2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「おんぶ」言葉の展覧会497

たよりきってまかせきって あったかさがつたわる 親から子に 時間がつたわって 子から親に そして心がつたわって 人から人に せおい せおわれる おんぶという 人のつながり * ※そういえば最近、とんと「負ぶう人」(おんぶをしている人)を見なくなった・・…

「善悪人」 言葉の展覧会496

咲き始めた桜の花がかすかに揺らめく午後 春の雨がそぼ降っている 雨粒が出窓のガラスにくっついて 曇っていく 人間には善人と悪人がいる 善人が増えれば世の中はよくなっていく・・・ たしかにそれも一理あるだろう でも悪人の顔をしていない善人 善人面の…

「ほんとうの自分」 言葉の展覧会495

ほんとうの自分って ほんとうにあるの? ほんとうは 「ほんとうの自分」はつくり話 ほんとうにこれ幻想なんよ いやな 過去をリセットして ばかな 自分から脱却して 囚われの 自分から解放されて 新しい自分の物語をつくる 生まれ変わった 自分という新しいキ…

「送別会」言葉の展覧会494

最後には 飲んで愉しく別れましょう あのときはこうだったああだった よかったな おもしろかった 愉しかったよ いまとなっては よき思い出ばかり 今宵は 別れを惜しんで 別れを祝って 何もかも よかったよかったと 陽気に飲みましょう ・ ※一昨日は職場の送…

「ああ」 言葉の展覧会493

ああ と書いて中断したまま 3日が過ぎる ああ もうこのまま放っておこうか 書くネタもないし ああ ただ書くしかない ああ ・

「会議」言葉の展覧会492

ああだこうだ なんだかんだ うんだすんだ もう収拾がつかなくなって またもとにもどる ポジションを得るために 駒を並べるために 組織をつくるために ああだこうだ なんだかんだ おそろしく長い時間をかけて うんだすんだ みんな疲れて なんとか落ち着く所に…

「桜 のぞき穴」 言葉の展覧会491

朽ちた板にできた穴から こっそり覗いてみる 穴の向こうは薄暗く なんとも見えにくく 桜みたいな木があるようで ないようで 見ようとしても謎だけが残る なんともはや もどかしげな穴 ところが のぞき穴の向こうは 満開の桜と青い青い空 そして桜の木の下に…

「土と雨と私と」言葉の展覧会490

私と土 あまりにも腰が痛くなり 疲れもしたので 草の上で仰向けになって 屈めた腰を伸ばしてみた 大地はまだひんやりして 少し水分を含んでいる 土と私 土をたがやし 肥料をふる またたがやしてから 畝をつくる そこへ 半分に切り灰でまぶしたじゃがいもを …

「点」言葉の展覧会489

てん てんてん 点をうつ ひとつまたひとつ 限りなく点をうつ 点はひろがり 色が出る てん てんてん 点をうつ 点は面となり 大自然となり 人間模様となる てんてん てんは 生の形跡 ・ ※グループ展を明日からします。 <桜> by芸術環境計画「かまぼこ」&…

「言葉の贈り物」 言葉の展覧会488

かるくなげてかるくかえす とりかえてだしてひきかえて ひととひとのあいだを つなぐ ことばをおくり ことばをかえす そんなあいてがいるしあわせ きいてこたえて つたえてまじえて そんなやりとりがたのしくて いきのびてきたにんげん それがぎすぎすしだし…

言葉の展覧会487

あっ けらかんと 春がひらいて 強い風を連れてきた 厳かに 自転車をなぎ倒し 窓から侵入した風は カミを舞い上がらせる 青い空のキャンバスの中で 蕾がたじろいでいる *

「春の雨の幸せ」 言葉の展覧会486

乱れた机上 ガラス窓にくっつく無数の雨滴 その向こうに 雨にけぶる家並み さまざまな幸せに ひとつ咳がでる コーヒーを啜りながら 本のページを繰る 静かに雨音を 聴きながら *

「言葉」 言葉の展覧会485

それは消えてしまって跡形もない 記憶から排除されていたものがよみがえる 語られる自分の「他者の物語」 共同幻想の偽りの記憶 人生が一人歩きしている 語ることの困難さ だが 語ることによって癒されるのだ 未だかつて在ったことのない非在 最初から何もな…

「Hチジ」言葉の展覧会484

マスメディアを巧みに使って 非の打ち所なく 細かに きびしく険しく 相手の間違いを突く 正しさを振り回して 減点法の査定 こんなのではだめだ こんなのでは 正義の名の下に 欺瞞を隠し持った怠け者の 社員を鞭打つ 強者による弱者たちの支配 訓練訓練訓練 …

言葉の展覧会483

二つは同じものから生まれたのだが すこぶる仲がよくない 完全にねじれてしまっている 偏狭なNは全部横並びに均してしまうが ただ広がるだけのGは外と繋がるものと上のほうが得をする GによってNが喚起されるNの形成はGの結果である

「脱力のススメ」言葉の展覧会482

○○力 ××力 △△力 力、力、力 なんでそんなに力がいるの 「力」を設定してそれに向けてひたすら 力んで カッカきて カリカリして ほんまにたいへんやなぁ 力なんて必要なときだけでええやん えっ 今 何をするにしても「力」が必要 だれが力ばっかりを必要とせ…

