2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

言葉の展覧会882

おもいおもいに ホワイトにイエローと少しのブルーを混ぜて ダークグリーンの上に載せている 浮き上がるさまざまな若きグリーン ところどころに淡いピンク 若葉にぼうっと 初恋のごとくういういしく あわくあわくけぶり 雨にしっとり なまなましくぬれる 山 …

『長谷川東等伯さんよ』言葉の展覧会881

長谷川東等伯さんよ あんたの作品を見に京都へ2時間程かけて行きましたんやが 平日なのでかんたんに見られるとおもとりましたが 入場待ち時間が2時間20分とはがっくりしましたんやが 前売り券持って何千人の長蛇の列の末尾に並びましたが 4月やというの…

『世論』 言葉の展覧会880

あぜまい いきしんる どすろうぼ とうる おきま さえまが はわし るない 熱 を帯び て 細 切 れ に 短く 宙 に浮い て ツウィッ ツウィッと 何 かを吐 き出 すよう に 落ち 着 きな く ただた だ熱 狂的につぶや くばかりで あるいはまた 名も知らさず がめ…

『初老男と少女』 言葉の展覧会879

項垂れた男は ふと暗雲を見るともなく見た みんな同じ空を仰いでいた頃が 妙に懐かしい 白く染まって少なくなった髪が冷たい風にゆれる 春だというのに 冬の体験を生かせないないまま 不信の中で 目指す模範を捜す男 喪失した大きな物語 消耗する「失われた…

『詩から遠く離れて』 言葉の展覧会878

詩から遠く離れて 倒れていました 4年程前に大きな波がありまして 景色がダークグレーに染まったのです 少女は怯えた目をして つっけんどんに言いました 「何もかも捨てられたらいいのに」 似合ってないのですよ 時代に しばらく疲れ果てて 新陳代謝ができ…

『うんうん唸る時期』 言葉の展覧会877

ズーーンと重く重く 怠く歪んで痛い 朝が起きられない 背中が肩が腰が頭が胃が腸が肝臓が なんとか起きてよぼよぼ歩いても 座っても僅かの食事をとっても まるで空き地に放置されている中古車になったように ガタガタギシギシ痛む 熱もあるようだ 何も考えら…

言葉の展覧会876

ああ解放されたとおもったのは最初の1週間だけだった 何千冊の本やモノの山と括り終えた何百冊の本や何十も袋詰めしたモノの山をながめながらふーっ と溜め息をつく 自由の身になったというのに なんたらかたら忙しい 過去40年間の片付けや整理と 将来に向…

『春うごく』言葉の展覧会875

しらぬまに春はうごいていた 新芽や花や虫や 若葉や鳥や たくさんの新しいものを連れて 春は色も連れてくる 遠い日の希望はひらひらと風に舞って 曇り空の彼方へ消えていく あの青さは何だったんだろう 春は時をうごかす 新しいって何だろう おそらく新しい…

『クラウド時代』言葉の展覧会874

追いつかないドタバタ ありえない わからない 意味をなさない そんなところで事は今 目に見えずに進行中だ 雲の上から黒船がこの月並みの国に 再び1世紀半ぶりにやって来て 静かな混乱が起こっている グーテンベルクの陳腐化とともに この世のしくみが変わ…

『だいにのじんせい』言葉の展覧会873

ぼくにはしがらみがなくなった なにもかもすっからかんになくなった あるとかんがえるといっぱいあるのだが ないとおもえばなーんにもないのだ それにしてもきょうもいいてんきで もうごがつのあたたかさだ きんじょのひとたちのこえと とりたちのこえがきこ…

『いぬのふぐり』 言葉の展覧会872

列島の土はまだまだ硬い しかし至る所に春の草 春の雨のうるおい このひとつかみほどの土にも 萌え出でて ちいさなちいさな信頼の碧い花が 春の嵐にゆれている あっ この小さな草にも 物語はあったのだ ■

『方向性』 言葉の展覧会871

他人事じゃないんですよ おもしろおかしく 受けがいいようにしないでください 失望に変えるのはおかしいんじゃありませんか はしゃぎすぎるお喋りと笑い声の他に 手だけが動く真冬の晩餐会 だってあなた 何か助けてあげましたか 育ててあげようとしましたか …

『ていねんたいしょく』 言葉の展覧会870

朝早く起きたので 朝刊を読んでから家族の朝食をつくった 家族を送り出してから ものだらけになっている部屋の整理を少しした まだ昨日までの職場のことを考えたのと 虚脱感があったので捗らなかった 今日から自由になれるんだな 学生に戻ったかのような 何…