2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『天上大風』 No.3684

天の上には大きなおおきな風が吹いています流れるんです 時が流れます いのちが 相変わらず俗世は混乱していますあの人はもういませんいないんですもうけれど秋の夜はやってきてお月さまが妙に明るく煌めいています 流れる時流れる命 だから地上のぼくらにも…

『魔が刺す』 No.3683

ある日 フッと魔が刺したんです こうして人となんやかやあることにこうして動き回ってあれやこれやしていることに なんでオレ、こんなことしてるんだろうワタシ、何やってんだろう いったい 生きることは面倒やな生なんてどうでもいいんです エエイ! 死んじ…

『秋しあわせ』 No.3672

ゆれる 風 に コスモスあたいの 髪が 花の中 に すっ とはいる さわる や さ しくうたう コスモス 風と わたしと コーラスしながら ああああああ、ああ いいなあ秋 あちらにもこちらにもしあわせがひそんでいる 秋のなかに あ た いが 埋まっている ・ ・

『一瞬』 No.3681

これまでのあいさつが 会話がやりとりが 対話が けんかが約束が 葛藤が 喜びが 幸せが膨大に残っていたのに 一瞬にして消えてしまった 跡かたも無く なーんも無く消えてしまった 交情も 恋も 愛も 生も おそらく一瞬にして ・ ・

『価値観』 No.3679

無いのに有るんですよたしかに湯上りの肌はしっとりあなたが吸着してわたしがはじまったのよ いない だ れ も不在の まま で とんち問答ふたつの膜膜どうしが近づいて ぶつかり は な れ る繰り返す往来入れなければ出な いいい感じ シンギュラリティはまだ…

『秋空』 No.3678

あまりにもスッキリしているので青空に向かって両手を広げてみた なんだか少し空にとけこんだような手に取りたいわたがし雲 そら、 空、 天、 宙、無と有を繰り返す宇宙 なぜに? 漂流するきみいま どこにいるんだい ゆれるコスモスの花々楽しく飛び回るハチ…

『線香花火』 No.3677

闇にパチッパチッ と飛び散り悲しげに わびしい と美しくパチッパチッ と生をたしかめはかなくチリッチリッと消えてゆく *何年ぶりだりだろう 線香花火 * 昨夕、わが家の庭で3家族の方々がやられたバーベキューに誘われました。畑でとれたナスやカボチャ…

『里山で八句』 No.3676

時さわさわ変わりゆく色秋の里山 * ゆれる音突き抜ける蒼秋山の花 * 青空の海ぷかりぷかり秋の雲 *紫の深さ明るさサワギキョウ *しとしとと天から地へサワギキョウ *山路にて何やら尊しサワギキョウ (芭蕉のパクリ) *白ピンク花から花へと旅する赤と…

『その後』 No.3675

それ以後 しばらく経つと人はそれをすっかり忘れてしまうだろうそれだけではない その前も おそらく記憶は脳の片隅に残って 何かが変わりだしたその何かは 新しい現実だ新しい何かは日常となる 「その前」は過去のこととして「その後」の日常に呑み込まれ ど…

『窓の戸』 No.3673

きしむガタガタして開けにくいすき間だらけ朝が来れば 朝の光が戸のほうぼうの隙間からもれてくるもう古ぼけたポンコツのわが田舎家の窓の戸どうしようもない でもぼくはこの戸が好きだ朝、戸を開けるときちょっと困難を要すけれど喜びを感じている 開けてい…

『秋空八句』 No.3672

秋空に雲戯れ山微笑む *稲穂ゆれ草刈機の音遠い旅に *稲穂いちめん黄金の恵みお辞儀する *涼風訪れる二階より眺める秋景色 *草葉稲穂 夫々もつれ重なる 固有の秋 *秋の日にネコ膝に乗り欠伸する *膝の上秋風涼しネコ眠る *秋の空 夢追い人戯れ 山微笑…

『open』 No.3671

ひらく窓をひらくひらく家をひらく それ以後もひらく 人は来て 去る出て 入る ひらく線と線の間をひらく夫々固有の線が もつれ かさなり草木のようにゆれふわふわ浮いて ただよっている あちらにもこちらにもさまざまに じつにいろんなものが生成して ひらく…

『遠い空の孤独』 No.3670

暑さが抜けわずかばかり涼しさが訪れた 草たちは活き活きと生きようとしている 秋はかくれたまままだ見えない 自分を見つめ無常を感じるにはまだ早すぎるのかもしれない あるいは あの青空の彼方でふわふわと孤独は旅をつづけているのかも ・ ・ ・

『上がれた!』 No.3669

上がれないこの1メートルの高さが上がれない助けて!だれかだれか来てほしい郵便配達屋さんでも近所の人でも わたしは家の前の水の無いコンクリート池に降りて泥かきをしていました終わってからハッと気づいたんです上がる所が無いわたしの足は膝や腰を痛め…

