2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『秋の虫』 言葉の展覧会938

秋の虫が鳴いている 夜の石と石の間で 楽しげに 上にひっきりなしに走るクルマの轟音が 歌をかき消すけれど それでもこころよく 秋の虫が鳴いている 幸せなんて さがさなくていいんだよ ●

『嵐山』 言葉の展覧会937

後で書きます

『台所での雑念』 言葉の展覧会936

あー、あたまズキズキ ついつい、飲んでしもうたからな 自業自得や 身から出た錆びや 身から出た錆びで癌になってしまうかも ああ情けない人生 * 米をといで炊飯して ゴミを出して 味噌汁と3種類のおかずをつくって 出勤の妻をおくる この街では主夫も板に…

『夕焼けに一杯』 言葉の展覧会935

山や田んぼや夕焼けをながめながら 飲むビールは もう最高!! このほろ酔い気分がいい 都会と田舎のギャップがいい 何よりもこの自由な時間がいい ああ、今日も暮れゆくのか **********

『鳥は鳴いている』 言葉の展覧会934

えりやポケットをピンと伸ばす手が少し冷たくなった 灰色雲がかぶさっていて昨日の木枯らしの残りが吹いている 遠くで工事の音 ときどき近所の人の声 それが止むと一際鳥の声 こうしてベランダに立って洗濯物を干していると あちこちから鳥の声が降ってくる…

言葉の展覧会933

なにか なにかだまされてはいませんか 目に見えない巨大な詐欺に 隠蔽されてしまった暗い片隅 善と悪が入れ替わって 虚が実を食っている どこに空があるのですか 厄介で とても厄介で 自死への道しか見えません そのどん詰まりの失意は 体内の奥深く潜り込ん…

『ある秋の朝』 言葉の展覧会932

降った雨 水のおもみで首をかしげる 庭に咲くラベンダーの花 「黒豆たのむわね」と電話から聞こえる 出勤前の妻の声 もうあなたの遺伝子分析はお済みですか? ナルシス的私はとまどう それはオリーブ油と塩をかけるともっとコクが出ます つまりは地域再生の…

『拗れた男女』 言葉の展覧会931

すぐやめりゃいいものを 欲を出して もう少しもう少しと はまりこみゃ ズブズブと 泥沼へ どす黒い藻に足をからまれ ぬきさしならぬ事態に ズブズブズブ 傍から見ていりゃ滑稽なものさ 実に ●

『水』  言葉の展覧会930

月の水 氷になって潜んでいる 木の水うるおして 土の水じんわり吸い込む やはり日の水 祈りが似合う 私という水 しっとりと 今日も 水を入れる 〜 〜 〜 ●

『秋想』 言葉の展覧会929

地球が1回転する間に 山は火を噴いて 何億何兆もの命が生まれ命が死ぬ 地球が1ミリ回ると 多くのヒトが死んで多くのヒトが生まれる 海はたぷたぷ 葉は色づいて 青空に舞う ●

『ヒトの営みって』 言葉の展覧会928

街と山里を往来しながら 誰にも迷惑をかけず誰にも左右されず 自分の好きなことをして生きる これがぼくの今の人生 ところがそこへ 画面や紙面から押し寄せてくる「豪雨」に「クマ」 ぶすぶすくすぶる「改竄検事」に「遅れてきた大国」 組織の既得権益と欲望…

『船坂』 言葉の展覧会927

深まる秋に有馬街道走って木造校舎に着いた さっそく緑くぐって水の宿 そよりと秋風 聴こえる水音 下界にかすむビルディングの街並み眺め 棚田でひといき ああ、秋の田舎の風景よ 畦の草花咲いて木が実り畑の野菜が実る 時は来たか船坂という場 きのこの灯り…

『スィミー』  言葉の展覧会926

遠くはぐれてしまった魚の孤独 灰濁する海がしばし澄む 助け合い小さく生けるものの幸せ スィミー 生命体の一瞬の夢 少しでも先へ先へ種を残せ 色とりどりの生存の多様な海は 残しても進化しても滅んでも 海は海 数十億年を超えて 海底に眠るあのときの魚や…

『今はヒトより、モノやコトを』言葉の展覧会925

ねぇ、ヒトとの関係に悩んでいるきみ 落ち込んでしまったきみ 個性だとか自己実現だとか自分さがしだとか そんなものは放っておいて ひとつのモノに ひとつのコトに 熱中しなよ 集中しなよ 何でもいいからがむしゃらに 夢中になれることは素敵で大切だよ そ…

『廃屋(あばらや)』 言葉の展覧会924

からになった金魚鉢で「とりまく不安」が泳いでいる 風呂ではホコリが積もったふろ桶で「長い長い停滞」が蜷局を巻いて トイレは「欠落した覚悟」が便器に詰まって出てこない 暗く閉ざされた押し入れに眠る「相互理解」 台所では「設備過剰」や「外需の落ち…

