2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『西へ』 言葉の展覧会1085

東へ でなく西へ 真夜中 闇の道を突っ走り いくつもの黒い山を越えて あまりにも多くの生命を喰らい 何の変哲もない日常を通り 幾人もの人を通過し 西へ 西へやってきた ・

『どうして東京なの?』 言葉の展覧会1084

なぜ中央なの どうして東京なのか 被災者の生の声も 苦しみも訴えも 東京ではわからない 後手後手にまわり 現場が分からないのも そんな所で会を開き指揮をしているから (ワンテンポ遅れの中央からの指令では困るのですよ) (東京直下型が来たらどうなるの…

『福島の詩人』 言葉の展覧会1083

詩人は修羅場に踏みとどまり 暗い部屋に独り籠もって 余震に目覚め余震に怯えながら 言葉の前に座っている 「あなたの言葉になりたい」 詩は瓦礫の上を 放射能の雨の中を 呟き怒り祈り囀り悼み 礫となって飛び交う 捨てられない故郷・福島 捨てられない詩 し…

『つつじ』 言葉の展覧会1082

見事!! としか言いようがないほど 緑のなかでピンクが映えている 魅入られ近づけばアツアツ 燃える思いのピンクに吸い込まれる 命は巡るのだろうか 若葉にけぶる山奥の家 妹に招かれてつつじの花を見ながら老母と昼食 庭で採ってきた蕗、タラの芽、イタド…

『チューリップ』 言葉の展覧会1081

うっこんうっこん うっこんこう 春風に揺れるラーレ 真っ赤な 赤にこめられた 愛の告白 うっこんうっこん うっこんこう 春風に揺れるラーレ 揺れる赤い花の向こうに パミール高原が見え ヒンズークシュ山脈が真近に広がる カザフスタンの草原の花 チューリッ…

『欲望など聞くな』 言葉の展覧会1080

欲望など聞くな オヤジの欲望など まったく取るに足らないガラクタ 欲望の必要だなんて 無自覚に垂れ流してきたことなど もう完全に忘れてしまっていて のうのうと ない欲望をふくらませ あたりいちめん振り撒いてきたことなど 「経済発展」に必要だなどと妄…

『自分が○○○になればいい』 言葉の展覧会1079

「今さら○○○が焼けてしまったことを嘆いたり、それをみんなが嘆かないってことをまた嘆いたりするよりも、もっと緊急で、本質的な問題があるはずです。自分が○○○になればいいのです」(岡本太郎) ※○○○に何を入れればいいんだろう * 「今日の芸術は、 うま…

『雨上がりの靄』 言葉の展覧会1078

ひとしきり雨が降り続いた後 靄が辺りにたちこめている 途方に暮れるほど うっとうしい天気だ 断続的に嫌な夢をみる ほろびに向かっているのだろうか こんな危機の時にあっても 我が踊り 欲が争い合っている 深い靄からぬっと顔を出すやり場のない怒り 世界…

『風の力』 言葉の展覧会1077

▲『風力発電』 風の谷のナウしか らずんば風力発電だ! ※「風力なら原発40基分の発電可能」環境省試算 ▲『風評被害』 フーッ! ヒョーッ!! ヒーッ!! がい いわけないだろう ・

『それでも希望』 言葉の展覧会1076

希望を見つけたくても 見いだせない人がいる じっと虚空を見つめる人 疲れ果てて何も考えられず 腑抜けてしまった人 塞ぎ込んで ずっと寝込んだままの人・・・・・ することは何もない いやできないのだ ・・・・・ しかし、・・・・ ・・・・・しかし (想…

『緑のカーペット』 言葉の展覧会1075

色あせた緑のカーペット 36年間の染みが着き埃がたまっても ぼくはいまなお使っている 思い出の緑のカーペット かつて本箱がのりステレオものっていた 彼女も座った 淡く甘酸っぱい思い出 緑色は輝いていて ぼくは大の字になって寝転がった 通り過ぎた時間…

『首』 言葉の展覧会1074

首ってなんだろう 首を変えさえすればいいとみんな思っている 首さえ変えればいいと錯覚している そんなにいい首ってめったにない みんなよってたかって首を変えよと口々に言い 5年に5回も首を変えて いったい何が良くなったというのか 首は首 手や足、体…

『晴耕雨読』 言葉の展覧会1073

雨が横殴りに強く 大地にたたきつけている つい先ほどまで汗を流して土を掘り起こし いろんな種を蒔いたところだ いまは時代の大きな分岐点 ぼくは本を手に取って 次の時代のページを繰ってみる 見えない また一冊取って繰ってみるが やはり見えない また1…

