『せむしの男』 言葉の展覧会990
せむしの男が歩いてる
ひょこひょこひょこひょこえっちらおっちら
地球の上をあっちへ行ったりこっちへ来たり
せむしの男が座ってる
ただじっと日が暮れるまで
大地をみつめ空をあおいで座ってる
せむしの男が笛をふく
風にあわせて さびしくゆかいに
小鳥が舞って虫たち踊る
せむしの男が笑ってる
波の音にまけないくらいに
砂をなぜ頬ずりしながら笑ってる
せむしの男が泣いている
とおいとおい過去をおもって
いつまでも 星を見ながら泣いている
せむしの男が蒔いている
背中からとりだした 色とりどりの種
あたりいっぱい蒔いている
せむしの男が歩いている
背中のこぶにいっぱい
拾い集めた詩をためて
*
※ななおさかきの詩を読んで
(ココペリを想いながら)