2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「おたがいさま」言葉の展覧会588

なんの偶然か 運命なのか あなたと出会った 傷つきやすいんだね あなたの苦痛を感じてしまう へんなこだわりを捨てあなたと向き合って あなたを迎え入れて わたしはたえず変えられていく わたしの世界を捨てあなたの世界を見る おたがいさまだよ いま かけが…

「古池や」言葉の展覧会587

山のふもとのお堂の下にある古池 畑仕事の帰りに寄ってみた 山の麓になにおもう古池や なにげなく石を落としてみる古池や トボン 山が裂けアメンボが逃げる タボン また石を落とした 曇り空が割れ輪が幾重にも広がる それがあまりにもおもしろくって ぼくは…

「気が合う」言葉の展覧会586

こっちからあっちへ 気が動く 心から心へ 気が流れて 気が交流する 「大丈夫だよ」 心のなかに閉じこめられている ネガティブな思い その扉をひらき それを素直に受け容れる すると 無意識に潜む お互いのいのちの流れが見えてくる 気が合った 流れは豊かに …

「負荷」言葉の展覧会585

よりおおく いっぱいいっぱい じゃぶじゃぶ使って 豊かになった いまじゃこの国では モノがあふれ 残った食べ物すら捨てている 大量に消費して大量に廃棄して 贅沢になったものだ 世界で餓死する人たちを想えば なんとかなしいことか (グローバルに見たら「…

「きつねがなく」言葉の展覧会584

朝方 きつねのなき声で目が覚めた ギャーオン ギャーッ 朝だよ朝だよ こんな所まで降りてくるなんて 街に接した山のふもとで きつねがないている ギャワーン ギャワン なんだか訴えているみたいに ああ また山が削られて宅地になる 森をかえせ 緑をかえせ ギ…

「初夏」言葉の展覧会583

空をみるならいまだ 新しい夏がやってきて 紫陽花がまた色を変えている 内の微笑ましいサクランボまで 雲間の向こうの 青空に漂っているようだ 空はぼくに美の謎を語りかける ・

言葉の展覧会582

本屋に並べられた 数々の本 次から次へと新刊本が置かれる いま最新だと言われているものは はたして最も良いものだろうか そんなことはないだろう それはかんぜんな過ち 進歩がいいというトリック この本屋にある1冊の本でもいい 30年後50年後に読まれ…

「大地のふるえ 2」言葉の展覧会581

大地がふるえて ぽっかりと 空いてしまった空洞 崩れて 擦れて 陥没して 大地は少しずつ 形を変える 人が為す術もなく ・

「眺める動画」言葉の展覧会580

触れたいような 抱きたいような少女の 絵がゆっくり ゆっくり 動く 幻のように消え 生命の芽生えのように生じる このスローな解体と再生を ぼくはゆっくりと眺めている ゆったりとした時間の中で 美しい花は萎れて枯れる 美味しそうな果物は腐り黴が生え液が…

「ロスジェネ」言葉の展覧会579

娯楽はあふれ ケータイを携え マンガ、アニメ、ゲーム、お遊び、ギャンブル、インターネット、・・・ 気がつけば そこから一歩も出られない 奴隷船 強制される自由 萎える自由 顕在化する貧困と格差 透明な怪物新自由主義 密閉された自己愛、存在誇示、怒り…

「お城から出て」言葉の展覧会578

みんないながら みんなでやっておりながら だれ一人代表せず だれも責任がない こんなお城があったとさ 城の外に出れば 非難と嘲笑の嵐 じゃ私が言おう ごめんなさい どうもすみませんでした 今後こんなことは決してやりません ・

言葉の展覧会577

実に都合のよい情報だけを 拾い集めて 願いを夢を天下を語る 数字や人気だけを 頼りに 政治を遂行する ルックスや威勢の良さだけを 画面で視て 政治家キャラを持て囃す 悪いのではない 人間とはそういうもの でも 熱く語らないで 自説の危うさを知って 数字…

「代替可能社会」言葉の展覧会576

消える 消される かけがえのなさ 序列化された多様性 取り替え可能で 自由競争 さあ 次から次へと いらっしゃい ・

「プレカリアート」言葉の展覧会575

疲れ果てた若者が項垂れている 草臥れた老人のように 何かのきっかけで 心を病み 会社を辞め アルバイトを転々 自由なんですよ 民主主義なんですよ何についても 手続きがうまく行き渡り効率的で しかし 奴隷 だから 努力が足りないんだよ (それが技術や能力…