『忘れられたひとが』 言葉の展覧会1072

忘れられたひとが 語っている 忘れられたひとが 泣いている 忘れられたひとが ただ黙々と祈っている ●

『国会質問』 言葉の展覧会1071

あなたはこんなことしかしていないのか こくみんはおこっているじゃないか いったいなにをしているんだ これをしたまえ * わたしはこんなべつのこうそうをもっている こくみんのためにはこのほうがもっといいしかたです しかしよさんをにぎっているのはあな…

『駅前の小さな本屋』 言葉の展覧会1070

この春、売布駅前の小さな本屋さんが店をたたんだ 「おとうさんのからだが、もうもたなくなりまして・・・」 と老いたおかみさんが決心したように語られた 「残念です。さみしい限りです」 ぼくは30年以上もこの本屋さんを利用している もうすっかり顔見知…

『予感』 言葉の展覧会1069

ほんにいい天気だ 桜の花びらが一枚、また一枚と散りだした 四月の風が舞いをおしえている 新年から何か予感があった 今年は・・・・・ ぼくの方に感じられたのか 社会の方に感じられたのか 何かがある 何かが起こる 卑小なぼくはすぐにそれを忘れ日常に舞い…

『いっぷく』 言葉の展覧会1068

ぼくは頭を出した石に腰かけて一服をし 下界をながめている 険しい道や迷い道があったがなんとか乗り越えてきた もう少し歩けば頂上だが 辿り着くことはできない 広がる風景 目的地に行けない中腹の山で 静かに 静かに 世界をみつめている ・

『動く』 言葉の展覧会1067

その後もかすかに動いている その前に動いていたときと同じように ありとあらゆるものは動いている すこし止まり また動く ときに身ぶるいし ときに渦巻く わずか止まる またまた動く 動き始めたときに何かが壊れ 何かが生成する 地球が動き 星が動き宇宙が…

『死んだ人とともに』 言葉の展覧会1066

死んだ人の残したものは 深い悲しみと 喪失感 死んだ人の残したものは わたしとの新たな出会い 死んだ人はわたしを見つめている いつもわたしの心をじっと見つめている 死んだ人はわたしに 生きよ、とささやく 生きていくわたしを あたたかく支える わたしは…

『30分の教訓』 言葉の展覧会1065

「遺体はどれも、一か所に寄せ集められたように折り重なっていた。 リボンを結んだ小さな頭が泥の中に顔をうずめている。 細い木の枝を握りしめたままの30代の男性がいる。 ・・・ 遺体は魚の腹のように白く、ぬれた布団のように膨れ上がっている。 涙があ…

『終わりの3.11』 言葉の展覧会1064

とにかく終わってしまったのだ 何かが確実に終わってしまった とぼくのなかで反芻する 何が終わったのか 何もかも戦後が終わり 近代が終わり 高度資本主義も終わり 打算や成果主義が終わり 終わりなき日常が終わり 日本人一人ずつの嘘が終わり 思い上がりと…

『捜しもの』 言葉の展覧会1063

あっちへ行きこっちへ来て ハーハーと歩き回り捜しているが 見つからない 泥だらけの手や足に気づいて 知らないうちに涙がこぼれ落ちる 雨が降ってきた 風が強く瓦礫の山と私の頬をたたきつける 雨と涙が混じって 流される記憶 それでも私はさまよいながら …

『備え』 言葉の展覧会1062

余所事ではない 余所事ではなかった 余所事ではないだろう こんどはわたしたちのばんだ 理不尽は突然やってくる 不条理がいつ竹篦返しをするか 禍は大挙して押し寄せ 連鎖反応を起こす 泣きっ面に災いがやがてやってくる ふんだりけったりされるだろう 弱り…

『英知』 言葉の展覧会1061

自然の驚異の前では どんな先端的な技術も 「想定外」等と言わず 無力だとおもうこと おもったうえで へこたれず みんなで考え 共につくっていく 再生への 英知は そこから生まれる ● ※ 今年もいつになく桜が咲いた でも きれいな桜が いつもと違って見える …

『タコツボ村』 言葉の展覧会1060

聴く耳を持たず 何も見ていない 血が通わず システムだけがコトコト動いている 強固な村 閉じこもり 固まり タコツボ化していった村 重大事が起こるまで 安全だ安全だと 言い張っている 科学が生んだ暴走の 原子力村 ・ ※こんな事態になって初めて分かったの…

『おい、自然よ』 言葉の展覧会1059

おい、自然よ おまえは美しく、いつも優しく包み込んでくれるのに どうしてこんなに情け容赦なく惨く冷酷にねれるのだ しかも突然に おい、地球よ おまえは私たち万物を生み育ててくれたが 不安定で何をしでかすかわからない ときにひどい仕打ちをする おい…

『岐路』 言葉の展覧会1058

あたりまえだとおもっていたいたものが あたりまえでなかった とりもどそうとするが とりもどせない とうてい あの日を起点に すっかり変わってしまった日常 もう以前にはもどれない 世界は変わってしまったのだ どう生きるのか 廃墟が問うている ●