2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「狂い」 言葉の展覧会710

薄いうすい 境界の膜 正常と狂いの みんなが臭いところでは 誰も臭わない すべて狂っているところでは みんな狂っていても 正常だ ところが 何かの圧力で少しずつ たわんでいって ある日突然 破られて ああーーーっ!! ・

言葉の展覧会709

齟齬 仮説は間違っていた かもしれない *

言葉の展覧会708

他者へ運び込んだ 文字に 起きた僅かな変化が 文を 書き換え 大きく変更して 保存に至る こうしてつなげていくんだ ・

「海」 言葉の展覧会707

やがて 海は空に溶ける そして 海は 陸地との境界で 謎を解く 破片が散逸している ひとつの砂粒 風がさらう やがて 赤い太陽が海に入る ・

「貝殻」 言葉の展覧会706

淡いピンク 粉々になりそうな いとなみの跡 波にさらわれて ・

「せいめい」 言葉の展覧会705

かたちはある ものもある しかしそのないぶは たえまなく かくさんし すてられ ぶんかいして いれかわり さいこうせいされ ごうせいがくりかえされている もののかたちはたしかにある だが それはいちじてきにかたちづくって いるにすぎない そこにあるのは …

「秩序」 言葉の展覧会704

その意匠には 秩序があり 美がある それは絶え間のない流れによって もたらされ 動きとなっている ちいさな小さなものが 出入りする 流れ 守るために 次から次へと 壊されている ・

「!」 言葉の展覧会703

結合力の 変化 部分と全体の バランス もっと はたらかせなきゃ ・

「?」 言葉の展覧会702

なんと曖昧で 過誤に満ちていることか だが 遅すぎるほどゆっくりと あいまいに たくわえている だからこそ 持っているんだ 間違いだらけだからこそ お分かりかな 何か? ・

言葉の展覧会701

う〜ん この動物は長生きし過ぎなんだな 本当の寿命は50歳くらいなのに 70も80歳も生きている そのしわ寄せで いろんな病気にかかるというわけなんだ 不自然淘汰 逆進化 もうとっくにこの動物は進化を止めて久しい 変わりに環境を進化させている でも…

「深い海へ」言葉の展覧会700

いま囲われ囚えられて どう足掻いても抜けられない もう頭の中がパンク寸前 でも そんなことはそんなにたいしたことじゃない と考えることだ いま落ち込んで辛いかもしれないけれど そこを抜けると もっと違う物語が広がっている いま滑稽でみっともない人間…

「触る」言葉の展覧会699

奥深く眠っていたものが こんなのもあるんだよと 呼び覚ます さわる ふれることで 浮かび上がる あいてのかたちと きもち ・

「現代詩状況」言葉の展覧会698

内輪で うんうん頷きあって 貶し誉め合い 慰めあって 外へはひとつも出ようとしない 外から見たら けったいにうんうん考え おかしなものを書きつづけ 誰も読んでもくれないので 他者を排除し 自分たちだけでさも孤独そうに さも人類の悲哀のように 交換し合…

「市場優先社会3」言葉の展覧会697

カネがカネを呼び カネを愛し カネに溺れ カネに捨てられ カネに見放される この地球では カネが人を喰っている *

「市場優先社会2」言葉の展覧会696

ふしぎなものである このしくみとは 貧と富の差が どうしてできるのか わーきんぐぷあと チョーリッチのあいだに なにがかくされているのか うめていくものはないのか ふしぎなものである このにんげんのれきしの このじだいの このしくみとは *

「市場優先社会1」言葉の展覧会695

カネのためなら どんなことでもする あさくて あさはかで あざといやからがうようよ うようよ どこもかしこも うようようようよ いやだいやだ ああ もうたくさんだ *

「そうり」言葉の展覧会694

こんなにふあんがひろがっているときに ひろめたのはじぶんだから あさはかで そとへのはいりょと せまく よりちょうきてきなしてんと うちわむきになるのは ふだんのたいわと よりしんこくさがまし せきにんあるこうどう ききにみんなをおとしめるだけだ を…

