2007-01-01から1年間の記事一覧

「2007年よ、さようなら」 言葉の展覧会407

ふーーっ なんとか今年をのりこえた 今年も破滅への危機をのりこえたんだ 嬉しいことに ほんの微々たるものであるがマシな方に舵がきられる 転機となった年でもあった 2007 (今宵の酒はうまいなぁ) 賞味期限切れの商品も数々あった 嘘で固めた「偽装」…

「ななふし」 言葉の展覧会406

枝のからだをして 玄関わきの白い塀の隅っこに ななふしが佇んでいた 黄緑色が枯れ枝色になっている 間近に見ていても動かない 年末の街は今年あったコトをすべて忘れ去ったかのように 静かだ 冬の寒さが身にしみこむ ぼくはちぢこまりながら枯れ葉をかき集…

「年末大掃除前編」言葉の展覧会405

散乱した机 積もった本 ちらかった部屋 な、なんだろう これは あ、安吾の部屋・・・ モノが増える どんどん増える 年々増える 塵も積もれば どんどんどんどん増えていく ほこりがたまって さびていく よごれていく そしてまた増えるどんどんどんどん やがて…

「iPS細胞」 言葉の展覧会404

私をつくる何十兆のものがもどってくる またもや一つになって それぞれ違う分化の行き先を もとに戻すにはほんの僅かの遺伝子を導入して 初期化!! * やはり もとの未分化状態にもどったのだ! この生命の複雑さと単純さは何だ! またもやたった一つのもの…

「空気を読めないヤツ」言葉の展覧会403

崩れてしまった共通のものに替わって ノリノリの会話 ノリノリの関係祭り 空気に合わせてもっと敏感になって もっと もっと 合わせて!! 友人たちが メディアが 醸し出す空気の なかから聞こえる命令 空気を読めよ!! 読めよ 読めよ!! ああ「空気」が読…

「退化その2」言葉の展覧会402

晴れた朝は気分が爽やか この頭痛さえなければ 忘れられたものが かすかな吐息をしている 世界はどこへ行ったのだろう あれからずっと子どもの遊び声は途絶えている あの原っぱは 進化しただのと誰が言った むしろ退化じゃないのか 忘れられた時間 忘れ去っ…

「私の道」言葉の展覧会401

陸が盛り上がっている 岩間にへばりついた何万年の歴史 その道を歩くものが たったひとりであっても 私は歩みたい 遠くからかすかに波の音 土肌は氷の記憶を留める たとえその道が棘道だろうと たとえ地獄道だろうと なんだろうと 空に飛び立ったはずだが 待…

「イルミネーション」言葉の展覧会400

どこもかしこもイルミネーションがチカチカきらめき 不夜城を謳歌している 年の暮れの大都会の 夜の道 つかれた人がをとぼとぼ歩く 擦れ違う 帰りを急ぐ人 酔っぱらって上機嫌の人 買い物袋をいっぱいさげた人 腰を抱き合った恋人たち だれもかれも気を紛ら…

「ココロ」 言葉の展覧会399

ココロはココ、アッチでコロコロ変わる コロコロ コロげ いいコロあいで ロコつに変わる 上がったり下がったり ピラミッドの先端に立っているかと思えば 真っ暗な深海の中で沈んでいる ガクーンと落ちたかと思えば また急上昇 ココロはココ、アッチでコロコ…

「冷たい雨」言葉の展覧会398

冷たい雨が降っている 雪にならずに ひたひたと そのなかで巨木は伸びる 期待はすべきではない そうすれば苦しみもない 冷たい雨は降り止まない 巨木は曲がりくねる 期待が裏切られ続けると 悪意を生む やがて冷たい雨は降り止み 巨木は倒れる 人類の歴史は…

「土のうつわ」言葉の展覧会397

やわらかで ごつごつと 荒くれだつ 剥き出しの 土 そこに ゆったりと 緻密に描かれた州浜がある 手に取ると土のあたたかさ 蓋を開けると あっ 大海原が広がる 軽快にざわめく波飛沫 ・

「サブプライム問題」言葉の展覧会396

貸すことが 衣を纏ってこっちからあっちへ あっちからそっちへ行き 複雑多岐に組み合わされて 新たに組成してばらまかれる そしてまた またまた 次なる貸しに振り分け 「虚」をつくる この循環が停滞したり遮断すれば 何がどこにどれだけになったか 何が何や…

「記号1」言葉の展覧会395

● ? ・・・・・ あ ! ・

「ある」 言葉の展覧会394

ある 在るということ 定められない 決められない ある 多であり一で ある 多は一であり あらゆる多様なものは 一つで ある 無限集合において 部分と全体が一致する そこに生があり 愛があり死が ある 他にあるのはひまつぶしで ある .

