2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧
Pがぼくのもとにやってきたのはいつだったか。定かではないが、もうかれこれ20年以上にもなるだろう。どこかで一緒になったのでも呼び寄せたのでもなく、いつのまにか、気がつけば傍にいたのだ。ベターッとくっついている日もあれば、全く離れて何日も何…
一昨日は なにもかも真っ暗 もう立ち上がれないほどひどい日だった 昨日は 懊悩のひとつひとつがほぐれていって 徐々に回復して立ち直っていった そして今日 すっきり明るく なんであんなことに苦しんでいたんだろうと馬鹿馬鹿しくおもった 二晩寝れば解きほ…
一昨日は なにもかも真っ暗 もう立ち上がれないほどひどい日だった 昨日は 懊悩のひとつひとつがほぐれていって 徐々に回復して立ち直っていった そして今日 すっきり明るく なんであんなことに苦しんでいたんだろうと馬鹿馬鹿しくおもった 二晩寝れば解きほ…
飲んだくれで 身だしなみは考えず 貧相で 卑しく 働いて儲けた収入はすぐに使ってしまうから ほとんど残らず 破滅型で 性格も悪く 恋人どころか友人も一人もいない こんな屑のような人間も 俺みたいな奴もいるんだよな 世の中には
毎日毎日捜している きのうまでちゃんとここにおいといたのに なんでかくしたん かくしたかくしたいわんといて おいとかんなあかんところにないから かくしたというしかないやろ ここのはぜったいうごかしたらあかんと なんべんもいうたやないの それにじぶ…
先日までは寒さに震えていたのに もう上着を脱いでも過ごせるようになった ガラス窓には小さな羽虫が張り付いている しばらくじっとしていたが よろよろと歩いて 羽を広げ飛び立った 窓の向こうは小雨が降り出していた よく よく見ると遠くの方で 小さな羽虫…
ブスブスと深みにはまり 這い上がれぬように なる前に なんとかなんとかー この本は重い ズシーンとくる 重すぎる 飢え死にしていく人の日記 死刑囚の俳句 人肉を食う体験談 呆けてしまった人の文章 裏切りの日記 ・・・・・ 「おお、辛い読書」 この十日間…
打ちのめされて ぐったりと 重たい疲労感がズシーン 頭脳はおぼろなのだが目が冴えて 眠れない 午前三時 眠るために本を読んでいるが 余計に目が冴えてくる これなら眠れると本を選んだが 途中に書かれていたものがガシーン とうとう最後まで読んだ 時はもう…
こいつは 次から次へと目移りし より刺激と興奮と 利益を求めて 限りない欲望をふくらませていく そのため あっけなく忘れ去られていく伊達直人 もうすっかり冷めてしまった善意 無惨にも反故にしてしまう共助 なんてこった この最低のバカやろう! いつもい…
海風がやってくるさわやかな春 ひとつの木に 可憐な白い花がたくさん咲いた 海風もうだる暑い夏 やがて花は清純なあおい実に 秋を経て冬に いつしか実は黄橙色に オレンジ色の ひとつぶが もうひとつぶとかさなり 無数のひとつぶが 種を守りながら 美を構成…
生み出たものの ある一つが ひとりだちして 裏表を見せ その裏で 他を排除し抑圧し 表を裏切る これも人間 ●
はじめに歌があった 労働の前に 私有の前に 物語の前に 言葉の前に 声にならない歌 歌は呼びかけることだった 歌は語ることだった 歌は伝えることだった 歌はよろこぶ 歌はかなしむ 今の文化はすべて歌の残滓 *
ぱっくり開いた口 虚空を見る目玉 内奥に突き刺さった竹串 塩で塗されて 湯気が舞い上がる 殺の隠蔽と 残酷の忘却 皆で恐怖を分かち合う イタダキマス ●
それがすべてだとは おもわぬこと 負けてしまった人生 落とされてしまった人生 囚われてしまった脳 行き場のない苦しさ すべて一過性のこと 身をかがめ 堪え忍んで 藁をもつかみ どこか別の場所へ飛べば 通り過ぎる おもわぬうちに *** 今日もこの列島で…
加速加速の すさまじい速さのなかで 前へ前へ とは進まない 下へ下へ 深く深く と内面に下降も深化もしない それは混濁した加速のなかへ飛び込み 斜めにかいくぐり 曲がりくねってすり抜け 歴史の欲望を巧みに捉えて 見る目を肥やし ひととき道連れの旅に伴…
パタパタとはばたきをまねて はみだしながら きらきら目を輝かす ひよこたち この動きは冬の寒さを吹き飛ばす <よくするのもわるくするのも 自分が未来をどう描き、それにどう投入するのか あるいは未来にどう責任を負うのか にかかっているような気がする>…