2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「すると」 言葉の展覧会315

するとだれかが マッチをすると 炎がするするとあがり すするともなく かぜがするっとふいてきて しばらくすると火が消えた * ※写真は、田路幸博さんの作品「乙女、そして乙男の祈り」。 〜第9回宝塚現代美術展・店〜 (宝塚マンガふぇすた2007)

「禁酒」 言葉の展覧会314

ふとんのなかでもがいている ししししんどーい おおおおもだるーい おきたら いいいいいいたいあたまがー またふとんに あああああーなんてことだ 2日酔い いちにちふとんのなか あー、もう二度と飲まないぞ 禁酒だーっ!! ・・・ 守れるのは1日だけ ・・…

「石」 言葉の展覧会313

時のささやき 夕暮れの謎 夜の模索 言葉をのがれて 未知への扉をたたく 石 * ※※写真は、篠原理恵さんと篠原克治さんの作品。 〜第9回宝塚現代美術展・店〜 (宝塚マンガふぇすた2007)

「虫の声」言葉の展覧会312

キリキリキリ リリーンリリリリーン ルルルルルルル ひんやりした暗闇の中で 秋の虫がなく うれしくもなく かなしくもなく ただなくために ないている 暗闇の大地の上で ・ ※写真は、たてまつふみこさんの作品「それはヒミツ〜ヒミツ〜ヒミツ〜。」。 〜第9…

「かえる・2」言葉の展覧会311

ムムムムム ムニュムニュ ムーン 無ニカエル ムムムムム ムハムハ ムーミ 無ニカエル ・ ※※写真は、吉田和代さんの作品「お化け屋敷」の入り口。 〜第9回宝塚現代美術展・店〜 (宝塚マンガふぇすた2007)

「かえる・1」言葉の展覧会310

ところで ころんでしまったために ためいきばかり いきばがなくなり なくなくかえる かえるがぴょんぴょん よんぴるまぴる ぴるぴる ぴるまっから まっかっか ・ ※※写真は、丹羽朗さんの作品「サンビオラにおってん」。 〜第9回宝塚現代美術展・店〜 (宝塚…

「地域再生」 言葉の展覧会309

ないものを いくらみつけようとしたってみつからない ないものはない ないものを ちんじょうしたり こびへつらったりしてもだめ そんなことしたらかえって じぶんのしんねんがとわれてしまう ないものはない ないからといって べつににげなくていい ほどほど…

「Peg10」 言葉の展覧会308

外部からやってきて 組み込まれ 守りを固め 盤を獲得した 有袋と真獣 1億2千5百万年間の別れと進化 外部から感染したレトロウィルス DNAに組み込まれて * ※※写真は、サボゾウ〜小野サボ子+ワァダダ・コウドーさん〜の作品「ラムちゃんとピンキーちゃ…

「秋風」 言葉の展覧会307

しずかで ゆっくりゆったり どんな熱狂や陶酔とも無縁に 何かを探し求めて つぶやくように まばらで よわくよわく 息を張り 力を抑えて 0.1グラムのさじ加減 薄ぼんやりと 微少な濃淡 精緻な水墨画の極み こえはひそめながら こころはゆたかに ・

「?」 言葉の展覧会306

ああ まんまるくなって 赤くふくれている うみは なくなったんですかと・・・ *タイトルは何でしょう? <ヒントの詩> とうとう やじるしになって きいている うみは あちらですかと・・・・ (まど・みちお) ※※写真は、杉野まりさんの作品「少年マンガの…

「改革のつづき」 言葉の展覧会305

なんて貧しいんだ どうしてこんな所に住んでいるんだ そんな所捨ててこっちへ来い 衰退しているのは自己責任 改革が足りないぞ もっと競争だ はたらいてもはたらいても収入は少ない どうしてこんなことになってしまったんだ 最初から差がつけられているのに …

「学校裏サイト」言葉の展覧会304

バカな なんてやつらなんだ こいつら若いやつらは ネット ネトネト 意地汚いネットいじめ 服を脱がされて画像に 再三の「金送れ」 誹謗中傷虐め ふざけ ゲームとして ネット ネトネト 未熟なままに歪んでしまった人間たち がんじがらめに 塞がれ鬱がれた 逃…

「再生」 言葉の展覧会303

この豊かさ この不安 この発展 この破壊 いま 何が大切なのか 再生 再び生まれる 再び生きる モノが 地球が まちが こころが 再生 それは明日への試練 明後日への 希望 * ※写真は、アトリエDADA(伊佐地恵子)の「DREAMS OF THE CUBES ーキューブたちの…

「へたな絵」 言葉の展覧会302

それは通過点だけでは決してない 劇的な変化を感受するとき 何かを獲得すれば何かを喪失する 知ると言うことは失うと言うこと 未熟なんてものじゃなく 常識にとらわれない創造 おとなのなかの子ども性 へたくそのもつ潜在的エネルギーはすごい ここでは答は…

「未熟なマ  ミ」 言葉の展覧会301

一度加熱す と おか いと振り返る余裕を 無くして まう 構造的な 成熟社会の かの 未熟な 第三者の審判に りえない まだ だ * ※※写真は、笹埜能史さんの作品「AIR LIFE」。 〜第9回宝塚現代美術展・店〜 (宝塚マンガふぇすた2007)

