2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『終秋』 * No.3150

冬支度の寒い風が通っている 物語の初めの枝垂れドーム しんとした下界の街々と忘海 うっすらと有情の霧雲が流れて めぐる島人の織り成す表跡 其々か細い声をあげるオブジェ なごやかなセンスの雑貨 ささやかな夢がちりばめられて 覗く青空の向こうの見えな…

『私の古里』 * No.3149

「もう、心配で心配でしょうがないから来たんや。 ちゃんとやっとるか」 「これからやろうと思とったとこ」 「えーっ」 朝、区長の正ちゃんが訪問してくれた。 やらんなあかんのは、ザイサンクの会計 組長との兼務である もう一番嫌な苦手分野・・・ 四苦八…

『かなしさは行方不明』 * No.3148

どこへ行ったのか どこへ消えてしまったのか とんとわからない べつに何もなかったかのように 日常は繰り返されている ああ、あんなことが・・・ あのひとが・・・・・ いったいどこに行ってしまったのだろう いつのまにか突然、消えてしまった いまとなって…

『品性』 * No.3147

あれもした これもした あれも知ってるこれも知ってる あーだこーだ あれを持っている これを手に入れた でも それがいったいなんだって云うんだ そんなのはちっともほしくない ・・・とある人に言われた ふと それをおもいだして胸がいたくなった 品性がま…

『未開花のうちに』 * No.3146

霜が降り 薄氷が張り めっきり冷え込んでしまった朝 今か今かと咲き誇るのを待っていたのに 無残にも 見る影もない 皇帝ダリアがあった 夏、あんなにぐんぐん育ちついさっきまで 伸び伸びしていたダリアが・・・ いったいこのダリアの一生は何だったんだろう…

『熱燗』 * No.3145

めっきり寒くなってきました こんなときは熱燗がよろしい 今日はとってもいいことがありました 宝が舞い込んできそうで・・・ 本当に天下の回りものかもしれません これも信頼と友情のたまもので だからだから 今夜は熱燗でかんぱーい!!

『惨め』 * No.3144

さんざんだった こんなにあがってしまうとは ゆびがふるえこえがうわずり・・・ やることなすこと ことごとくくずれさり 何をやってもうまくいかない日がある もうなさけなくて みじめでちっぽけで ホントにじぶんはばかだとおもうときがある ああ、もう駄目…

『葉っぱが一枚』 * No.3143

葉っぱが一枚 空に 舞っている タクラマカン砂漠や キリマンジャロ山上に通じる 空で ・ ・ ・ ・ 葉っぱが一枚 空に 舞っている タクラマカン砂漠や キリマンジャロ山上に通じる 空で ・ ・ ・ ・ 葉っぱが一枚 空に 舞っている タクラマカン砂漠や キリマ…

『寓意ポッポッ』 * No.3142

静かに風変りに不気味に ポッポッ 魑魅魍魎さ まざ まな奇 妙な形 象 ポッポッ 繰り返す営み 反復す る生 残 酷に妖 艶に ポッポッ ボスボスボス 得体のしれぬ生き物、口、目、鼻孔、髑髏 水、風、火、・・・ちみ魑魅もうりょう魍魎 あ・り.と..あ・ら・ゆ..…

『森に入る』 * No.3141

ひとの内側には 薄暗くてよくわからない森がある 自分の中の森にも あのひとの森の中にも さまざまな木々が生い茂り 入り込めば入り込むほど深くて 暗い ・・・・・ 迷って彷徨い どこへ行くのか ・・・・・ ●●●●● いつしか 誰かの 自分が生きなかった人生を…

『座禅』 * No.3140

頭で天上を突き刺すように まっすぐな座姿勢 左手の指を右手で軽く持って 膝の上に置く 半眼 呼吸こそいのち 吸うときははやく 吐くときはゆっくりと 数字のみを数えていく 1,2,3,4,5、・・・・ ・・・・ 煩悩17、煩悩18、煩悩19 33、34…

『ワイワイがやがや』 * No.3139

クルマは走る 六人を乗せて走る 同級生女二人男四人 クルマは走る 綾部に住む恩師に会いに ワイワイがやがや クルマの中は また小さな同窓会 みんな好き勝手なことを言い合って ワイワイがやがや もう何十年も気心が知れている者同士 ワイワイがやがや クル…

『晩秋の冷たい雨』 * No.3138

冷たい雨が降っている 紅葉がしっとりぬれる もみじじゅうたんも いちょうじゅうたんも しずかな村も しっとりぬれて しと しと しと 道はだれも通らない わたしは炬燵にまるまって きのう街で買ってきた本を読む しと しと しと 雨が山野をぬらす 少年も少…

『樹』 * No.3137

さわってみる ふんでみる ふれてみる なぜてみる じっとみる 切り倒され 切り刻まれても 生きている 死んでも生きている 何百年もの歴史が浮かび上がる 年輪がきれいな絵を描いている ほんとに美しい 樹がみずからつくりだした 素晴らしいアート ・ ・ ・ ・…

