2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「形」 言葉の展覧会467

長い長い年月の所産 食べているうちに 生きようとしているうちに 命を次につなごうとしているうちに こんな形になってしまった 長い首、長い鼻、長い耳、短い尾、短い足、 太い腕、軽い手、細い足、曲がった身体、 しなやかな手、伸縮できる舌、・・・・・ …

「雪が降る」言葉の展覧会466

ああ こんなに雪が降る年は珍しい ちらちらちらちらちら いかにも楽しそうに舞い踊って落ちる 幸せな家族が炬燵で食事をしている ああ こんなに雪が降る年は珍しい ちらちらちらちらちら なんと雪は悲しそうに降っているのだろう きみは伏せ目がちに 自分は…

「動物化するヒト」言葉の展覧会465

いま 動物化するヒト 衣食住の快楽 富めるも貧しきも 自分を囲って 好きなことだけをして だけしかしない だけばかり かつて 動物化したヒト 脳幹を剥き出しにした 攻撃的動物 人「間」が消えた殺戮動物 ヒトがヒトを殺す 夥しいヒトの死 「快楽」だけでなく…

「寄り道」言葉の展覧会464

なんか こうしたいのだが こうできず ああもし こうもしているうちに 正しい方へもいかず 悪い方へもいかず 意味もわからず 世間を気にせず ひょんなところへいって だらだらと まだるっこいことをしているが このことがそもそもおかしくて しかも楽しくて …

「薄っぺら」言葉の展覧会463

かるく かるーくなって ぺらぺら 薄っぺら ヒラメも テレビも したじきも 薄っぺら ぺらぺら 関係も 権威も 芸術も ぺらぺら 文化も 近代も ぺらぺら 人間も 薄っぺら ぺらぺら 〜

「さらば、『一人一人』」言葉の展覧会462

一人一人を大切に 一人一人がもっている価値 一人一人がつくる社会 いつからこんな考えが常識になったんだろう そもそも<共>だったはずのものが <一人>に変換されているトリック <一人>占めの所有が大手を振って歩いている 個の「利」が肥大して自己矛…

「人は動物である」言葉の展覧会461

人は動物である 賢い動物であるが バカな動物でもある 人は自然的な現象として集まり共同体をつくる 共同体はその本質から内への志向となり さまざまな習俗を生み出し世界をつくっていく 人は共同体人のメンタリティを附与される ところがあるとき 外部に他…

「かのように」言葉の展覧会460

そんなものは知らない それは自分で選んでない 自由でもない 責任なんてあるわけがない だから 親が悪い あいつが悪い 学校が悪い 社会が悪い こんなオレにしたのは誰だ!! ・・・・・ ところでオレ 「かのように」生きてみないかい 親のせいではなく他人の…

「世界のなかの私」言葉の展覧会459

私が生まれると世界ができた 私は世界の主人公 私が死ぬと世界も終わる のだろうか ところが 世界はすでにあった 私が生まれる前から 死んでも世界はあり続ける 私と世界ではなく ましてや 私の世界じゃさらさらない 世界のなかの私 私は世界からもたらされ…

「時間に生きる」言葉の展覧会458

こうなるだろう こうだろう こうだ いかにも訳知り顔で語られる 未来 ところが未来なんて分かるわけがない 明日のことがどうなるか分からないのに それから先のことなんて分かるわけがない 自分が時間的存在であることが分からない つまり未来は未知なんだ …

「現場」言葉の展覧会457

現場を知らないで 現場を知ろうともしないで 現場へ行かないで 現場へ行こうともしないで 強持てな持論を 電波の井戸端会議で流し続ける 持て囃しているうちに やがてそれが全体に刷り込まれていく ある日現場へちょろっと行って 事のたいへんさがちょろっと…

言葉の展覧会456

甘ったれているのだろうか 努力しているのだが 持たざる者の消尽 もはや回復することのない疲労 あらかじめ失われた世代は 戦争を待望する 少しでも恩恵に預かろうと 「人気」を盛り上げる 気付いたときにはもう遅く 取り返しのつかない下流 それが「不幸な…

「LIFE SIZE 3」 言葉の展覧会455

どうしてわたしだけが わたしだけがなぜ 身の丈断片は口々に叫ぶ 自己をはかるのに手間はかからない 不満は奥深く天を突き破る どうしてこんなに亀裂があるんだ わたしの断片は引き寄せあって縮小し 恨めしげに問う 口は歪んでいる わたしという「主体」は軽…

「山頭火の雪がふったよ」言葉の展覧会454

うっすらと化粧していたよわが田舎 * 何度やってもできないもどかしさに雪がふる * ぼうっと炬燵からみる雪景色 * ねぼけまなこで聴く鐘の音 * ああ今日の仕事も反省ばかり * 仕事終えホッと一息ハンドル握れば フロント硝子にくっつく粉雪 * 老いた母…