『マン・レイ』 言葉の展覧会923

夜の大通りに青いハートが漂って 19世紀生まれの男は鋭い目をしていた 空に浮かぶ巨大な唇 あるいは恋人たち 突っ走るクルマ 寄せ来る波 本質をつかまえられた一瞬の肖像 私は謎だ 現実の反転 仮面の反転 反転反転 デュシャンと出会い暗室から様様な複製の試…

『秋想』 言葉の展覧会922

秋空の下きれいに揺れるコスモス ちょこんと道端にたたずんでいるアマガエル そして 枯れて折れかさこそ揺らぐコスモス 道路でぺちゃんこになったアマガエル 死からはじめるんだよ 滅びから始めるのと同じように ● ※写真は、家の前の土手に咲いたコスモス

 『地底から一筋の希望』 言葉の展覧会921

突然の落盤で塞がれてしまった坑道 舞い上がる粉塵 前が見えない 前が やがて地の底の暗闇 閉ざされた遠い遠い地上 ここから出たい 出たい 熱くて湿気てお腹がすいて 泣き叫び地下700メートルからの脱出を試みて一時の混乱 恐怖と悲しさと苦しさのどん底の33…

『つれるわつれるわ』 言葉の展覧会920

日本海はおだやか 天気も曇りちょうどいい 男三人よろこんで夜中の3時に跳ね起きて つれるわつれるわえさのつきるまで 今日はうまれてはじめての海釣り日 魚が群れてうようようよ 舞鶴道はただでとくしたな つれるわつれるわおさかなさんごめんなさい こん…

『黒枝豆』 言葉の展覧会919

ついついむしゃむしゃ うまいうまいむしゃむしゃ やっと祭りの片付け終わりむしゃむしゃ ビールのつまみに グイグイむしゃむしゃ 丹波の黒枝豆 もう最高!今年も黒大豆がたくさん育った 今年も4回の草引き草刈りしたけれど 育て方が悪かったのか猛暑のせい…

『王子さま』 言葉の展覧会918

王子よ王子 王子さま わたしのあこがれわたしのおもいで わたしのゆめ 王子よ王子 大好きな王子さま かわいそうなわたしの救い人 いつかきっとわたしの夢に現れて わたしを幸せの国に連れていってくれるよ 王子よ王子 愛する王子さま 過去も未来もあなたに夢…

『ちんぷ』 言葉の展覧会917

ちんぷはちんぷなりに ちちんぷいぷいで ちんぷんかんぷん J国の特捜部エリート検察の言、C国の国営TV放送 あるいはN国の軍事パレード *

『祭りの準備』 言葉の展覧会916

どしゃぶりの雨の中 朝早うから村のもんが集まってきて 雨を見ながらみんなでわいわい 倉庫2階の軒から軒へ渡したブルーシートで屋根つくり 御輿を入れて 拭いて磨いて飾って提灯つけて 大きな棒を組み立て 御神燈つけた鳥居をつくったら バスがくぐる 竹藪…

『キンモクセイ』 言葉の展覧会915

えもいわれぬ芳しい匂いに しばらく立ち止まり 深く息を吸って 私はあまい匂いにひたされる オレンジ色の初恋 真実の愛があったかのような 錯覚のなかで 謙虚に生きる 喜びを知る ひととき 橙黄に燃える金木犀を見ながら 二度三度深呼吸して 立ち去る ***…

『RYOMA』 言葉の展覧会914

RYOMA 疲れた男の 元気の元 おお、青々とした青春よ! 未熟なあこがれよ 「世の中の、人は何とも云えばいへ 我がなすことは、我のみぞ知る」 RYOMA 開かれた日本へ船を出し 「おれは日本を生まれ変わらせたかっただけで、・・・・」 理想の世界を…

『まわりには・・・』 言葉の展覧会913

ああ、いい天気だ 都会の喧噪からは遠く離れて 家のまわりにはコスモスが 白、ピンク、臙脂ときれいに咲いて揺れている 彼岸花が濃い赤で染め ススキが笑い ワレモコウがつぶやく まわりを稲穂の黄、土手や山の緑が取り囲み またそれらを白い雲を浮かべた青…

『法のほうかい』 言葉の展覧会912

法が法を破り 組織が自己組織化し 仕立て上げられる悪人 ぐらぐら揺れて今にも倒れそうな土台 それでも自信たっぷりに振る舞っている この人間の退化は止められない 最初にストーリーがあったそうな 保身のみがほしい すっかり忘れられた心と志 ずれの発見が…

『情報化社会』 言葉の展覧会911

言葉は流れる 情報に置き換えられ流れる 言葉は流れる 洪水となって流れる 脱も反も非も肯も評も政も民も共も内も詩も みんなまとめて流れる 言葉は速度を増す PiPiPiPiPiPiPiPiiiiiii 言葉は流れる ただ流れる *

『情報』 言葉の展覧会910

言葉が流れている つぎからつぎへと 言葉が行き交う 言葉がぶつかる 言葉が飛ぶ 言葉が接続し反復し修飾され 言葉があふれる 突然、言葉は滞る しばらく 闇 ● やがてまた言葉は回復し 言葉が流れる ただ流れる *