『幻在』 言葉の展覧会991

         人は一生涯のなかで少しだけの時間、星をみつめる



実は中心などではなかった
そこに在るばかりに幻想していただけのこと
だれもが自分は中心だとおもっているが
そんなものはまぼろし



         人は欲望を満たすために自ら忙しさをつくり動き回っている



それは回る岩のかたまりだった
あちこちに散らばっているありふれたものの一つにすぎない
さて、この広大な暗黒空間には見えない力がはたらいていたのだ
どんどん どんどん増え続ける暗黒エネルギー
加速して 膨張する巨大空間
やがて引き裂かれ ポッポッと爆発する岩のかたまり
飛び散る小さな小さな粒子



         人間というのは実に滑稽な存在だ



そして何もかも無くなって
空っぽに