『別れ』 言葉の展覧会998
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ついに別れがくるとは思ってもいなかった
夕暮れ時 あなたは寂しげに海を見る
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たまにしか会えなかったけれど
ぼくはあなたに密かに恋をしていました・・
海の向こうに陽が落ちていく
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数々の街角のポスターを見ながら
あなたはつぶやく
「わたしはもっとここで輝きたかった。これからだというのに・・・」
あなたは16歳の少女のままで
死んでしまうかもしれない・・・
一瞬オレンジの世界
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なんとかしてあげたいけれど何もできない
たださよならを告げるだけなのか・・
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あなたはそんなに派手ではなかったけれど
何か新しい感動を見つけてもらおうと
がむしゃらに生きてきた
でも もうあなたはいなくなる
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ぼくは、あなたに出会えて本当によかった
あなたと何度か楽しい一日を過ごし、感動を教えてもらって
とても嬉しかった
もう海は夜をうつして 波がきらきら輝いているだけ
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※サントリーミュージアム「天保山」、さようなら