2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『小さな貝殻』 言葉の展覧会809

本棚の並ぶ本の前に 埃を被って置かれている 小さなちいさな貝殻 光は鈍いが 内部は常に揺れ動いている 海を内包して 本の前で眠る 小さな貝殻 大きな海だって変わるの 私も海の一部よ 貝殻はささやいた ぼくは貝殻をてのひらにのせて きれいに拭いてあげた …

『政権選択』 言葉の展覧会808

人は上ばかりを見て 人は下を蹴散らし 進め進めとばかりに 人がバラバラにされ 人を人としてでなくモノとして見て 人は不安だらけで捌け口を求めて 右往左往し自ら首を絞めて 改革と馬鹿騒ぎのイメージだけを消費した後 残されたのは何もかも劣化した荒涼た…

『運命の処し方』言葉の展覧会807

嘆くのではなく 歌うために ある試練に向かって 走るのではなく 克服するために 歩いていく さよさよと 敬虔な月の諦めと ほんの少しの太陽さえあれば 飛ぶことだって できる ●

『鮮度』言葉の展覧会806

いいものも 素晴らしいものも くどくど繰り返されていくうちに 失墜してしまう ところが たいていのひとは それには鈍感なので どんなものが映し出されて来ようが 頓着ない ・

『小胞体』言葉の展覧会805

うちのうちはそと 内部につくられた もうひとつの内部 それは外部に通じるのだ ・

『生命体』言葉の展覧会804

かたちを壊し かたちをつくる あるように見えて そこには何もない ただなんらかの気まぐれと ひきあいがあって 寄り合ってできた 効果 そして淀み ここにあるのは 単なる流れ だから 生きている *

「演技上達法」言葉の展覧会803

さあ ふか〜く深呼吸をして 自意識を消して 何も考えず その他者になろう ・

『ブタ』言葉の展覧会802

ブタをかこい ブタをくいつくし こんなにとおくまできてしまった しかしやがてブタにぎゃくしゅうされるであろう みずからブタであるために ・

『理由無き絶望』言葉の展覧会801

お〜い そこのわかものたち なにぜつぼうしてるのさ ん? ぜつぼうってどういうことだって きみたちぜつぼうしていることにすらきづいていないのか う〜ん えっ みんなもうしんでいるんだよ しんでいることにきづかないからくるしいんだよ しんでいることに…

『変わった男』言葉の展覧会800

変わった男 田圃からぷっと出て ときどき人差し指で 風や木のふるえを写している 蝉のエネルギーを吸収し 向日葵の芸術を仰ぐ 雨の夏にしっくしく 都会に居候 蚊にかまれてばかりで 愚かさにわったわった 変わった男 変わらないものに埋没してしまった *

『盲人夫婦』言葉の展覧会799

近所に盲人夫婦がいる 二人は寄り添うように ゆっくりと家から駅への道を 私が数分かかるところを 20分も30分もかかって歩いている 二人とも白い杖をつきながら かたく手を握り 狭い自動車道を通り横断歩道を越えて ゆるりゆるりと歩いている 人や車は二人を…

『好きなCA』言葉の展覧会798

好きは好きなりに 時代に乗っている その流れに乗って 多様の中で呼応して 市場システムに組み込まれても 消費に馴染んでもどうってことはない 流動化も変質も避けられない とにかく変化することだ 少数でも多数をうごかし 多数を変えるときだってある 知を…

『現代△ 3』言葉の展覧会797

やがて認められ 楽になってしまった その顛末はいろんなものが通ったような 伝統に回収され 定型になっていく道筋だ 故につまらなくなり 嫌けがさしてくる もはや現代でも最先端でもない 趣味世界に そしてくだらなさが量産される砂漠 僅か日陰に残ったもの…

『現代△ 2』言葉の展覧会796

それが胎動したのは 実はこうだった ここに既存のあるPがあるとしよう それは形式的で定型で 至上主義で自己完結していた それゆえ権威がある 現代Pはそれらに対して ノン と顔を背けたのだ いやそれら枠組みの外部に目を向け 外部との対話を始めたのだ 外…

『現代△ 1』言葉の展覧会795

存在意義はきわめて無いに等しい 言いたいことはみんなに伝わらない けっして多数派にはなれない 多数を拒む 難解! 寡黙 寄せ付けない 無からのといっていいくらい 根源は何か ぎくしゃくとはらはらとどきどきと 新たな問いの 困難性 *

