2012-12-01から1ヶ月間の記事一覧

『さよなら、、、』言葉の展覧会1502

あっというまに過ぎ去ってしまった 果敢の、過剰の、過誤の、過失の、過密の 時間たち 今頃は空の向こうで ちいさな記憶の瞑となって飛び交っているだろう * 自分にすら気づかない自分の時間たち こうしてぼくらは歳をかさねていく 枯れススキがからからと…

『1年を燃やす』言葉の展覧会1501

朝から雨が降りしきっています が午後になったいまも、未だにくすぶり続けているのです * 昨夕、この1年で切り取った言葉たちを 両手でかかえ、1輪車に4回乗せ 積んでいた枯れ枝や草たちとともに燃やしました * 昨夜0時になって寝ようとふと窓外を見る…

『途上にて』言葉の展覧会1500

まだ道中なんです ここまで来たのか、と感嘆します まだまだだな、と落胆もするのです 言葉の展覧会を試みて1500篇目になりました 書くという営み 数多の滅びを潜り抜けてきた たった5千年(言葉が生みだされて)の奇蹟 長い長い闇のトンネルを抜けて …

『運命』言葉の展覧会1499

水の中にいるようで苦しい おびえる目は何かを訴えている それでも虚勢をはって 瓶のなかで堪え忍ぶ 酷寒の年の暮れ またいっそう寒くなり 貧しさに震える少年 鎖に落ちる影 消えゆく時間 少女と少年は同じ星 弦をはじいてじゃららーん 世界を知り始め なぜ…

『不一致』言葉の展覧会1498

こうあろうとすれば するほど遠ざかる ズレを感じて 合わなくなって 貧困な心で欲と虚を 強がって生きる とおもえば ある日とつぜん 剥き出しになるときもある あのとき、数多の死とともに 生と生活が一致した時間 そしてまたズレだした 遠ざかれば遠ざかる…

『ふるさとの風景画』言葉の展覧会1497

情熱が入り込む夕焼けの柿 +++ 遠い日の懐かしい風景画を見つけた ぽっと淡い スポットライトをあて 思い出を辿る 秋の 暮れなずむ山 赤く実る柿 眺める若き日の私 +++ 待っていましょう あの柿を 真っ赤な夕日が重なるまで お腹を空かせた鳥たちが 啄…

『赤い実ぶるん』言葉の展覧会1496

赤い実ぶるん 世を怒ってぶるん 荒ぶるぶるぶる 角がはえてぐるん きれいなのかえげついのか 豊かなのか貧しいのかぶるん バカなのかアホなのか 真っ赤な舌が伸びてぶるん 誰をまくのか ながーぶるん ないーぶるん あーかーいぶるんぶるん 飛び散ってぶるん …

『悲しみに雪が舞う』言葉の展覧会1495

雪が舞う 悲しみに雪が舞う 今日降る雪は妙に悲しい 雪が舞う 遠い昔の楠木に雪が舞う 懐かしい村人の憩いに 懐かしい旅人の癒しに 懐かしい子どもたちの遊びに 懐かしい老人たちの涼みに 懐かしいその樹の下で撮った卒業写真に 雪が舞う お寺の傍の いまは…

『笑いを笑う2』言葉の展覧会1494

●*ワライカワセミ* クァクァクァ とワライカワセミが笑った それを聞いていたヒトも笑った クァクァクァ ●*笑い祭* 笑い祭りで、オコゼを見て笑おう ワッホホワッホホ 笑えないけど笑おう ファファファッ不平不満不安を 吹き飛ばして笑おう 笑う門には福…

『笑いを笑う1』言葉の展覧会1493

●*伝染* ホホホッ と笑ってみる ホホホホッ と誰かがつられて笑う それにつられてみんなも笑う ホホホホホホー ●*二人* フフフ となにげなくキミが笑う フフフ とボクも笑う フフフでわかる二人 ● ※作品16 ・

『血管枝』言葉の展覧会1492

なにもかも脱いでしまって 凍てつく寒さの中を すっくと立っている裸木 はりめぐらせた血管の枝模様は 空で息づく その枝先は 宙に すっ と 消えて 溶け込んでゆく ・ ・

『夢売人』言葉の展覧会1491

小説という夢を売る 言葉という出鱈目で、法螺吹きで、 猥雑で、性が満ち溢れ、 それだけ滑稽で、 人を牕湧かす嘘だらけの技巧を使って 音や絵、映像、物を売るのと同じように 言葉を売る 「生活」や「現実」から言葉を発見したり引っ張って来たりして 「も…

『道を歩く』言葉の展覧会1490

道を歩く 夢見ながら 未知を歩く 幻想が付きまとう 美智で歩く 路、途、 迷いながら歩く 楽しみながら 満ち足りて歩く 道を歩く ※作品14

『僅かな時』言葉の展覧会1489

そんなに度々来るものではない もう二度と訪れないかもしれない あるいは全くやって来ないかも ・・・ 私の人生の至福の時 永遠の一瞬 それは僅かの間であるだろう 何十年という人生のなかで ほんの僅かの時 ・ ただ その僅かな宝の時間 忘却の彼方に追いや…

