2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『言葉さがし、あるいは言葉壊し』言葉の展覧会968

どん なだ さく ても くさ くて もお くれ てい ても か わい くな くて もむ かつ いて もわ らわ れて もあ しら われ ても わた しは 書く 朽 ちない 廃 れない 滅 びない 古 びてもまた 新 しくな る 未来にも神話よみ濃縮がえ浮遊る 寛ぎの免疫癒し寓話…

『Slave2010』 言葉の展覧会967

もうこんな仕事はイヤや 休み時間がとられへん 昨日は昼食すらとれへんた 今日はコンビニで朝買ってきた弁当をかき込んでいるだけ 仕事が終わってもぼく、仕事が遅いのでやり残しをやっとんねん もう深夜や みんな一人二人帰り今三人になってしもうた 口も聴…

『領土6』言葉の展覧会966

魚は自由にその海を泳ぎ 鳥は自由にその空を飛ぶ 魚や鳥は縄張りをもっているけれど もちすぎてはいない もたざるものもいっぱいいる 人間だってもたざるものがたくさんいる だが あまりにももちすぎた私たち もちすぎたばかりに世界は錯乱している もてない…

『領土5』 言葉の展覧会965

内ばかり見ていりゃ目が曇る 内のことだけ考えていちゃ自分が駄目になり害を撒き散らす 内のことばかり主張していると衝突が大きくなるばかり 正論を毅然と言っていりゃ楽なんだが 正論では事がうまく進まない 余計に危機をつくり出す そこで 大きく舵を切っ…

『孤の時代』 言葉の展覧会964

ここはどこだろう こまぎれの人間 こそくでコリコリ ここに篭もりっきり 孤育てに 孤独な孤ども こんな孤どもにしてしまったのは誰 こんなんな孤立の時代 こころも孤固露に ここらで 「孤のうた」でも歌おうか ♪ ●

『理不尽』 言葉の展覧会963

その男は銃を持って 玄関前に仁王立ちになっていた ついにやって来た この日が 先送りばかりしていたけれど まさか 私を撃とうとしているのだろうか おそらく・・・ 私は慌ててドアを閉め鍵をかけて言う 何か用ですか 何か 男は何も答えず 突っ立っている 気…

『ひとりよがり』 言葉の展覧会962

あっつあっつのごぼうとしいたけの炊き込みご飯に ゆずと赤い石榴の実を入れた千枚漬けとサケ、ゆで卵を食べ 昨夜のサケの酒粕鍋でつくった味噌汁をすする 妻を送って行ってからおいらは風呂の水を引いて洗濯機を回す ひとりよがりが頭から離れない ひとりよ…

『スピード社会』 言葉の展覧会961

急いで 急いで よりスピードを 速く速く0.1秒でも速く あまりにも急いできたので まわりの景色は何も見えなくなった 次第に目標すらも霞んでいく ただ自分のことだけしか見えず やがて自分すらも見えなくなった おい、ひとをけ落として走るなよ と「病のメデ…

『いい雨』 言葉の展覧会960

いいいいいいいいいいいいいいいい いいいいいいいいいいいいいいいい いいいいいいいいいいいいいいいい いいいいいいいいいいいいいいいい いいいいいいいいいいいいいいいい いいいいいいいいいいいいいいいい いいいいいいいいいいいいいいいい いいいい…

『長谷寺』言葉の展覧会959

黄と橙と赤と緑の 色の興宴 長谷寺はやさしく座っている 「いい天気ですなあ」 大きなカメラを持った老人が声をかけ追い抜いて行った ほんに快晴のあたたかな晩秋 ぼくらは長谷の紅葉詣での旅人 初瀬川はきらきらと流れ 俗世はひゅ〜んと青空に消えてゆく 仁…

『キャラ疲労』 言葉の展覧会958

キャラキャラキャラと キャラを演じる その笑いの中の孤独わずかな差異で いじられいじめられいじいじさせられ 天然の毒舌のお馬鹿の居場所をつくり 受けを受けを受けをと 欺きながら取り繕う 狭い閉じこめられた蛸壺のなか なんとか誰かとつながりたいと 幻…

『0.01ミリの微粒子』言葉の展覧会957

何を語るのだろう 小さな小さな砂粒 とおい遠い名残 生成する太陽の 地球の 火星の金星の月の 化石 秘められた 分裂の増殖のオスとメスの 生と死を繰り返す謎 そこには希望があった 生命という希望が もうとうに忘れてしまった 私たちの元 ***** 長い長…

『Jpopカルチャー』 言葉の展覧会956

こんな軽快なことはない 面白不気味な虚構に面白不気味な現実 続くよ続くよポストハルマゲドン 虚構と現実が仲良く肩組んで 楽しそうに並んでいるよ アウラの喪失なのかいベンヤミンさん セカイ系にバトルロワイヤル系 虚構の現実化に現実の虚構化 自己のホ…

『ある秋の日』言葉の展覧会955

畑仕事で汗をかいたので 昼風呂に入ってから酒を飲む ほんまに紅葉の山はきれいやなあ、と 見とれながらグィッ うこんがようけ取れたグィッ 今日は無礼講と言ってグィッ内向き志向は止めようやグィー 他者なんだよなあ必要なのは 「自分は他者なり」か いい…