『上がれた!』 No.3669

上がれないこの1メートルの高さが上がれない助けて!だれかだれか来てほしい郵便配達屋さんでも近所の人でも わたしは家の前の水の無いコンクリート池に降りて泥かきをしていました終わってからハッと気づいたんです上がる所が無いわたしの足は膝や腰を痛め…

『上がれた!』 No.3669

上がれないこの1メートルの高さが上がれない助けて!だれかだれか来てほしい郵便配達屋さんでも近所の人でも わたしは家の前の水の無いコンクリート池に降りて泥かきをしていました終わってからハッと気づいたんです上がる所が無いわたしの足は膝や腰を痛め…

『詩をいちりん』 No.3668

ほとんど空っぽになった灰色の世界に何気ない 道端に生えている雑草の可憐な花を添えよう いのちを吹き込むのだ いのちに思い、想い、憶い、念いおもいを込めて 吹き込む本当のいのちを感 じる いちりん 置いたかれんな花 すると一輪の花に灯りがともり 辺り…

『からっぽの秋』 No.3667

なんとなく ただなんとなく歩いてきたようです あのとき 立ち止まってふーっと深いため息をついたあなた何にもないの からっぽ生きている意味を教えてください 今年は秋は無いのかと思っていましたが昨夜は秋の虫が鳴き 今ひんやりとした朝ですススキがゆれ…

『ニュース』 No.3666

台風が通って 大雨が降り屋根を吹き飛ばし 山が崩れ家が呑み込まれる 崩れた土砂の中に埋まっている家折れて突き出た柱 顔を出す冷蔵庫の先泥にまみれた窓のかけら つい昨日まで 一緒にご飯を食べながら笑い合っていた家族 父と母と娘と息子今は土の中で行方…

『夜にギターを弾いて』 No.3665

夜にポロンポロンとギターを弾いて歌をうたう 夜はポロポロと涙とともにこぼれ落ちちいさな星になって夜空にまたたく ああ、少年のころに見た満天の星こぼれおちそうな星々いつの日か とり戻そう 何も見えない夜空にポロンポロンギターを弾き 星をとりもどそ…

『吹っ飛んだ夢』 No.3664

しこたま強い風が吹いてぼくの夢がどこかへ吹っ飛んで行った夢なんてどうだっていいんだと言って出かけた この地域ではハザードにどう対処するかはお上頼みじゃなく結局は私のハザード・カード(マイ避難カード)を作って自助するしかない ご近所さんと助け…

『場がいるのです』 No.3663

場がいるのですきみとぼくが出会い見つめ合いながらドキドキ ことばを交える場が 場がいるのですあなたとあたしのワクワクしたわたしたちのやわらかくふかいところでことばがむすばれてゆく共有の場が 場がいるのです深く思考に沈潜し 何かを創り出す場が 場…

『夕焼けの胎内』 No.3662

おっ、まわりがあったかな色に変わったぞすぐぼくは家を飛び出て 西の山の方を眺めた なんと美しいんだろう深いふかい青に染められた空のなかに見事に描かれた オレンジ色の絵に見惚れた ああ、ぼくはあたたかなオレンジの胎内につつまれている すると一瞬の…

『すれちがい』 No.3660

山道で髪が長く とてもきれいなひとに出逢った少しぼくの前で立ち止まり 澄みわたった泉のような瞳で若い彼女はぼくを数秒間みつめた 懐かしい人を見るように・・・・・ でもぼくは「こんにちは」と挨拶をしただけで彼女と話しかけることもなしに去ってしま…

『私のノート』 No.3659

私はこれまで何冊もノートを書いてきた数十冊・・・ いまどこに置いているのやらもうすっかり忘却の彼方にあるノートばかりただのモノとして押し入れや書斎等の奥の片隅に居座っている 私のノートは私だけのノート日々の思いを殴り書き、吐きだす文字はひょ…

『かなしい断片』 No.3657

みえないんだよみたいけど みえないきみはどこかにひそんでわたしをまちかまえている *いまきみが せまいへやのなかでうつうつとしているときぼくはコーヒーをのみながら のんびり小説をよんでいる *ああ、あのとき とびでた感情をひっこめてしまうべきだ…

『暑き日々の日課』 No.3655

今朝も水をやろう わずかばかりの水を カラカラに干からびてしまいそうな植物たちに 一滴の水を たっぷりと ********************** 『小さな星』 No.3656 気づきはじめているヒトがなんなのかどうしてこんなのになってしまったのかどう絶滅するのか いつに…

『暑き日々の日課』 No.3655

今朝も水をやろう わずかばかりの水を カラカラに干からびてしまいそうな植物たちに 一滴の水を たっぷりと ********************** 『小さな星』 No.3656 気づきはじめているヒトがなんなのかどうしてこんなのになってしまったのかどう絶滅するのか いつに…