2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧
峠を越したが 道はまだ遠い しばらく歩いていると 薄黒い雲が出てきて空を覆った そこから雨がぽつりぽつりと降ってきた 雨かと思えば白いものも混じって落ちてくる 濡れてきた体はだんだん凍って ガシガシになり やがてカチカチに 歩く度にぽろぽろと欠片が…
妻の長電話の間に 今日は久しぶりにぼくが夕食をつくろうと思い立ち Kさんからもらったフカヒレを入れ レンジであたためた日本酒を ちびちびと飲みながら 冷蔵庫を見ながら 冬だからやはり水炊き鍋をつくることにした 大根や白菜を切り 人参やコンニャクを…
どこを探しても出口はない 問いばかりが充満して ふっと壁に扉があらわれたが・・ そんな部屋で 振る舞わなければならないことがある
かつて境界がありました ここで別々の世界が交錯し 境目は薄く薄くなって やがて見えなくなったのです そうすると別世界だと思われていたものやことが・・・ カタチが滲み 歴史も地理も解体されてバラバラに 地球上のあらゆる土や木の変質が並べられて色づく…
壮大なるかな サハラ砂漠に敷き詰められた太陽光パネル 化石を超えた光の恵み きらきらと 波打って 異常繁殖し過ぎた人類を 照らす ・
渦巻く利己を乗り越えて 有限に気付いたひとたちが集う なだらかな方へ 歴史から地理へというよりも 歴史も地理も 秘められた誘惑 近未来からの手紙 ・
ホーホー ガラスに閉じこめられて 可愛げに ちょこんとこちらを見ているみみずく ホーホー 何か語りかけているのだがぼくには分からない 溢れる空疎な饒舌の世間や 冷たい風には無関係 ホーホー ときどきか細く優しい唄を歌う 三日月が出てみみずくを照らす …
この街の 壁という壁に 緑を貼ろう 街に澄んだ水を通し 風を入れ 太陽を取り入れよう そして家にも学校にも駅にも役所にも店にも 草や苔、溶岩をスライスして貼り 蔓を伝わせる 川のコンクリートをはがして 草土手や石垣にする 空き地は子供の遊び場や畑にす…
どん底まで落ちる勇気はないだろう だが、そうしてみることも必要だ もうこれ以上落ちることがない どん底まで行って もがきあがき 苦しむ どん底から 立ち上がって じっと 上を見据えて はい上がるしかない ・
いったいいつまでこんなことばっかりやってんの 汚点や失点や欠点をあげつらい たたき貶める そんなことばっかりやっていて 何になるの せっかく交代したばかりだというのに 何してるの いつまでも同じことばっかりやってないで おのれを利することばかり考…
冬の雨はなんだか心が塞ぐ 薄黒い雨雲にもっと冷たい風を吹き付けて 真っ白な綿菓子をつくりたい がちがちにこわばった身に やわらかな雪がふる *
先を行っていたと思っていたのが いつのまにか追い抜かれて首位を譲っていた みんなが高まっていいせんいってるなと羨ましかったのが なんだこんなもんやったんかと期待はずれだった 憧れは失望に変わり ところどころ あのときの繁栄の残像が見え隠れする S…
ツィッ ツィッ つながりもとめて つつましく つきなみに つぶやく ツィッター ツィッ ツィッ つまらぬことも つきせぬことも つつきあいながら つたえたい ツィッター ツィッ ツィッ つれづれに つきあい つみあげて つかつか ついきゅう ツィッター ツィッ …
次から次へと消費される言葉 泡がはじけるように すぐ消えてしまう 情報の言葉の 洪水の中で 言葉をさがしている 深く広く力になる言葉 いつまでも心に残る言葉 20年後、50年後、100年後も残る 万葉集や源氏物語のように 1000年以上も語り継がれ…
眠りの暗闇の中から 突然 私は大地に放り上げられ 揺すられた 死ぬかも・・・ ものすごい崩壊の音 私の無意識は瞬間に 死を招き入れていた そのときから2,3ヶ月 水もガスも出ない生活の中で ○○が死んだという話とともに トイレが臭い、なんとかならないも…