「未明の鐘」 言葉の展覧会453

お寺の鐘がなっている ゴーン ゴー〜ン 50年前にも 50年後にも ゴーン ゴー〜ン 人は死に 人は生まれる 人は生まれ 人は死ぬ ゴーン ゴー〜ン 50億年後には 記憶も無くなり 宇宙の塵が ゴーン ゴー〜ン 寒い寒い日の 未明に お寺の鐘がなっている ゴー…

「嗚呼の一生」言葉の展覧会452

ああ はじめまして よろしく ああ いいね ステキだ ああー これはスゴイ 驚きだ ああ〜 もうダメかも 嘆き ああ よかった ほっとした ああ もういいよ よくわかったよ ああーー いい いい〜 快楽 ああ 枯れていくんだね 諦念 ああーっ 断末魔 ! ※いま箕面で…

「最近テレビ事情」言葉の展覧会451

毎日毎日 よう飽きもせず これでもかこれでもかと どぎつく センセーショナルに 悪い事件ばかりが 画面に映し出されて 毎日毎日 よう飽きもせず これでもかこれでもかと とるに足らない バカ話やバカ騒ぎばかりが 画面に映し出されて 毎日毎日 よう飽きもせ…

「『分』の文化」言葉の展覧会450

「分」かる 「分」からない 武士の一「分」 一寸の虫にも五「分」の魂 そして腹八「分」 「分」別のない「成長率」信仰の国 「分」が悪い経済時代 飽食 満腹 メタボ 腹八「分」の文化はいまどこに *

「死ぬまで自分さがし」言葉の展覧会449

それは何の役に立つのですか オレの小さなものさしで 懸命に世界を測ろうとしている 等価交換するオレ様 幼いときに 消費主体として 自己完結してしまったために 市場原理が身体化し 時間は無くなり ひたすらオレ様は学びから逃走する 子どものときに未来を…

「ゾウよ 2」言葉の展覧会448

夜明け前の 眠っているのか 死んでいるのか 密漁から逃れ 鎖を解かれ 檻の上で 宙に浮かんでいる ゾウよ 周囲は喧噪 内は深閑としている 生命の大きさ そしてはかなさ ただ薄暗く 碧く ・

「感動するな!」言葉の展覧会447

感動するな 感動させてなるものか 隠された 「憂えるべき事態」を 見ようとせず見ないふりをする人 上へ昇りたい人々と下見て暮らせの人 わがことだけの正義感をもっている人 強さを振り回す人 引きこもり鬱屈している人 何も分からずただ流れに流される人は…

「ネコヤナギ」 言葉の展覧会446

粉雪が舞っている 畑にあるネギは 氷っている 手はしびれる 薄氷のたまり 天に突きささる枝に ネコのしっぽのような かすかな白 てんてんと 芽吹いている 寒い寒いときに ひそむ 春 そっと かじかむ指で 触れてみる ・

「ポスト・ロストジェネレーション!」言葉の展覧会445

家庭に持ち込まれた 競争 マイナスカードを奪い合って お互いに争う 不幸競争 上見て暮らすな下見て暮らせ 競争社会の 自己責任論の 内面化 苦しいとさえ言えなくなった だが 自分の「必要」は自分で解決するしかない 一病息災 自前の論理で 「この社会は確…

「少子化」言葉の展覧会444

やれ成長 それ成長経済 産めよ増やせよで この地球上に人間が満杯 もうこれ以上増やしてどうするの 環境破壊に他生命絶滅 少子化は ひょっとしたら良き道かもしれない ぜいたくに慣れなければ 経済成長教の信仰から目が覚めれば *

「ケータイ」 言葉の展覧会443

からっぽの電車の中 どこかで ケータイの着信音が鳴る すると あちらでもこちらでも さまざまな電子メロディが鳴り出す この軽々しい日々に ・

「フラット化した世界」言葉の展覧会442

フラット化した世界 低い方へ安い方へ 高かった山も 見せかけの山 やがて寂れ崩れ落ちる だから高い山が みんなを一つにまとめて 全体を引っ張っていこうなんてのは もうダメで 全ての平面をあちこちから上げなければ どうしようもない フラット化する世界 …

「しろわだ」言葉の展覧会441

分かりやすい よく分かる 分からなければ・・・ もっと分かりやすく もっともっと そんなのカンケーネェ!! 分からなくてもいい 分かる必要もない 分からないままでいい 分かりたければもっと考えろ そこから一歩進むと 白い 真っ白い 闇 しろわだ 記憶にひ…

「無用の用」言葉の展覧会440

これほど必要となった時代はない まったく役に立たないもの 無用な場 市場からは転げ落ちていて ひとがあまり見向きもしないこと だけども それがとっても とっても 大切なんだ 全く解せないひとたちの中で ひそかにあたたかく語る 無用の用 これが自分にで…

「ちっちゃなひとしずく」言葉の展覧会439

ああ かすかに聞こえてくる 北の海の氷の悲鳴 欲望を満たそうと 死に急ぐヒト アンデスの古代都市は語る 未来都市の死滅 声を出さなければ 声を集めなければ ひとつぶの滴から ハチドリの ちっちゃなちっちゃな ひとしずく *