『大きな迷走』 言葉の展覧会978

aiueokaki2010-12-10

かつて大きな迷走がありました
国民はみんな信じ込んでいたのです
ある人は地上波に乗せてあおり
またある人は口コミであおりました
人を巻き込み人に巻き込まれ
みんなは外眉をつりあげ、唇をキュッと結んで
迷走に囚われ執着し拘泥しました
人は自分の世界からだけしかものを見ることはできません
そしてみんなとうとう病気になったり争ったり死んでしまったりしたのです
残されたのは荒涼たる廃墟だけです



後でわかったことですが
そもそも迷走は最初から誤っていたのでした
だって迷いながらただただ走っていただけですから
信じ込み囚われてしまうというのは恐いものです
何人かの人がそれは間違っているよ、と真剣に言ったのですが
みんなその言葉に耳を貸しませんでした
今から思えばよくこんなのを信じていたなぁと実にこっけいで
・・・・・それに恐怖でした
多くの犠牲があったからです



2081年、70年後の未来からの報告です