2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧
まだぬくもりがありますよ かけつけた老妻は涙して頬をさわった 「ああ、あたたかい。・・・・」 ぼくもさわった 「あたたかいですね。まだ生きてはるみたい」 現世のことはすっかり捨てて 毎朝お経をとなえていた あの仏のように おだやかに しずかに 永遠…
言葉が生まれる前から ずっとずーっと生きている ばおばぶの樹 小鳥たちはそこで豊かなムラをつくり 虫たちはクニをつくり 大きな動物たちは憩える遊園地をつくる 何十人もの人が手を回して繋いでいる ばおばぶの樹 いのちが生まれ死ぬ 大地に デンと立って…
ふるさとの 萌え出づる草木にけぶる山 色鮮やかな花々に長閑な田畑 そして碧く碧く澄みわたった空 西谷で感じて 西谷でつくる ・
吉田逸郎さんより「売れている本」ということでこんなメールをもらった。*************福島第一原発―真相と展望 [著]アーニー・ガンダーセン この『福島第一原発─真相と展望』の著者アーニー・ガンダーセンは、事故7日後にCNNテレビに出演…
あなたは春風 わたしは春の水 あなたに吹かれて わたしはゆらゆらとゆれています やがて空にまいあがって 真っ白な雲 ちいさなちいさな虫が群がって わたしを追っかけています 明日は雨が降るのです あの青空の向こう 遠い遠い宙で 星の爆発する音が聴こえま…
巡ってきた春 まだ寒く 吹き荒ぶ嵐のなかで 桜の蕾が ぶるぶるふるえている ・ 春の嵐 ビュンビューンと 走り回る ・ 春の嵐 ガツンと叩いて 走り去る ・ 春の嵐 桜を倒して 逃げてゆく ・ ※春の嵐が戸や幌等を飛び散らし、ヒライくんとこの桜の木まで薙ぎ倒…
重いかばん 手放せません 無くしてもまたどこかで見つかるのです 本当はこんなかばんは嫌で嫌でしようがないんだけれど 持つしかないのです これがぼくのかばん 誰だって持っています ただ持っているのに気付かない人がほとんどです このかばんを捨てればど…
私は海に漂っています 波に乗ってゆーらゆら 揺れています ・ 私は海の底 深海の熱水のなかで産声をあげました ・ 私は魚 珊瑚の間をすーいすい 泳いでいます ・ 僅かに残る記憶 過ぎる老いの記憶 ただぼんやりと なんの痕跡もありません ・ 私は海の 風 ・ …