裏にこそ 失われたものが息づいている 時間も行き交う 生と死が交差して 雨になる するとたちまち繋がる天と地 雨粒はにぶく光って やがて雪に変わる 山の陰で 雪はやはらかにしめやかに 天に降る 手のひらにのせた生命の骨に降りかかる雪 凍る窓ガラス 内と…
それはたいへんなことだよ 口ではかんたんに言うけど できっこないよ これまでのことをゼロにしろだって むりむり 新たに 常に変えようと 心をふるいたたせよ だって そんなのできっこない でも 変わることって何だろう 変わることってたいへんなこと たいへ…
じっと字を睨んでいると 字からの触発 じ分が じりじりと変わっていく ・
雪がちらつく 酷寒 この大地のあらゆる生命が縮こまっている中で 天に向かって 凛と伸びた緑の群団 世俗を離れて 遠く地中海沿岸からシルクロードを通ってやって来た 水の中の仙人の花 可憐に一輪咲いている 奥に黄金の杯を湛えながら ●
瞬間! の はじまり誕生は すでに分節化されている もう存在から逃れられない ●
それはね 内から光っているんじゃないんだよ 外からの わずかな光を受けて 恥じらうように そっと かすかな光を じぶんに入れるように出すんだ つつましやかに 誰にもわからず静かに しずかに光っているひとのように *
雑踏に交じって ぼくらはうろうろと歩く あっちの店こっちの店行き交う男女を眺めながら 群衆の中をぶつからないように歩く うようよとざわざわとにぎわう 大都会に吸引されて こんなに賑やかだけど実はさみしいもんだ 何かを失ってしまってさ迷っているひと…
無関心な窓際で 冷たい風にさらされながら 咲いている 菊の花 黄昏色が滲み出て えもいわれぬうつくしい 花はじっと寒さに耐えている 長く咲く 長く生きる術を身につけて 異常繁殖した人類の 一人であるこの私の 生き急ぐ世界の中で 鎮座している 静かに ●
螺旋階段を降り てい位へ接近していくと また螺旋階段があって それがなんと 一挙に上昇するのだ 得ようとすれば 無限に 得ることのない欲望 ただ渦を巻いていいるだけ ●
たしかに見ていた水面に映ずるまぼろし 絶え間なく動くこいの仲立ちに ゆれる木々 ぶれる境界 ゆがむ内と外 とけあう池と空 いつしか交替する現実の風景 ● ※児童文学作家の岡田淳さんからの年賀状で、この詩を読んで、「やっぱり鯉は恋に通じるんでしょうな…
いい子 いい人 みんなニコニコ だれもかれも好感度をよくしようと 空気を読んで いいことそつ無くしゃべって いい顔つくって 演じ続けて幾年か ある日ある時 プチッと切れて いい人様変わり 突然、拒否、引き籠り、過剰、乱れ、暴力、・・・ 時代のいい子は …
この世界でたったひとりの かけがえのない私 と言っている間に がんじがらめになって行き詰ってしまった ドーン 私ってなにもの? 物語は20年後の2030年代 なお続く貧困、暴力、差別、戦争、破壊・・・・ そこから今を振り返る ドーン 私を 風通し良く…
うっとり 窓外の裸木をながめながら ゆったり 温泉につかる 乳白のグリーン 露天めぐり 今日は五色の湯だ まったり 侵入する冷気は湯けむりにあたためられ いまここのしあわせ 首まで湯につかって 両手で湯をすくって 顔にかける 上の部屋では帰省した息子が…
意識の底で 今という 見え隠れするわが身の拡がり 自ずから浮かび上がる時間と その根拠を問うて 混沌からの予兆を受けながら 根源に立とうと数十年 あちらの場所探し そこは底 生命が生じる臨界点 言の葉に内包されている深海のあたたかさ あるいは冷めたマ…
未熟な成熟で 前途多難なたびだち 今なお行く末は見えず だが源泉の回路をひらいて どう生きたらいいのか と問いながら 熟考した青写真を見て うん これでいいと よりよく頷くしかないだろう 冷静沈着に 熱く *