『ケラケラケラ』言葉の展覧会1488

6階の廊下窓から下を見た。 家、家、家また家、家がびっしり詰まっている。 人口減の中でも逆にこの市は増えていると言われているように、 遠くの山を見れば、頂上の方まで家がひしめいている。 そんな一つひとつの家に、それぞれの人々の営みがある。 ぼく…

『デンと在るもの』言葉の展覧会1487

うわっつらの飾りものは あきあきだ もう古く、すぐ腐る ・ 創造を喚起するものは 言葉はかっこいいが どこかうさんくさい ・ 流行を追うものには もううんざりだ ろくなことがないし、危険を伴う ・ 生き方につながるものは 考え物だ あたりまえのことだか…

『言葉が失われつつある』言葉の展覧会1486

それらを語り合い未来をつくっていく 多くの言葉がある はずだが・・・・・ ・・・う〜ん、そうだろうな おそらく きっと いや でも ・・・ 言葉が失われつつある 今日の「2012 新聞論考」に今年を振り返ってそう書かれている 2012年は「言葉が失われゆ…

『黒猫』言葉の展覧会1485

イルミネーションやネオンがキラキラ輝く夜 疲れ果てて背を丸め とぼとぼと 不夜城の街角を曲がる若者 何かに追い詰められているような 何もかも忘れてしまいたいような 目はうつろで 先が見えない 曲がった通りは暗く人気は無い 時々ネオンの光が届く ふと …

『行方』言葉の展覧会1484

道に落っこちていた 自然の宝物 影に宇宙が表れて 消えていく 踏まれようか 轢かれようか 飛ばされようか 拾われようか ぼくは旅をするぞ

『変な島』言葉の展覧会1483

へん どこか変 そんな島がこころの奥深くの 片隅にあったとさ 変な島は 変なまま へんっ それがいいんだよ えっへん と言ったのさ だけどとってもへん よくわからないけど それがいいのさ どこか へん ・ ※作品10(2012.12.12)

『鬼灯』言葉の展覧会1482

呈示しえない過去 何度も自己言及するが 隠された途中の欠如 言い難い哀惜と 渇望 その欠落を埋めたいと 代償としての鬼灯 ■ ■ ■ ※作品9 ■

『仏像』言葉の展覧会1481

なぜか急に 仏像を描きたくなった どうしてなのかわからないが・・・ 千年以上前に作られたものが いま尚、精彩を放っている 現在、作られたり描かれたり書かれたものが 千年後に果たして残っているだろうか * 千数百年の年月を経て 見つめ続けている 人の…

『5度目の再「生」』言葉の展覧会1480

こんな川の中州にも 繁茂して なんと旺盛な生命力 根茎を至る所に長く伸ばして 刈っても刈っても 生えてくる しぶとい草 おお、これこそ「生」! それを散髪してさっぱりしてから 石を積む 冷たく凍り付きそうな風を受けて 負けずにしぶとく石を積む 流され…

『流している』言葉の展覧会1479 

雲をゆったり ゆっくりと流している 空 ・ 上から下へ水を さらさら ときにゴーゴーと流している 川 ・ 届かない 誰かに届けたい壜の中の伝言を 何十年も流している 海 ・ ・ ※作品8 ※今日は、「12.8」。 戦争が終わった日はほとんどの日本人が知ってい…

『冬の赤いバラ』言葉の展覧会1478

寒い寒い冬に 庭の片隅で ひっそり咲いている 熱情 こんな凍える日に 密やかに咲いているバラ なぜこんなにつややかで 真っ赤なのだろう 内に秘めた情熱が 燃えているのだろうか ● ●

『老朽化』言葉の展覧会1477

〜ヒトがつくったものすべて〜 軋み、忘れ去られ、歪み、腐食し、見落とされ、脱落し、崩れる ● 今さえよければ 自分さえよければ ・・・・・・・ ● つくったもの、つくられたものには何の愛着も感じられない 安全はもうすでに崩壊している ● 知らなかった …

『レンとアイ』言葉の展覧会1476

ある日、レンとアイは街なかで出逢った 目と目が合った瞬間 どきん(あっ、わたしの未来のパートナーだ) どきどき(喜びと震え) 懐かしさとときめきのなかで しばらく見つめ合っていた二人レンとアイは寄せては引いていく波 ここちよく流れる小川の水 ふわ…

『線の戯れ』言葉の展覧会1475

なんやら 得体のしれない 黒いもじゃもじゃのものがある とりとめなく とんでもない 言葉が入りこんでいる いかにも意味がありそうだ しからば意味の創造 としたいところだが これはただの黒い針金線 いかんせん 線のたわむれ 諸々の線 『断片線』 「対話と…

『冬の新芽』言葉の展覧会1474

華やかな夏花と緑葉 美しい秋花と紅葉 それらは無残にも萎れ 枯れ腐って やがて土と化すものの 堆積の奥に 隠されている 希望 ●

『災いの間』言葉の展覧会1473

巨大な災いは去った 無残な断層を走らせ ぐじゃぐじゃにひっ掻きまわされた足跡を残して まるで何も無かったかのように 空はすっきり青く海は穏やかだ ぷかぷか浮かぶ不条理と 無慈悲の残骸 放置されたモノの記憶の 瓦礫山 忘却の彼方に追いやられそうな 見…