『緑の大国』 言葉の展覧会954

細長く延々と続く緑の光景 その中に点在する都会という砂漠 人はそこに集中して暮らしている カネがカネを呼ぶと 目先のカネばかりに翻弄されて 見失ってしまった大事なもの 資源のない国ってほんとうだろうか 誰がそんなことを言いふらしたのだろう 砂漠に…

『石を食らった木』言葉の展覧会953

波がザブンドブン押し寄せる ジャブジャブ騒ぐテトラポットの間で眠ってた 長い間眠ってた 角が取れてまんまるく 石を咥えて眠ってた どこから来たのか 海で拾った芸術作品 いまはこうして私の家で 石を咥えて眠っている 葉をおい茂らせたあの時の 石を食ら…

『領土4』 言葉の展覧会952

日本と中国が取り合いの言説を吐き合っているとき 第3者の台湾が名乗り出た もともとは私たちのものだったのですよ ・・・・・だからさ、いったん領土摩擦を棚に上げて 話し合いの席に着いてみてはどうですか 長い友好の歴史を振り返ってみなよ カードだけ…

『六甲山』ー六甲ミーツ・アートー 言葉の展覧会951

大陸からやってきた黄色い砂が舞っていた 下界がかすむ 欲望もかすむ 緑の中に黄や橙や赤が混じっている 六甲枝垂れから眺めるおぼろな絶景 ドームはあたたかい憩いの場 空気が冷たい (一昨日、初氷がはったそうだ) ここは六甲山 田舎への帰り道 遠回りし…

『ざくろ』言葉の展覧会950

暑い熱い夏の想い出 あざやかな紅 優美なひと 忘れられない細い指の感触 棘のあるやさしかった言葉 あなたが好きでした ・・・ 今はもう秋 堅く厚い黄紅色のかわにつつまれて ねむる恋の秘密 詩人王安石の 女神ジュノーの 釈迦の ペルセポネーの 哀しく麗し…

『山里の星空の物語』 言葉の展覧会949

風呂をあがって 外に出て ひょいと上を見てみると みとれてしまったよ 夜空 すっきりあたりは澄んでいて なんとまあ 星がきれいに見えること すっかりご無沙汰 お星さん 満天の星! と、あの時のようではないけれど この夜空の星たちは あのときのままに 変…

『なまめく山』 言葉の展覧会948

からりと晴れた空で カラスがカアカア 雲がほわんと浮かんで 秋風があなたの頬をなぜて すこ〜し色めいてきたな 山 ●※おかき日記に詩を4編載せたので、さあ、これから畑を耕し、タマネギの苗植えにとりかかろう。

『領土3』 言葉の展覧会947

・・・・・ これは日本のものなんだ バカ言え 中国人のものだよ いや日本人のものだ だから問題は存在しない 日本人のくせに もっとはっきり言えよ 強く毅然として 卑怯なことをするな! 何言ってんだこれはもともと中国のもの 日本人は正しい!! 中国人の…

『領土2』 言葉の展覧会946

つきまとう「領土」という創作された土地 国というものの不治の病 病は狂気になって たちまち凶器に 国はローカルな集団で本質的に「私的」 と諭吉さんは言っている その内で政治家が語る「私的」な言葉 その役職に相応しい発言 たとえば首相 「枠組み」から…

『領土1』 言葉の展覧会945

これはおれのだ いや わしのだ 何を言う おれのだ バカ言うな わしのだ おれのだ!! わしのだ!! ・ ・ ・ ・ ・ ● 永遠に続くいざこざ あるいは 暴力(戦争)による解決 *

『国と国』言葉の展覧会944

こっちの国がミスをして あっちの国は空居丈高 そっちの国ものりこんで こっちの国はウロウロウロ なんにもないのに 冷静に力んでくそちびるこっちの国 なんにもないのに 声張り上げておけと成り上がりのあっちの国 なんにもないのに ちょっと唾をつけとけと…

『流れる』 言葉の展覧会943

流れる めまぐるしく いそがしく あっちもこっちも何もかも ここではおいらは立ち往生 流れる あちらからプスーッ こちらからプスーッ もれてもらしてブスブスに かくしておおってしまった 大事な情報もらし合戦 流れる ゆったり まったり 悠然と 大きな大き…

『箕面瀧道まるごと美術めぐり』言葉の展覧会942

からりと晴れ渡って少し肌寒い晩秋の午後 畳に木漏れ日が落ちて 街と森が溶けていく 水も木も駅も宿も土産物屋も病院も人々も 都市の生活や華やかさが切り取られ並べ替えられ貼り合わされ再構成して秩序をつくる そこから垣間見える記憶に眠る時間と空間が交…

『秋の日のヴィオロンの溜め息の』言葉の展覧会941

秋の 深い夜の 隣の家から聴こえる ヴィオロンの音 今宵の酔いと 湯煙に 混じりて ゆらゆらと 心ゆらめく せつな さよ と 溜め息 (深夜、風呂に入っていると、隣の家の娘が弾くバイオリンの音が聴こえてきた) ※ 遠いところからいろいろ雑音や不協和音が聞…

『門の少女』言葉の展覧会940

豪奢な大理石の門前に立つ可愛い少女 黄色いスカートと青い葉模様のシャツと靴 魅惑的な流し目で 僕の方を見つめている ふふ 私なにもかもこれからなの そう何も知らないんですもの ふふふ さあ こっちに来て 浮き浮きした僕はもうめろめろに いろんなことを…