言葉の展覧会481

朝陽が眩しくなってきた 重懈い身体を解きほぐそうと 窓を開けて深呼吸 仕事の疲れと 昨夜のアルコールを蒸発さすために 深く吸って大きく吐き出す 流れ込むさわやかな風 少しかるくなったような気分 そうか 春になったんだな さぁ、ちょっと仕事に出かけよ…

「遅い情報」言葉の展覧会480

それ、走れ! 走れ! 目の前に人参をぶら下げられて ひっぱたかれ 走れ! 走れ! より速く はやくはやくはやく じかんをあたえないで スピードスピード さぁ、消費を どんどん買って買いまくって それでこのしほんしゅぎたいせいがなりたっているのだから め…

「じ、ゆう」言葉の展覧会480

た、ようか、のほ。 うへい、くとお、もって。 いた。のに、 じゆ、うに、なれ、 ばなる。ほど。 きん、しつ、かのほ。 うに。む、かって、 いる。にん、 げんの。じ、ゆう。 なん、てこん、なも。の。 ・

「横見て暮らせ」言葉の展覧会479

下が見えない分からない 上が見えない分からない そして外がまったく見えない 見えるのは横ばかり 横しか見ない 横の 内だけしか見ない オレだけと違う なんで私だけが・・・ みんなで騒げば怖くない 蛸壺の 内輪が 世界のすべてだと思いこんでいる 大人、若…

「詩」言葉の展覧会478

「詩」は あの時代ではとても輝きに満ちていた あのひとが中也の詩が好きだと言ってから ぼくは片手に詩集を持って キャンバスを彷徨っていた あの頃 文学や政治がたいへん熱く ぼくの胸はふるえていた 何度も徹夜して語り合った下宿屋 真夜中に食べたギョー…

「消費社会」言葉の展覧会477

ポイポイポイポイ 使って 捨てて なんでもかんでも 使って 捨てて こんなのいらん ポイ もうけにならん ポイ 時間の無駄 ポイ どうでもええやん ポイ 何の意味があるねん ポイ もう古い ポイ 役にたたん ポイ ポイポイポイポイ 使って 捨てて なんでもかんで…

言葉の展覧会476

この職場では みんなマジメでせっせと はたらいているように見えるが 実はそうではないのです この職場では 静かではあるがみんな とんがっていて いらいらと苛立っているのです 内心は 目を血まなこにして 成果をさがしています 上ばかりを見て そして みん…

「初春の出会い」言葉の展覧会475

「おう、久しぶり」 ひょんなところで懐かしい顔に出会う ちっとも変わっていない 声の張りも 目の輝きも 「ちょっとふけたんちがう」 変わったのは少ししわが増えて髪が薄くなったこと ほんのわずかあたたかい日差しが感じられる 3月 のそっとつくしが土か…

「クレーマー」 言葉の展覧会474

ひゃ〜〜〜!! 街は悲鳴をあげている ときに病院に患者として ときに学校に保護者として ときにデパートに客として いまクレーマーが増殖しつつある ぞろぞろぞろぞろ ひゃ〜〜〜!! 自分の非は一切言わず 相手の落ち度を一方的に 揚げ足をとりながら まく…

「投げやり」言葉の展覧会473

ときどき エイッ と投げ出したくなるときがある エイッ こんな馬鹿げた仕事!! エイッ こんなイヤな人間関係!! エイッ こんなつらい人生!! 何を思っても何を考えても どう行動してもマイナスに 悲観は悲観を呼び尾をひかん こんな日は大酒をくらって寝…

「みかん」言葉の展覧会472

お通夜帰り しみじみとあじわう 弥生蜜柑 未完のままの 蜜柑 一袋ずつ口に入れると ひろがる夕焼けの味 いぶくろにしみいる まっかなゆうやけ この肌触りこの冷たさ 親密なるみかんとわたし 別れを惜しんで 両手でつつむ やわらかきみかん ・

「世論調査」言葉の展覧会471

わたしは「将来不安70%」です わたしはこれまで浮気性でした でも最近考えが変わったのです こんなことではえらいことになってしまう と先のことを考え出したからです 「年金、医療崩壊」は生活への脅威なのです わたしが将来こんな姿かたちにしてほしい…

「真夜中の洗濯物干し」言葉の展覧会470

真夜中に洗濯物を干すときがある 冬の寒い日は タオルやシャツは冷たい 指が痛く硬く まるで他人の手のようだ 今夜も 仕事から帰ってきて真っ先に 暗いベランダで 洗濯物を取り入れ 次の洗濯物を干した なんだか今宵は楽しかった 手の冷たさも無くなり 夜の…

「惑星X」言葉の展覧会469

真っ暗な おそろしいほどの巨大空間 1千億の銀河系 そのひとつの銀河系のなかの2千億の恒星 そのひとつの太陽系 どこまでもどこまでも続く時間 千年もかけて ゆっくりゆっくりと 太陽のまわりを一周する さいはての惑星X だれからも気付かれなかった だれ…