『秋、海からの返事』 No.3708
秋の日のどこからか
返事がやってきた
ひろい海にぶらりぶらりと漂っていた詩の入った壜を
どこの浜辺で見つけられたのか
どなたさまか拾ってくださった
ぼくのある詩を読んで
「涙が出ました」
とツィッターでの嬉しいお返事
この世界で たった一人の方が
ぼくの書いた拙い詩を読んで
泣いてくださった
からっぽの部屋の窓から見る
夜空に一点鈍く光る星
飲む酒美味しく
しあわせを独り占めする秋の夜長
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『あのとき(時代)』 No.3707
あのとき
ぼくらは暗かった
しかし貧しさと暗さのなかで
希望があった 根拠のない希望が
あのとき
ぼくらは汚くあった
見せかけできれいに整えられたものに
わけもわからず反を唱えた
あのとき この列島では
ぼくらサピエンス繁殖期の真っ最中
盲目的で失敗ばかりしていた
あのとき
ゆるやかな時代の中で
ぼくらは外へ外へ
急激なスピードで進んでいる今
内に病をかかえ 内にこもりだす
いま、
自分の内に「あの時代」が再び
育ち出した
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『10年先』 No.3706
さあ、どうなるのかしら
かなり変わっているような気がします
崩れる、どんどん崩れる
価値観が崩れて行って劇的な変化が訪れる
かもしれないよ
ひょっとして
コロナでもこれだけ変わってしまったし
大地震がもっと変えるだろうね
煩わしいのはもうイヤ
自分を抑えに抑えて生きたくはないわ
責任はとらないんですよ 過去も今も
この国では
破局が起こっても
どこかからおこって こうなってしまったという
天変地異的な破局にしてしまう
敗北の裏側にある打算
顔色を伺いながら
上ばかり見る
自分を盛っているんだねあの人
盛っても盛っても バカが際立ってるよ
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