2005-12-01から1ヶ月間の記事一覧

幻想に埋没する民主主義  ー スラヴォイ・ジジェク

トニー・マイヤーズの「スラヴォイ・ジジェク」(青土社)を読んだ。ジジェクは批評や哲学関係の本に度々名が上がっていたので以前から、どんな人なのか、どんな思想の持ち主なのか興味があった。たまたま宝塚駅前の本屋でこの本を見つけた。「哲学、精神分…

村上三郎メモリアル

BAR「メタモルフォーゼ」店主の坂出さんより、以下のメールが送られてきた。 ***************先般お知らせしましたように、来年1月11日で村上三郎氏が 没して10年になります。たいへん示唆に富んだ作品を放ち続けた 彼の足跡は、芸術史上…

「生命」

わたしのなかにひそんでいる宇宙 こっそりと あれはいつからのことなのか 思いだそうとしても思いだせない とおいとおい わたしの細胞のなかの記憶 わたしのなかの海 わたしという魚 ちいさなちいさなふくろ いつからできたのか 外と内のしきり なかを管がの…

管としての人間

渡辺信雄さんより「岬の病院に入り手術」というメールが入った。>手術しました。管なのですね、人間は。 >管に管を繋いで、棺桶のように身動きできない空間で、脱出できることだけが望みで痛みに耐えています **************** そこでこんな…

横浜トリエンナーレ 12月16日夕の映像展に

ワダさんより、横浜トリエンナーレ会場で、16日夕方6時頃から映像展をやるのでDVD作品を送ってくれ、とのメールがはいった。一昨日のことである。 だもんで、あわてて今日は朝から作品作りに取り組んで今やっと仕上がったところだ。12分のDVD作品…

三宮で「幻想時計」

午後1時より、神戸・三宮の「千人代官」という料亭で、「幻想時計」の同人会をした。遅れたので息を切らせて駆けつけたら、もうすでに4人は集まって、ゆったりと酒や焼酎を飲んで歓談していた。4人とは、小説家で大阪文学学校の理事兼講師の木辺弘児さん…

「近代文学の終り」柄谷行人

久しぶりに本という本を読んだ。 2ヶ月ぶりぐらいで本を読んだことと、自分を突き動かすような本であったということでまさに久々なのだ。 近代文学が終わっても資本主義は終わらない。今の日本は知が消え、シニシズムとナイーブばかりが蔓延している。イロ…

寒い冬の夜

ペルーの出稼ぎ者が独りぼっちで暮らしていた。 冬が来て雨は暗い地面に落ち吸い込まれていく。 ある日、彼の心の中に悪魔が再訪した。 繰り返しやって来るあの殺生鬼だ 可愛い女の子は死んだままだ。 なんと哀しい声で泣くことか。 これからいろんなことを…

知らないうちに冬が

気がついてみると、もう12月になっていた。 知らないうちに冬が来た、という感じである。 冬が来たと言えば、「きっぱりと冬が来た」と書いた高村光太郎の詩を思い出す。「冬よ、僕に来い」等と書いていたなぁ。あの頃は冬が厳しかったのか、冬は冷厳なこ…