「豊かさって幸せって」言葉の展覧会393

豊かじゃないんだろうか じゃ、貧しいのか飢えているのか アフガニスタンの子どもらはどうなのか北朝鮮の子どもたちは アフリカの子どもたちは 幸せ? 幸せなんだろうか イラクの子どもたちはフィンランドの子どもたちは バングラデシュの子どもたちは 日本…

「レイ」 言葉の展覧会392

老人は少年の自分を見る 無垢で 万能感の中へ 人生の時間をおもう 輝く一瞬 凡庸さが忍び寄る 「不屈の意志を持つことだ」 未知への冒険は続く ・ ※レイ・ブラッドベリ、87歳。

「民意」 言葉の展覧会391

あれもこれも乱立して 何を選んでいいのやら だから常に残るんだよ 「親密」しか見えなくなって 実感できなくなったもの それは何だったのか 接点が薄らいで 触れなくなったもの いったいそれは 多数へ多数へ集約されていく 多数地獄へ ところで「数字」って…

「クリティーク」 言葉の展覧会390

さぁ 使って使って 使った後は 捨てましょう 選んで選んで 選んだ後は また選びましょう ところで わたしの方向はどこなの わたしたちの方位はどこに付けたらいいの どこをさがしてもどこにもない ああ ゴドーが やってきつつある ●

「偽」 言葉の展覧会389

装う「偽」 改める「偽」 隠す「偽」 すべて「人」が「為」す 「人」を「偽」り 自分を「偽」り 我々を「偽」り 「人」の間を「偽」り システムから転がり出た「為」 時代からも歴史からも悪からも 市場からも すべて「人」が「為」す あの「言」の葉はどこ…

「曲がり角で」言葉の展覧会388

あの曲がり角で困難を埋め込んでみる そんなことはできやしない!! 誰が愛を!と叫んだのか 暴力を根絶するために正義を行使する だから私は暴力者になる そんなことしても全体性には近付かないよ おそらく沈没するのも時間の問題だ 誤差を読み込んで崩壊は…

「儲からないものの復権」言葉の展覧会387

儲からない哲学の復権を! 儲からない福祉の復権を! 儲からない学問の復権を! 儲からない安心の復権を! 儲からない芸術の復権を! 儲からないこころの復権を! 儲からない詩の復権を! 儲からない生きる意味の復権を! ※この「効率化」「成果主義」「数字…

「光」 言葉の展覧会386

あの女の目には光がある 身体を突き抜けて 空も通り超し 宇宙の彼方から 発した光だ この地球はあたたかくなった 二酸化炭素のせいらしい いや欲望が地球温暖化をもたらしたと聞く 豊かさへの欲望 もうこれは地球を食いつぶしていっている うようようろうろ…

「外へ」言葉の展覧会385

内では もうやめた 外へ 外で 外に書く ラフに思いつくままに 言葉を拾って 言葉をあたためて 他者のまなざしで 言葉を晒す 透き通った指で そっと 世界に触れてみる ・

「一冊の詩集」 言葉の展覧会384

どこか 静かな場所で 湯につかりながら 一冊の詩集を読む 開かれたページの初々しさ 湯けむりのなかにあらわれる 他者の人生 幸せの文字 こんなことが書かれてある 一冊の詩集 うつくしい詩を読むと 心がさえきって どこか 静かであたたかい場所に いる ・ ※…

「ひとつぶの滴」言葉の展覧会383

ひとつぶの滴のために 宇宙があらわれ海が出現し 「私」が生まれた 大海を漂流する小さな小さな枝 いつもは穏やかな海も ときどき悪夢の嵐に見舞われ荒れる ちっぽけな「私」は籾砕かれ転覆し打ち拉がれ もう死ぬのかと・・・ 昨夜あれだけ大量に悪夢を呑み…

「二人の破局」言葉の展覧会382

ざまぁみろってんだ やっぱりこうなっちまった 二人の間にできた大きな壁 ずるい 狡かったんだよ二人とも 過去の二人の構築そのものが破局に陥って 壊れたカノジョとカレ でもいまとなっては もうゆるすしかないか いやそれなりにくるしむしか かつて汚染さ…

「悪夢」言葉の展覧会381

弱い陽が差し込む 朝の窓辺のベッドで 起きようか眠ろうか オレはまどろみ思案の中に 冷水をぶっかける 微睡の断絶 悪夢が襲う オレは自転しながら 沈む すべてが軽くなった世界で 凶区の嵐! もはや回帰はできない 悪夢は透明になって漂っている ●

「ふかんしてみると」 言葉の展覧会380

こうして この外から ふかんして 地球の表面をながめてみると まぁよくも ヒトという生命体がこんなにたくさん せかせかばたばたと動き回っているものだ ききききかいかいと欺し合っているものだ くよくようつうつと塞ぎ込んでいるものだ あらぬ物語をつくっ…

「今年の流行語大賞」 言葉の展覧会379

* 「消えた年金」(庶民)、喜得た年金(トップ官僚) * 「大食い」の国の人あれば飢え死にする国の人あり * 「食品偽装」私欲頻技層 * 「鈍感力」鈍感利欲 * 「どんだけぇ〜」鈍だけえ〜国 * 「どげんかせんといかん」徴兵制??? * 「ハニカミ王子…

「するめ」 言葉の展覧会378

うすっぺら ぺらぺらになった皮膚 吊り下げられて 揺れている かすかに出るところだけは ひんまがって出て かなしそうに揺れている こんなところが快楽だったとは 見えない海を見ながら ・