『「生に意味を与える無意味」』言葉の展覧会794

いないほうがよかったのだろうか いたほうがよかったのか 意味がわからない 意味が見えない 無理な問いの 自由 いないよりいるほうが・・・ だってげんにいるんだから と こうていてきなほうにもっていきたい 自由への逃走 という重荷を背負って 「生に意味…

『豪雨』言葉の展覧会793

雨が 川が この地域ではこんなに猛威になるとは誰も思ってみなかった お決まりの避難勧告で避難所に行く途中 用水路の濁流に呑み込まれてしまった 母を亡くし父を亡くし 子をなくし・・・ なんという運命だろう 運命! 従うしかない の か いまはみんなで泥…

『草食系』言葉の展覧会792

肉慾の関係の 醜さと 愚かさは シェイクスピアを持ち出すまでもない エクスタシーから苦悩へ 天国から地獄へ 真っ逆さま ガツガツせず 人を傷つけることを避け 競争よりも平和を 草食系は好むそうだ だからぼくは草食系でしかありえない この三十年 浮気も全…

『肉食』言葉の展覧会791

肉を喰らい 肉をくい込ませ 肉に触れ 肉を擦り合わせ 肉のために ただひたすら 肉を食う ■

『分からないことの』言葉の展覧会790

ここに この石が在って ここに 草が生え ここに わたしがいる という 分からない 理由 分からないことの 大事さと 不思議さ ●

『ポンコツ体へ』言葉の展覧会789

腰がいたい首がこる頭がいたい と女房は言う ぼくも同じように 腰がいたい首がこる頭がいたいと言う 疲れが翌日どころか 翌々日まで持ち越し やれしんどいやれつかれるやれいたいなどと言い合っている 六十年近くも体を酷使してきたんだから いたむのも いた…

『蚊』言葉の展覧会788

睡眠中の夜 耳元でなんやら ブ〜ンブ〜ンと 音がしたので目が覚め がばっと起きてしまった 足首のところが痒い ああ痒いかゆいかゆい ゆめかうつつかコノヤロー 蚊は羽音をひそめて逃げる ぼくはゆめかうつつか追いかける 血を吸うものと 血を吸われるものと…

『戦争また』言葉の展覧会787

それはすぐにやってくるのではない 日常のなかにひそんでいて わからないように蜷局をまいている じっとまちかまえて 日々の微妙な動きの中から ちょうどこの時がいいぞという空気になったときに それは頭を擡げる それはある者の空想 歪みきった思想 どす黒…

「ヒト」言葉の展覧会786

動物じゃないか だれもかも できそこないのヒトばかりが のさばっている地球なんて こりゃー とても駄目だ 動物は純粋で清廉潔白で 自然のなかにひらかれている 動物じゃないか 人間って *

『具体』言葉の展覧会785

実にあっけらかんと 日々を おもしろおかしく そこに意味なんてない 高尚でもコンセプチャルでも 絵の具を塗りたくっても 所詮はモノである 布や金属や土や大理石を切っても重ねても モノである モノに心を投影するな モノに心を託すな 欺瞞からの解放 心に…

『戦争』言葉の展覧会784

システムに組み込まれているので それはごく自然な状態である 核ってその象徴 それが現実なんだって誰もが思い込んでいる だからこそ誰かがどこででも 言わなければ 言い続けなければ 元に戻ってしまう もうひとつ知っておきたいことは 現実はいつでも変わり…

『アリ』言葉の展覧会783

いつでも交換可能な わたし いつもどこでも 条件付きでしか肯定されない わたし 肯定したいけれど 肯定できない わたし だから いつもうろうろ せっせと動いている こんなわたしを 肯定してくれる大地をもとめて ・

『ひまわり』言葉の展覧会782

どう考えても 答が見つからない 太陽がほしい 分からない問いは 宇宙のままに だから見事なんだ ●

『セミ』言葉の展覧会781

どこかで 存在証明を おっことしてきた 内で 内に ああ、あれはいつだったか +

『BUTUKARU』言葉の展覧会780

ぶつかる ものにぶつかる ひとにぶつかる しゃかいにぶつかる ぶつかる いやなことに どうしようもないものに ぶつかる ぶつかりたくないから しゅうだんをよけて ひとのあいだをぬって ひょろひょろあるく もうもくのひとは ぶつかるからあるくことができ …