み込まれているとしたら もし人間の環境に 悪 が大半を占めているとしたら 誰でもいいから殺したかった 残忍に虚無的に 自分の分身が殺人を犯す 人類が連鎖的に殺人を犯す 決壊! ガシャーーーンと崩れる人間関係 壮絶な泥沼 幸福…

「北京オリンピック中継」言葉の展覧会633

より速く! より高く! より俊敏に! よりミスなく! より強く! 鍛えた肉体と精神を 競い合う 訓練と忍耐は 完璧と限界への挑戦 液晶画面にひっきりなしに映る にんげんの驚嘆すべき努力と その逞しい姿は 人を魅了の海へ誘う (だから国の選手ばかりでなく…

「まつ 4」 言葉の展覧会632

またない社会 まてない時代のなかで まつ 猛スピードで走っているものを まつ なんともいいようのないものを まつ 賞味期限が切れても まつ なにかわからないものを まつ だれかが訪れてくれるのを まつ なにかあらわれそうな予感を まつ じっとして生きてい…

「まつ 3」 言葉の展覧会631

ケータイが まつことをかえた セイカシュギ・キョウソウシャカイが まてない社会をつくった コソダテが スケジュールに合わすばかりになって まつことがなくなった またなくてよくなった まてなくなった まつことができなくなった まつ かつてないほど困難だ…

「まつ 2」 言葉の展覧会630

まっている ずっとまっている もう何時間も あのひとがくるのをまっている まっている ずっとまっている もう何日も いつかここへくるとおもって まっている まっている ずーっとまっている もう何ヶ月も あのひとがくるのをねがって まっている まっている …

「まつ 1」 言葉の展覧会629

まっても まっても こない 10分でくるといっていたのに もう20分 まっている まっても まっても まだこない もう30分 まつ まっても まってもまっても まだこない このくそあついのに ああもう40分 まっても まってもまっても まってもまってもまっ…

「きのこ味噌汁」言葉の展覧会628

朝のゆるやかな日差しのなかで 洗濯物を干してから台所に行く だしをとった汁にじゃがいもを切って入れた それから昨夜生協で買ってきた まいたけ しいたけ しめじに エリンギをそれぞれ切って入れる 先程付けたテレビから 北京オリンピックと ウィグルのテ…

「市場原理」 言葉の展覧会627

世界に悪魔が住んでいるという。 「市場原理」という悪魔である。 悪魔の中にいる人は悪魔を知らないし、 それが何を持たらすのかも分からない。 ただその重圧は厳しく、 人をいともたやすく死に至らしめる。 ところがそこに安住していると、 みんな悪魔にな…

「オタクは死んだ」言葉の展覧会626

やはり広まり過ぎると こうなるんだな 大衆化のなれの果て 一億総子ども社会のなかで 品格は死に 見識や判断も死に体だ 貴族からエリートへ そして自分の気持ち至上へ おたくからオタクへ変わって オータクサン やはり急激に増えたばかりに 死んでしまったの…

「ヒロシマ」言葉の展覧会625

8時15分から少しずれて 若い同僚らと 広島に想いを馳せて 黙祷した 63年前の今日 広島の朝は 紅の夾竹桃が鮮やかに咲き 蝉がうるさく鳴いていた 人々も仕事につこうと・・・ そのとき ぼくのおなかがグルルと鳴ったので 目を開けた 若い友3人も目を開…

「蝉」言葉の展覧会624

蝉が鳴いている 蝉がひっきりなしに鳴いている 蝉がうるさいくらいに鳴いている そんなセミシャワーのなかで 蝉は死んでいた 桜の木の下で 蝉が仰向けになって死んでいた てのひらの上の精巧な模型のような蝉 鳴いて鳴きつくして 死んだ蝉 の羽 に そっと 触…

「何も浮かんでこない」 言葉の展覧会623

夜 今日は何かいい言葉を書いてやろうと 机上のパソコンの前に座ったが ただ暑いだけで 何も浮かんでこなかった 窓を開け放して扇風機をかけているが 熱い空気をかき回すだけである そうこうしているうちに 睡魔がおそってきたので 寝ることにした ・

「川」 言葉の展覧会622

源もわからぬままに 木々に覆われた狭い谷間に川ができ さわさわと水が流れる 清く澄んで爽やかに 流水は岩にあたり岩から落ちる やがて川は少しずつ水が増え広くなる 他の川とも合流しさらに広くなり 深くゆったりと流れる いつのまにかゆるやかになった流…

「すでに死んでしまったもの」言葉の展覧会621

いまさら惜しんでみたって 懐かしがってみたって 悔やんでみたって しようがない もうすでに死んでしまったのだから こんなものだとは想いもしなかったが 仕方がない いまさら何を言ったってしようがない 手放したものもあれば手に入れたものもある 喪失した…