2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧
「ツバキがいたよ」と、近所のテルミさんが朝来て言うた。「えっ、どこに!?」ぼくはびっくりして問うた。「学校よ。小学校と中学校に」子どもたちがツバキを飼っているの、と嬉しそうにテルミさんは言う。 2カ月前に居なくなったツバキがいた。 こんな朗…
かたいよろいに とんがりあたまごましおひげで ちゃいろくクリクリ いばっている いばったクリよおまえはたべられるそんざいクリクリこんがりむきやすくクリクリまだあったかく ほっかほか (おとなりさんからもらった焼きグリ クリクリ おとなりさんもひと…
わたしは魚 すーいすいおよぐぷかりぷかりたゆたいゆーらゆらゆれるめばえたいのちがゆれるあたたかくやさしくすきとおってあかくひかりよろこびにつつまれて うたう海くりかえす海なつかしい太古の海おかあさんのあたたかな子宮の海 わたしは魚海のなかをお…
この世に ぽつんと悲しい人 どこか病んだこの島国にも悲しい人海の向こうも山の向こうにも 危うい世界見えない悲しみに満ちて だからわかる人にはわかっている涙にきたえられた悲しさが平らな和みを希い求めることを 悲しい秋陽が陰り光が少しずつ薄れてゆき…
ひとつのコップがあるなんのへんてつもないコップ 木片にそっとコップを置くただ木片に置いただけで見方が変わる カーテンを少し開け 光を当てるみるみるコップはかがやきさまざまな事象や思いがあらわれ 希望すら見えてくる コップを見つめるそれは自分を見…
風が吹いている戸や窓がカタカタ鳴って落ち着かない風が吹いているススキをゆらせコスモスをゆらせ森に入りさまよう風が吹いている微かに動く大地に広々と風が吹いているぼくに吹き寄りくるっとまわるおそらくあなたにもくるっとまわっているだろう風が吹い…
スクスクとまっすぐ立っていたけれど風に 大きくゆれ物憂く かすかにゆれ白く ゆれる芒 風になびく心がなびくあなたになびくススキ スキスキススキ 刈っても刈ってもまた生えてくる生命のちから しぶとくたおれない おれないただしなやかに揺れるだけ薄 やっ…
災いはどこにでもやってくる災いはいつかはやってくる災いはぼくにやってくる災いはあなたにやってくる災いはだれにでもやってくる災いはヒトへの天罰のときがある 知ることだ備えておくことだ助け合うことだ覚悟しておくことだ観念することだ 災いはいつか…
里山に入り 緑の海を歩く光りが枝に葉に 野草に 降り注いでいる緑が匂う 緑の中にちいさなちいさな白い花そのとなりにもうすこしちいさな紅の花緑から浮かび上がる気高く咲き誇る紫の花 ぼくは緑に生きている緑に生かされている緑に包まれて 葉が鳴り枝が揺…
わたしはとても辛いので あなたにお手紙をさしあげますあなたはどうしてわたしが嫌いなんですかともに仲良く暮らしていたのに、それも急になにか悪いことでもしたでしょうかわたしはつらいです、とても苦しく悲しいときもあります 周りの人たちが言うからで…
あっちにもこっちにも理不尽な死人の世といってもひとときの地球の歴史、生命体の自然どんなことが起こっても そのまま受け入れるしかないけれど・・・ 残る成長の不満と空しさ関係の嫉妬の修羅場もある 心の機微ってのはいったいどうなのか好みの差異をどう…
風にそよぐ黄金色の稲穂を見ながら畦道を歩いているとふぃっと遠い記憶が蘇ってきた 田畑や山を走り回ったころの思い出実にたくさんの子どもたちが野原を遊びまわっているせっせと畑の野菜を摘むおとなたちこの土地に蓄積されてきた古いふるい記憶残り続ける…
黄金色に染まった田んぼが一面に広がっている山は緑 青空に白い雲 あなたがみえないあなたがわからないあなたはあなたでないあらかじめ失われたあなた 紅の百日紅の花と桃色を秘めた白い夾竹桃が見事に咲いている ぼくは変わっていないちっとも同じところを…
ぼくはさがしつづけてきたあなたと出会うことができたらとあなたはぼくの根元から変えてくれるだろうあなたに会いたい会えたらと 漠然と想っていたことが少しずつ浮き上がってくるぼくのすることって、このことなのか・・・ 心と心が出会って喜び合い ぶつか…
あのひあのとき未知にふみこんでゆめにめがかがやきういういしくはつらつとしていた きょうこのひゆめはいまだきえずうよきょくせつむらがありながらすこしおちついている きょうからみらいへきみのゆめとあのひながしたなみだはもちつづけてほしい ・ ・ ・
アッとわかるオッとわかるフッとわかる こころが通い合った 人と人との出会いあなたとの喜びと幸せと別れと悲しみ ・ ・ ・
いま ここ痛みは世界ぼくの全世界ぼくの在ることの証 いま ここ痛みをかかえて 生きることの辛さ人生のひとときの苦しみ いま ここたしかにぼくは生きている痛みをこらえながらああ、痛みよ 去れ 去れ ******* 『歯が痛い』 No.3559 歯が痛いうずく …
フッと自分という自然に気付く秋の白雲 白雲や秋陽陰影の山に浮き上がる 夏残りてぐでんとわが前でねむる猫 とどこおる暑さの中でさて、どのように使おうかこの新発見の言葉 山から空へ新鮮な白雲のぼる暑い暑い初秋 生きてまっせ! ・ ・ ・
わたしがこうしてここに独りで詩を書いているのも 自身に向けての手紙でもありますが もっとわたしのだいじなことあなたに向けた手紙でもあるのです あなたはわたしのたいせつな人この世でたったひとりの人あなたはわたしの大好きな人 あなたはすでに死んだ…
信じていたのに・・・ 信の糸が 一本プツンと切れたらこれまでのつながりやいまのあらゆるむすびつきがまたたくまに崩れてしまうあなたとの関係 そんなにもろいものなのかうそでも信じていたい 信の糸が切れたとしてもまた結ばれることはあるのだろうか そこ…