2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『「生」の灯』言葉の展覧会1016

冷たい風がながれ 雪が舞い散り 底冷えのする川の 石たちが この前夜に灯をともして 話してくれる つらいことようさんおますけど 生きとりまっせ へこたれんと生きとりまっせ おかげさまで 生きとりまっせ ・ ※川の中州に立っていると、底冷えのする寒さだっ…

『秘密の詩』 言葉の展覧会1015

詩が隠れている場所がある そこは暗黒で正体不明の ダークマターやダークエネルギー充ち満ちている すべての生を元に戻してしまう 死者たちの言葉の倉庫 ときたま光がよぎって 少し生を潤わす ほっと一息する時間 そこに詩が脈々と息づいていることを確認す…

『引き受ける』 言葉の展覧会1014

何でこんなに軽く 安々と 引き受けてしまったのだろう やがて事のたいへんさに気づき 胃がキリキリ痛み出す あれもこれもはできはしないはずなのに やらなければならないことをいっぱいためて すでにもうアタマがパンクしていて ふわふわと何か浮ついていて …

『ひとつの絵』 言葉の展覧会1013

田舎の蔵の奥から 埃のかぶったひとつの絵がみつかった 突然 明から暗に反転した あのとき ・ ・ 大地の震えにはひとったまりもなかった 物も人もみなグィッと振り上げてグラグラ揺さぶる 途端、すべての物が崩れ落ちていく こなごなになったカップ 倒れ潰れ…

『救い』 言葉の展覧会1012

がんじがらめのなかに 定められた型のなかに 内部は混沌たる宇宙のなかに シンプルな言葉のなかに 底知れぬ自由があった ・ ●

『あれから20年のあなた』 言葉の展覧会1011

壊れてしまったあと 失ったものがたくさんありました それに追い打ちをかけるように大きな壊れが来て 途方に暮れたときもありました すっかり内向きになって みんなと一緒に暮らすことが少なくなり がらりと変わってしまい 気がつけばあなたは 独り ・・・ …

『伊達直人,列島を走る』 言葉の展覧会1010

伊達直人は走る 列島を走る 長野に岐阜に花巻に鳥取に赤穂に長崎に沖縄に タイガーマスクで走る 子どもたちへのプレゼントを携え 未来へ走る 孤児らの施設の玄関先に ポッとともるランドセルの贈り物 ささやかながらもあったかい やはりこのくにに息づいてい…

『可能性の荒野へ』 言葉の展覧会1009

内側ばかりを見て 答えのない問題に立ちすくむ 寒々とした日にこそ 窓を開けよう 冷たい風が入ってくるけれど新鮮だ 身をぶるっとふるわせてくれる 遠くの山を見て 山の向こうをおもってみよう それから空を見上げよう なにひとつ同じものはない そしてみん…

『ぶるぶるぶる』 言葉の展覧会1008

・ おーさむこさむ ぶるぶるぶる 寒波襲来! 冬将軍がやってきた ぶるぶるぶる 地球の寒さが身にしみて感じられる季節 冬 布団にもぐったまま出られない 寒に入って今が寒さ本番 外は霜と氷 遠くでは豪雪 ぶるぶるぶる よっと出ては炬燵に入り ぬっと出ては…

『モノと共に』言葉の展覧会1007

このくにのヒトはモノと相性がいい イキモノやシゼンやレイと同じように モノとつきあう どこにいてもどこにいっても モノをつけモノを持ちモノをいじっている モノの中に住んでモノとともに暮らす モノを使いモノをながめ モノに語りかけモノに教えられ と…

『年賀状』 言葉の展覧会1006

年始めは 懐かしい人からの 1年に一度の嬉しい便り ひとことの近況と はげまし 何度も見て 読み返して 想い浮かべ *

『A HAPPY NEW YEAR!』 言葉の展覧会1005

生まれて6ヶ月のカノンちゃん ばとぶとあがはなせるようになったと ねこかわいがり父ちゃんのハナさん みんなが抱かしてとまわしだしたら びょーんびょーん泣き出した 大きなおなかをかかえたトモコさんも 時々そのおなかにふれる新夫のタケさんも この5月…

『小舟』 言葉の展覧会1004

見捨てられた饒舌な「失語」 それゆえ馴れ馴れしくそばに寄ってきた詩 言葉は幸せだ 親しさをこめ声を出して 「消費」に翻弄されながら 近くに泳いでいる「断片」を捕まえ 語る「物語」は遠く離れて「応答」なし あらゆる情報を吸引して吐き捨てる 「データ…

『言の葉の記憶』 言葉の展覧会1003

空に向かって枝の毛細血管を這わしているこの裸木は 夕焼け雲を背景にして 美しいシルエットをつくる 碧々していた言の葉 大地に向かっても毛細血管を這わす根っこは イメージや体験や歴史が積み重なった腐葉土から 豊潤なエネルギーを得る 深部では清らかな…

『胎動』 言葉の展覧会1002

* 『胎動』 ほら、何か大きく動こうとしているよ いまは見えないけれど 誰もがうねりを感じながら どうすればいいのか分からない 時代は動くよ大きく動く ほら、奥の方で小さく動いているよ でも見えないわたし 見えないあなた バラバラに拡散してしまった孤…

『うさぎ』 言葉の展覧会1001

* 久しぶりに絵をかいた。下手ではあるが、マンガ調のかわいいい系(自分なりの)で文字も入れた。詩をかくのと同様、なかなか楽しかった。どうも文をかくというのと絵をかくというのは同類のような気がしてならない。「書く」と「描く」では違っているよう…

『2011年』 言葉の展覧会1000

また新年がやってきた 1000回目がこんな日になるとは たんなる偶然なのか * 元旦に言葉さがして旋回する 千回も言葉求めて展覧会 * 未明 それにしても雪がちらつき猛烈に寒い 人間(じんかん)の底を吹いている 空無な寂静たる風 ただがむしゃらに詩を…