2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧
それらは 夕暮れの鈍い光のなかで 少しずつ薄れゆく 波の記憶 砂粒の記憶 風の 樹の 花々の記憶 そんな記憶たちが 幾重にもかさなり 記憶の層は 薄れゆき やがて とおい夜のなかに ● ・
時代に流され 飲み込まれ もみくちゃにされる 営み だがまた 繰り返し この道に 朝日があたる * やはり、生き延びよう * ・
言葉は生まれ 死んでいく 言葉は変えられ 変わっていく 移ろう 千年前の言葉はあまり分らない 千年後の言葉もまた ちがったものになっていくだろう 移ろう なにからなにまで 言葉もどんどん 移ろう そんな移ろいゆく言葉を掬って じぶんの言葉を 選びだす ・…
わからない このさくひんがどうもわからないという わからなくてもいいとおもう 固有名も人称代名詞もカタカナもときに漢字も 無くなったとき それでも物語を語ることができるのだろうかと 黒田さんは問う できる 言葉はいつだって世や人生の意味として 変容…
書く気が薄れている 疲れも出てきた ベッド上の母の様態は あまり良くならない 何を思って 眠ってばかりいるのだろう 窓外では 濡れそぼった新緑が まぶしい 知らないあいだに 春もたけなわ * ・
うまい絵 きれいな絵 うつくしい絵 おもしろい絵は この世の中にゴマンとあるが すぐに飽きてしまう それはなぜだろう でも なかに微々っと こころに響いてくる絵があるそうだ ぼくはまだそんな絵に出会っていない 生涯、手元に置いておきたい絵に 会いたい…
ぼくは野原の石を じっと見続けていた いろんな綺麗な花が一面に咲いている にもかかわらず 石ばかりを 何かを見ることは 別の何かを見ないことであると あのひとが言っていた 素敵で美しい花を 見過ごしている 春 * ・
中国では 詩を作る人が 最も尊敬されているそうだ 日本では 詩を作る人は 尊敬というものには程遠いどころか おたく扱いされているようだ ・
小さな赤いお茶碗の上に 小さなピンクのおはしが 一本置かれていた 壊れたコンクリート溝の上 その坂の下に 鉄骨があちこち剥き出し がらん胴になった学校 その向こうに広がる更地と 瓦礫の山 2年前に見たその光景が ときどき夢にあらわれる もう決してもど…
みんなが、そうだそうだ、と言ったとき きみはそっぽを向く みんながそっぽを向いたとき きみはそっとなぐさめてくれる きみは 詩 ・
逃げる人がいれば 逃げない人がいる 逃げられない人も 逃げたいときがある 逃げたくない時がある 逃げたくても逃げられない時もある とにかく今は 逃げられない ・
どんなにひどいめにあっても どんなに荒れ果てようとも わが親がわが子が亡くなり こんなに打ちのめされ 毎日泣き暮らしても 忘れようにも忘れられなく こんなに悲しくても ここがわたしのふるさと 朝が来れば また陽が昇る ※今日はボランティア仲間と売布の…
その日が いつ来るのか 着実に必ずやってくるのだが まだ大丈夫だろう と時々おもったが ついに やってきた やってきた後は ほんとうに辛いものである だが 本人はスースー眠っている ・ ・
もうすでに散っていたとおもっていたのに まだ桜の花が残っていた 生きるのももういいという諦念と まだ生きようとする力が 互いにあらそっている ベッドの上の86歳の顔 「致命的です。身内をあつめてください」 と主治医に言われた言葉が離れず 私たち身…
母はもう4日前までの母ではなくなっていた また別の人 しかし 同じ母 ・ ・