「『新』体制」言葉の展覧会693

じゅくじゅく 内から 腐っていき とんでもなく虚ろで わけが分からなく ヘンカクに向けての 不信と反感と 自らの腐敗の重みで 崩れて 染み出す汚濁した汁 やがてそれらも蒸発して 残る黒い痕跡 そこにまた立てられ 繰り返す 「新しい」もの *

「怒りなき」言葉の展覧会692

かくもこんなに たらたらと かおをみていからず おのれのみにこだわり ほしんほしんと ほしゅへの いらだちときょうかんと ぎもん 憬れと違和感の交錯 *

「バラける富」言葉の展覧会691

評価が下方に修正されて 連鎖安 吐き出さざるを得なくなった人の過酷な涙と 儲けた人の含み笑い 二極化の立場の拮抗こそが救いだった 終わりを宿命付けられた政権 CとSは増えたり減ったり いま偏在していた富が バラバラバラバラと 世界に拡散しようと ※「…

「ケータイ小説」言葉の展覧会690

街には物語が溢れ 毎日のようにもう一つの世界が蓋を開けている カネになるだろうから 一発当てようとすぐ商品成果を出そうと 読むこともしないで ピコピコと われも書きたいわれも書きたい それ故か ただ目先だけの表面だけの 定型物語が巷にあふれ ケータ…

「JL」 言葉の展覧会689

過剰なほどに 重要性が語られた時代はあったが すでに過去のものとして葬られてしまった そんな時代は終わった 終わったのだ いまはその影すらない あらゆるものは変化する 時代が変わればものも変わる ところが 時代を突き抜けて 持ちこたえているものがあ…

「琳派」言葉の展覧会688

じつに表層的 その表面だけがすべてである いいとこばかりをぱくりパクリ それを縦横無尽に 目のセンスで スパッと切って 断面だけで物語らせる でもそれは単に 切り口を見せているだけだ 意味なんてひとつもない イケてる! +

「目」 言葉の展覧会687

ある過程でできた 器官 受け取ったのはフォトン その情報を解析し 認識し解釈する ここではじめて 世界が生まれる 脳が人間に固有な 世界をつくりあげている *

「スポーツ」言葉の展覧会686

若いオスたちの中へ また新しいオスが参入して 乱れ たたかう さばいばる 群居動物は おのれの過剰を制御して より強い種族づくりに励む 価値遺伝子の中に刻み込まれる たたかいへの想像力 闘争力の強さ りぴどー それは石の来歴を持っていない いまはスポー…

「秋雨」言葉の展覧会685

しとしと秋の雨が降る 山には霧がかかり 気恥ずかしげに草が雨玉をのせてゆれる いなくなった羊 知られてしまった秘密 ゆがんだままで純粋培養された思考 見知らぬ時間と静かな雨音 残るもの 残らないもの 自らが死者に近付く文法 秋雨が静かに降っている ・

「長い廊下」言葉の展覧会684

長い長い廊下を 歩く ただ歩く 歩くほかにない 出口は先にあるがわからない 入り口へ後戻りもできない 長い長い廊下を 歩く 何も期待せず 何も考えず 歩く かけがえのない廊下だけれど 恐い 選んでしまったもの 取り返しのつかないものを携えて 時には走り …

「森の匂い」言葉の展覧会683

深閑として 甦るとおい 記憶 なんと懐かしく なんと落ち着くのだろう そこには深い森があって 鬱蒼として繁る 木々たち 漂う死も生も織り交ぜた 静謐な匂い この雑然とした部屋の中で 森の匂いを嗅ぐ ちいさな木の 欠片から □

「真っ白な骨」言葉の展覧会682

くずれ とんがり かさなりあい わずかのつながりをたもって ひとのかたちをしている まっしろな ほねたち ほれほれ これがまっしろなほね あのゆうかんにすすんでいった おだやかでえがおをわすれず わたしにおむれつをつくってくれたひとのほね ほんにまっ…

「何をしたかったんだろう」言葉の展覧会681

いったい何をしたかったんだろう 息子は冷たくなった父をじっとみて ぼそっと呟いた 数学教師の職を数年前に辞してからは とりわけこの1年は白血病とのたたかいだった だが悔しくも敗れて逝く 父62歳 おだやかな顔は生前のままだ いったい何をしたかった…