「生まれてきてありがとう」言葉の展覧会300

荒地の人は思案した 豊かになったのにこんなに不安が広がり 殺伐としているのはどうしてなんだろう 生きていてもしょうがない・・・ 初めて来た余所からの訪問者は ここがどうして荒地なのかがわからない あらゆるものが備わっていてとてもきれだったから で…

「審判者がいるダイアローグ」言葉の展覧会299

人気があるかないか 勝つか負けるか あれかこれか 得か損か この国の人の大抵は (上から下までマスコミまで) 二項対立のみの単純思考で 壊れた人ばかりだった だから話すのは常に 独り言 それも内だけを見ての 独り言 数や人気にものを言わせて自分の思考…

「阿部首相退陣」 言葉の展覧会298

お友達去りし夕暮れの孤独に耐えられず とことん中途半端唖然と放棄 一時的人気のなれの果てあきれた職を賭す 空気が読めない無責任お坊ちゃん ゴテゴテに隠し庇い通して後手後手に ゴリゴリ押し通した基本法重圧バッシング 復古的思考と新自由主義試行は相…

言葉の展覧会297

暴走する思索と妄想 ただステレオタイプ 形のみの大きな誤算 紋切り型 ※※写真は、木原真男さんの作品「繊毛虫(Dreamer)2007」。 〜第9回宝塚現代美術展・店〜 (宝塚マンガふぇすた2007)

「教訓・9月11日の分水嶺」言葉の展覧会296

引っ張る者と 引きずられる者がいる 分水嶺 ある時打撃があった拍子に 強い口調で引っ張る者が登場して みんなを引きずっていこうとする ワンパターンの声高な声が繰り返しひびく みんなはキツネにつままれたように 雪崩をうって 全体が 引きずられていく ズ…

言葉の展覧会295

から から からん ころん なーんにもないからっぽから はじまりはじまりー 内と外も相対化され からんころん 肉も捨てて からんころん 今宵は衣食住を捨てて からんころん すべてを消して から から からん ころん ・ ※写真は、吉田和代さんのお化け屋敷に貼…

「カタマリ」言葉の展覧会294

消滅してもよさそうなのに 蔓延し蔓延る 黒いカタマリ 外の世界を閉ざして 偏り狭く そもそも特殊性だけを主張していいのだろうか 信じ過ぎない方がいい映像情報 勿論言葉情報も 裏には裏が 上手く操作されるだけの手合いで 身体は二重に捻れている だから困…

「メメントモリ」言葉の展覧会293

朝が来て 昼が過ぎて 夜が来る あらゆるものに「終わり」がある あの空の向こうに 形のない花が咲いている 普遍的であろうとして とるに足らない細部に棹されている 恋だ性だ愛だと言って気晴らしをし 気付かないうちに時間は過ぎる光陰矢の如し 生きていた…

「聞く耳を持たない二人」言葉の展覧会292

聞く耳を持たない 二人が話し合っている とめどなく 自分のことだけを喋り 相手の話が終わることだけを待っている 次は何を喋ろうかということだけを考えて 聞く耳を持たない 二人が言葉を発する体操をしている それぞれ滑稽に お互い喋り疲れて 「対談」は…

「おじんとタバコ」 言葉の展覧会291

縁側でおじんは 山や空を眺めながら ほんにおいしそうに キセルでタバコを吸い込む おお、夕焼け雲がきれいやのう ぷかぷか おいしそうにふかす くゆる紫煙(けむり)の先に 赤トンボが群れをつくって泳いでいる ポン とキセルをたたいて たばこ盆の壺に タ…

「ぼちぼち」 言葉の展覧会290

ー おっ、まいど どうでっか ぼちぼちでんな ー なんか、ええ話おまへんか いやあ〜、 ぼちぼちでんな ー いやな世の中になりましたな へぇ、ぼちぼちで ー さよか、ぼちぼちでんな まいど おおきに ま、ぼちぼちいこか * ※写真は、犬仮面さんと宝塚で。 〜…

言葉の展覧会289

虫たちの声で賑やかな夜 暗い空で星が燃え狂い 恋人たちは公園のベンチで抱き合っている 儚いよろこび いつの世も 変わらないかなしみを抱いて 二人は寄り添う 離れられようか ますます虫の声は大きくなり 秘密の奥にくるんでしまう はて 星が落ちてきたよう…

「まどろみ」言葉の展覧会288

ゆめかうつつか ぼんやりと いしきがなくふわふわと うみにうかぶやしのみのように ぷかりぷかぷかぷかりんこ さまざまなかこがたゆたう せいとしのさかい ゆめとうつつのあわいのなかで まどろむわたし ゆめかうつつかまぼろしか・ ※※写真は、宝塚造形芸術…

「秋の夕暮れ」言葉の展覧会287

薄れていく青空の中で 雲の縁がオレンジ色に染まる 妙になつかしい愛という言葉 西に沈みゆく夕陽が 柿の木にあたり 青い実がほんのり色づく 辺りで赤蜻蛉が泳いでいる 何億年続くのだろう いつのまにか秋の虫が鳴き出した ほんの少し 時間が止まって 夕暮れ…

「欠落」 言葉の展覧会286

ま から か は る は つろ へ もう う ろ あ て と の な にも い ら かぜ い て み いっ く ぜ のな ずが れ る * ※写真は、堀尾貞治さんの作品、「あたりまえのこと」1の練習、丸の練習。 (第9回宝塚現代美術展・店)