2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『ぬくもり』言葉の展覧会1298

まだぬくもりがありますよ かけつけた老妻は涙して頬をさわった 「ああ、あたたかい。・・・・」 ぼくもさわった 「あたたかいですね。まだ生きてはるみたい」 現世のことはすっかり捨てて 毎朝お経をとなえていた あの仏のように おだやかに しずかに 永遠…

『ばおばぶの樹』言葉の展覧会1297

言葉が生まれる前から ずっとずーっと生きている ばおばぶの樹 小鳥たちはそこで豊かなムラをつくり 虫たちはクニをつくり 大きな動物たちは憩える遊園地をつくる 何十人もの人が手を回して繋いでいる ばおばぶの樹 いのちが生まれ死ぬ 大地に デンと立って…

『「西谷でつくる」展』言葉の展覧会1296

ふるさとの 萌え出づる草木にけぶる山 色鮮やかな花々に長閑な田畑 そして碧く碧く澄みわたった空 西谷で感じて 西谷でつくる ・

『アーニー・ガンダーセン』言葉の展覧会1295

吉田逸郎さんより「売れている本」ということでこんなメールをもらった。*************福島第一原発―真相と展望 [著]アーニー・ガンダーセン この『福島第一原発─真相と展望』の著者アーニー・ガンダーセンは、事故7日後にCNNテレビに出演…

『春にふと気づく』言葉の展覧会1294

あなたは春風 わたしは春の水 あなたに吹かれて わたしはゆらゆらとゆれています やがて空にまいあがって 真っ白な雲 ちいさなちいさな虫が群がって わたしを追っかけています 明日は雨が降るのです あの青空の向こう 遠い遠い宙で 星の爆発する音が聴こえま…

『春の嵐』言葉の展覧会1293

巡ってきた春 まだ寒く 吹き荒ぶ嵐のなかで 桜の蕾が ぶるぶるふるえている ・ 春の嵐 ビュンビューンと 走り回る ・ 春の嵐 ガツンと叩いて 走り去る ・ 春の嵐 桜を倒して 逃げてゆく ・ ※春の嵐が戸や幌等を飛び散らし、ヒライくんとこの桜の木まで薙ぎ倒…

『かばん』言葉の展覧会1292

重いかばん 手放せません 無くしてもまたどこかで見つかるのです 本当はこんなかばんは嫌で嫌でしようがないんだけれど 持つしかないのです これがぼくのかばん 誰だって持っています ただ持っているのに気付かない人がほとんどです このかばんを捨てればど…

『海の風』言葉の展覧会1291

私は海に漂っています 波に乗ってゆーらゆら 揺れています ・ 私は海の底 深海の熱水のなかで産声をあげました ・ 私は魚 珊瑚の間をすーいすい 泳いでいます ・ 僅かに残る記憶 過ぎる老いの記憶 ただぼんやりと なんの痕跡もありません ・ 私は海の 風 ・ …