『自在』 * No.3136

気が通い 心を使い分け こだわりがない 引きずられない おろかなる身 時代の橋わたし 入口に立つ ひとり この人の道を歩いていけば あの人のそば近くを歩いている おろかなたましいの 道 ひとり ・ ・ ・ ・

『夜霧』 * No.3135

外に出れば 街灯 おぼろ なにもかも朦朧白い霧に夜がつつまれて いつしか私は死んでいるのか生きているのか おぼろ やがて夜霧にとけこみ 霧となって静かにながれ 宙をただよう ・ ・ ・ ・

『行人(ゆくひと)』 * No.3134

ちいさな喜び ちいさな幸せ どこにいても なにをしても 我も行人 秋の暮れ (芭蕉を想い、蕪村を想う秋の夕暮れ) ※※「此道や行人なしに秋の暮」(芭蕉) 「門を出れば我も行人秋のくれ」(蕪村) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

『しらぎく』 * No.3133

とおるたびにめにはいる白菊 しらぎく と ひとり呟いてみる 遠いおもいで 近いかなしみが ふと ・ ・ ・ ・

『じたんばたん』 * No.3132

追いつめられて 追い詰められて 右往左往 すべきことと したいことの大きなギャップ 四苦八苦 はたから心配りのひこいっちゃん ひと息つくために 脱したときを夢見て じたんばたん ・ ・ ・

『重荷』 * No.3131

重くてかかえきれない荷物 半分もってあげよう いっしょにもとうよ と言ってくれたかれ それだけで軽くなった重荷 二人なら大丈夫 ・ ・ ・

『ケロリと忘れて、朝』 * No.3130

「さむかったね。ここってほんとうにさむい」 「まちとくらべて3度から5度ひくいよ」 昨夜の言い争いはなにもなかったかのように さわやかな朝 「きのうのちゃんこ鍋おいしかったね」 「おいしかった!」 ・ ・ ・

『軽い言葉はあっちへ』 * No.3129

リセットしよう とはもう言わない しょせん言葉は言葉だけれど 軽い言葉も慎もう かるいことばよ ふわふわと 空の彼方へ飛んでいけー! ・ ・ ・ ・ リセットしよう とはもう言わない しょせん言葉は言葉だけれど 軽い言葉も慎もう かるいことばよ ふわふわ…

『かわいい白菊』 * No.3128

晩秋 家の石段の横にひっそりと 懐かしい白菊が咲いていた おひさしぶり またお会いしましたね あいかわらず可愛くてきれいです あなたを見ていると スキッとして こころがなごやかになります 会えてとても嬉しいです 花に手を触れて云う 好きです とっても …

『柿』 * No.3127

青空のキャンバスに 1本の木がのびていて 赤くまんまるい柿がたわわになっている 彩り鮮やか見事な絵 柿の木に上って 青空のキャンバスから 真っ赤な柿をひとつ取り出し 木の上で枝に腰かけ ガブリッとかじってみる 体中にあま〜いご馳走が浸透し ぼくのか…

『サツマイモ』 * No.3126

ザクッと掘った 土の中から 赤紫色のサツマイモが顔を見せる 今度はやさしくもう少し掘ると 3つも4つも笑顔を見せてくれる やあ、はじめまして はじめまして 掘ってくれてありがとう みんなそろってけなげにあいさつと感謝をしてくれる わたしを食べてね …

『アートで対話』 * No.3125

ここでこうして作りながら展示していると いろんな人が見に来る 「湯がいた黒豆一ついかがですか 食べませんか」 「大きな粒ですね」 「わあ、美味しい」 というところから話がはじまる 年配者の夫婦がやってきた 「とった畦豆を干しているんですよ」 「へえ…

『月明りで畑を耕す』 * No.3124

黄昏の薄暗さが少しずつ濃さを増してきて 夜になってもぼくは畑を耕している 耕運機を終えると月が顔を見せてくれた さて次は、畝づくり 鶏糞、牛糞をまいて 整えてできた畝七つ 1ぴきの秋の虫が楽しそうに鳴いている 夜の空気が少しひんやりとして 清らかだ…

「宝塚現代美術てん・てん」に出展

「宝塚」の再創造 世界の「TAKARAZUKA」へ 干している畦豆で、「宝」という字を形どりました。宝塚の「宝」です。 まだ完全な「宝」ではありません。何か欠損しています。何か足りない宝塚。・・・・・かつてたいへん賑わっていた「宝塚温泉」が寂れ、宝塚動…

『秋風ながれる』 * No.3123

すこしひんやりして 澄んだ空気がながれている 11月 虫が鳴き 夜露がもれて朝焼けになり 更けゆく秋 ステキな秋 黄色く 少しずつ色づいて オレンジから真赤に 木の葉たちの有終の美と 大地に帰るよろこびと ウツクシイ秋 風ながれ うっとりながれ 秋にただよ…

『11月です』 * No.3122

カランと晴れた秋空の下 からだもすっかりよくなって 朝食のあと、洗濯物を干し 台風で荒らされたものを直し 倒れた草木を片づけ 畑をたがやし 種をまき こころよい疲れのなかで フッと 山をながめたら もう山が色づき始めていました 11月です ・ ・ ・ ・