「高度情報化社会の蕩尽」言葉の展覧会574

蕩尽され やがて自壊していく 必衰 この魅惑と恐怖 権力の 富者の そして情報の 持て囃され崇められ羨ましがられ憬られ 最後に捨てられる 必ず あのタレントのあのアイドルのあの学者のあの政治家の 落魄 今日日なんと速いことか 猛スピードで 加速、加速、…

「私は悪くない」言葉の展覧会573

私は悪くない 失敗するつもりでやったわけではないから だから私のせいではない それに私だけとちがうし 断念できない 断念しないY こう思っている 私は絶対だ 無限な この私 他人の目が内面化されずに どこまでも言い張るY 私は悪くない 絶対悪くない!!…

「秋葉原テロ」言葉の展覧会572

実に身勝手に 「等価交換」が猛威をふるっている 狭隘な「消費」の醜い姿 もはや接点がなくなり 「そんなの関係ない」やさしさが蔓延る 他者を見ても 全く見ようとしない このおぞましさ いまや大量発生した「幼児的全能感」が モンスターとなって 不安と絶…

「成熟化社会」言葉の展覧会571

不安が駆り立てる熱 漠然と けっして軽減されることはない 限りなく 迷走 またも迷走 追い詰められて 達成した「近代」は 冷徹なものだった こんなものが「成熟」か ・

「自分5」 言葉の展覧会570

窓が無く 閉じられた独房に 独り座って 目を瞑る あらわれるのは 変わらぬ自分と変わっていく自分と 拓かれた世界 これが世界の 全て 欲望の無限展開 しかし その世界は 外へ通じている

「自分4」 言葉の展覧会569

危険を全部取っ払って カプセルに入った 虚構 だから 閉じられた個室 信仰抜きの信仰 現実への回帰 現実の中の現実への回帰 またしても 独房 抜き取られた 暴力がざわめいている ・

「自分3」 言葉の展覧会568

自らつくりだした嘘に 投入し 填り込む 嫌悪していたものが 執着するものへと きらきら反転 身体加工が流行っている 身体に穴を開け身体に色を塗り 臓器を取り替え身体を整形し 身体を切り刻み 一滴の他者性を感受したくて さまざまな謎 さまざまな逆説 ・

「自分2」 言葉の展覧会567

ある日 気がついたら「自分」がいた 選んだり作ったりしたわけじゃないのに 「自分」になっていた このまぎれもない「自分」 不条理で 不自由で 逃れられない「自分」 良き方に善き方に 美しい方に「自分」を変えようとするが なかなか「自分」の域を出ない …

「自分1」 言葉の展覧会566

いま 大地震が起こったり 理不尽な殺人が起きたりしているけれど ひとびとの関心事が 内へ内へと向いている いま 何がニュースかと言えば それは自分 自分がニュース ・

「この愚かもの!」言葉の展覧会565

ちょっと待ってよ 躊躇う う〜んよく考えて なぜそんなに急いでいるの 息せき切って 私は正しくあなたは間違っているなんて 異論を認めず 正論ばかり言って 折り合いもせず だから 間違っていたんだ おのれの主張が この愚かもの! ・

「己自身を知れ」言葉の展覧会564

私はどれだけ 愚かであるか どれだけ間違っているか どれだけ正しくないか どれだけバカなのか バカさの点検を ・

言葉の展覧会563

誰だってあるさ 落ち込んで くら〜くなるときが 明るさなんてだけでは てんでダメだ 暗さがあってこそ明るさがあることを 知ってほしいなぁ 暗くなったときは 元にもどってやりなおしてみる ってことかもね ・

「向こうに」言葉の展覧会562

きっと あの雨雲の向こうに すっきり澄んだ青空があるのだろう そして そのもっと向こうには どこまでも続く宇宙が広がっているのだろう だから 落ち込んでいるなんてちっぽけねことなんだよ 2,3日すればすぐ忘れるさ ・

「いちご」 言葉の展覧会561

初夏の朝には なにか格別な光を放っている 入り込んだ太陽のおかげで なんと甘いんだろう 葉から滴り落ちる一滴の滴 少女はくちびるに真っ赤な口紅をつける前に 光を呑み込んだ 地球はまだ安泰だ・

言葉の展覧会560

政治は短く芸術は長い H知事が芸術を切り捨てたところで たいしたことはない * すでに死んでいるものは 手厚く葬ってあげるしかない * 見失った夕日を待たねばとおもう どんな暗い夜が来たとしても *

「聴く1」言葉の展覧会559

あなたの言葉を わたしがつかむ 言葉がつかむ 言語でない言葉が 言葉にかさなり ふるえ 声と声が歌のようにひびく 言葉がふれあった 言葉が身体をつかむ わたしがとけて わたしでないわたしが呼び出され わたしのずっと前のわたしがあらわれる そんなわたし…