暗闇の中から かん高く 母がいつもそうしたように ぼくの名前を呼ぶ声がして ハッと目覚めた その日、病院のベッドの上で母は 口元と目が少し笑った そして うっすらと涙 そっと ふいてあげる * ・
意識は戻らないのか お茶碗を見ると ゾウリを見ると 押し車を見ると 草引きのきれいな跡を見ると いろんなことを思い出して 頭の中がいっぱいになる あの元気だった あの頃の あの言葉 あの笑い 今はもう見られず 眠ったまま ● ・
ああ、もっと美味しいものを食べさせてあげたかった ああ、愚痴を言わなければよかった ああ、文句を言わなければよかった ただ救われるのは ぼくが愚痴や文句を言ったとき いつも あははははと 笑い飛ばしてくれたことだ そして 不味いもの どんな食事でも …
まだいけるとおもっていた まだ元気やとおもっていた まだまだだいじょうぶやとおもっていた ずっと続くものだとおもっていた それが 突然 絶たれた ● ※86歳の母、トイレで倒れ救急車で病院へ ・
内へ入り のぼる くだる そこには外から見えないものがある からだごと触れる 生命の息吹 芽吹く 厳しさ 初々しさ 外からとは全くちがった感触 山の胎内で 新たな発見 おどろき 春の山 ▲ ▲ ・
********* まち「宝塚」の夢 今年いっぱいでガーデンフィールズが廃園になるそうだ。また「宝塚」が薄くなっていくなあ、と溜め息がでる。ファミリーランド(その前は宝塚動物園)が無くなり、百ぐらいあった温泉が3軒になり、宝塚歌劇も梅田移転…
さぁ、どうでっか かっこいいお家でしょう もう近所のおっちゃんおばちゃんの人気の的 とんでもない家になったなあ せやけど、おもしろそうや 見せてぇー 変わったお家が 突然、お目見え 随所にこんなんがあったらおもろいやろな 見て楽しいお家 Street Gall…
あなたを待っていました ずっとずーっと待っていました いくつもの冬を越え いくつもの夏を過ごし いくつもの秋に涙し いくつもの春に出会い 長い長い時を経て あなたが現れるのを待っていました ところがあなたはまだ現れません そうわたしが生きている間は…
胸騒ぎのあとに 熱い珈琲を 湯気に混じったときめきの分子たち 還元され 融合し 閉じられた動機から 解放された展開へ 音も立てずに 空へ 春の空へ すっとんでいく □ ■
陽が落ちたが まだ明るい 畑仕事も一段落 見渡せば桜が満開 さて 花見をしよう 庭の椅子に腰をおろして 冷蔵庫からとってきた缶ビールを プシュッ!! 冷たい液体が喉に入る 色とりどりの花が目に入る 赤、黄、白、そしてピンクの 花が酒のあて と言いたいと…
もうすっかり忘れ去っていた 儚げな 郷愁 旅だったはずなのに また帰ってきた 友情なのか 点在する 白の 味わい 山奥に ひっそりと 生息していた けなげな木 春のこの日 あちこちに ぽっと 顔を出す 白い秘密 タムシバ ○ ・
おいらにはやりたいことがある 負けるものか 大地から天へまっしぐら 上へ上へと 筆が伸びる ぽかぽかとあったかな午前 花壇で草引きをしていると おや、こんなところに・・・ 道側の意外なところにつくしが土から顔を出していた 引いて食べるには少なくその…
流れる川 山から海へ 流れる心 わたしからあなたへ あなたからわたしへ 流れる時間 この世からあの世へ あの世からこの世へ ひらひら舞い散る花びら 移ろう時代 移ろう想い 森羅万象あらゆるものが流れる その流れのあわいに 浮かぶ花びら 〜〜〜〜〜〜〜〜…
まっさらな 4月 別れの涙 嬉しい出逢い 淡い恋 あのひととの あのときの あのおもいの よみがえる 心ときめく 桜 様々な想い出がまんかいに咲く 桜 青空に映え そよ風にたわむれ いま このときを 見てくださいと さく 桜 * ・ 今、見事に満開!! * ・ ※…