2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『詩人の留守』言葉の展覧会1589

どこへいったんだろう 眠ってしまったのか 逃げて行ったのか どこか旅にでたのだろうか あるいは死んでしまったか ・・・・・ 戸惑い 思案し 捜し回る 春の野原 ぼくの内の 強張った言葉をかき消すような 鶯の鳴き声 混ざる子どもたちの声 春の陽気 のため …

『水仙』言葉の展覧会1588

けっきょく自分が好きなのよ だから私のもとへ帰って おねがい、愛に応えて と、白くうぬぼれる 春が扉の向こうに待っているというのに 引きこもったまま 気付かない 自己愛 ○ ※「水仙」の花ことばより ・

『ホトケノザの花』言葉の展覧会1587

お久しぶりです あなたとはずいぶん長い間 遠く離れていましたね あのとき あなたは壁に突き当たってからは 窶れ 見る影も無くなっていました 破れた地図を見ながら 何をする元気も無くなり 頼るものも無い どうしたらいいのか さ迷い歩いていました・・・ …

『等閑のギター』言葉の展覧会1586

ギターの弾き語りを聴いた夜 ぼくはもう何か月もほこりをかぶっている ギターを弾こうとしたら 弦が切れていた しばらく遠ざかり なおざりにしているとこんなことになるんだろう なにごとも ・ ・ ・

『春の雨』言葉の展覧会1585

しとしと降っていた雨が 本降りになった あー、花びらが散ったと人はきらうが 草や木はおおよろこび あすへ あすへと いのちをつなぎ 賛歌する * ・

『植える』言葉の展覧会1584

情報じゃなく 畑の土を掘る 都会の喧騒じゃなく 田舎の静けさに身を浸す かろやかに鍬で土を掘り返して けいふんを施し 芽が出ているところを上にして 植える 食を 土をかぶせて 待つ 明日の新芽を ※今日は一日かかってジャガイモを植えた。母が半分に切って…

『春を食べる』言葉の展覧会1583

緑とともに 赤やオレンジや紫や黄や白が混ざる 色とりどりの春の 花サラダ 目で食べる 隣りの皿では ウド、つくし、こごみ、ミョウガ、菜の花 春キャベツ、ごぼう、シシ肉のパスタ 香りをかぎながら 春を食べる もう身体中が春でいっぱい * 今日の昼食は、…

『いちにちいちぜん』言葉の展覧会1582

いちにちいちぜん と今日の法事で坊さんが語った なるほど なにぶん善きことなんぞ考えなかった昨今 いい言葉に巡り合った 一日一善 この言葉の前にこう付けよう 「どんな嫌なことがあっても」一日一善 どんなに辛くても 苦しくても一日一善 坊さんに聞いた…

『返事』言葉の展覧会1581

この世に贈られてきた 生 みどりの 花の 石の 星空の あなたの 私の いつか ありがとう と 宇宙に返事をしたため さざなみにのせて とどける 喜びの 詩 * ・

『人類の憂鬱』言葉の展覧会1580

「人類の憂鬱」は首をかしげていた たあいなく ばかばかしく のさばり わがもの顔 ここらで月を待つ やがて 時は夜を連れてきた 「人類の憂鬱」はぶるぶるっと おおきくみぶるいして 月の杯に乗り 彼方に移ってしまった また違ったものになって 残された 夜…

『春山』言葉の展覧会1579

刻々と息づく山 山を 春がかけめぐっている 目を見張る 若緑、薄ぴんく、そして白が混じる 若芽若葉の勢い あわただしさからのがれて ひさかたぶりに山を見る ・ ※15日よりできてなかったぶん、7つ詩を作って載せる自己満足。あー、こんなんでええんやろ…

『梅の花』言葉の展覧会1578

少し赤らんで 恥じらいがちに 流し目で うふふ と なやましく ゆれながら 誘い惑わす 梅の花 * *

『春の夜の月桂樹』言葉の展覧会1577

樹の上に 三日月の杯 取ろうとすると 手がぶれ 身体がぶれ 重なる 月 月桂樹 美しいダフネの 生まれ変わり 栄え 光る 冠 幸福の樹の 香りが のぼる 恋い焦がれるひとへと ・

『月桂樹にかかる月』言葉の展覧会1576

なんともいえない 匂いをはなって 身を切らせてくれた月桂樹 さかづきのような三日月がかかる 月のかんむり 幸福の杯 月桂樹 恋いこがれた女の 生まれ変わり えもいわれぬ香りが 月へ のぼる ○ ■

『無題』言葉の展覧会1575

輪郭がおぼろすぎて はっきりわからない 言葉が逃げる 以前の沈黙 定まらぬ宙空 にぶい光 ○ ・ ・

『春の迷子』言葉の展覧会1574

晴れて太陽が出ているようだが 青空が見えない 春霞 なのか黄砂なのか 深刻なような どうでもいいような 長閑な午前 迷子になって街を歩く 彷徨いながら 短い時間と長い時間をおもってみる すれちがう 俯いた人 まっすぐにしか歩けない人 上を向いてにこやか…

『雑草』言葉の展覧会1573

こんなとこにも 雑草が見事に 花を咲かしとる まだ人間やめんとこ *

『初春、山を観る』言葉の展覧会1572

風が強い 枝が揺れ曲がり葉たちが靡く ちいさなちいさな粉や砂が吹き飛ばされ 衣服に混じる そんな冷たく見えない不安など まったく気にしない とにかく 春が入りこんだ ひそむ 初々しい息吹 いまかいまかと出番を待って はいいろ空の下 ちゃいろにふかみど…

『意味する存在』言葉の展覧会1571

これがあるから生きていける のでは 生き残っていける のでは + 意味を見いだし 意味をつくり 意味にかかわる + 意味がないのに 意味をつくる 意味がないことを 意味にする おかしな存在 人間 + 意味することは 生きること この地球上で 意味を見いだす …

『雑草生力』言葉の展覧会1570

生えるわ生えるわ 踏まれても引かれても 枯れても とんちゃくなく 次から次へと生えて ・ 瓦礫が無くなった更地に生える雑草 土から出た人形の手を取り巻く雑草 誰もいない崩れた校舎をおおう雑草 取り除いた草木や土が詰められた袋の下にも雑草 何もかも失…

『2年目の3.11』言葉の展覧会1569

あのときから2年目 ではない まだつづく2年目です 時間が止まってしまった所もあります 当事者だけの問題ではありません ましてや岩手や宮城、福島だけの問題でもありません ・ 再出発した人がいれば 未だ立ち上がれない人もいます よくなりつつあるところ…

『涙はなんぼあったってたりねえ』言葉の展覧会1568

思い出したくねえし なきたくもねえ 何も考えねえようにしてる・・・ ・・・ あの津波で子もその嫁も 孫二人も みんな失くしてしまった 取り残された人のいないわが家 帰ることもできねえ ・・・ 2年経ったが 何も変わらない いざ忘れようたって 今も子や孫…

『かたち』言葉の展覧会1568

怒ったような不貞腐されたような にらんでいるような め 捻くれたような くち すっとんきょうな かお ・・・ どうしても目はとらえてしまう 脳は生理的に感応する ひとの かおの めの くちの かたち やまや かわや きや はなや さいぼうや どうぶつの かたち…

『なやましい大根』言葉の展覧会1567

土から スポッと抜いたら キャーッ しろくて なやましい姿の 大根 ・

『初春、朝。』言葉の展覧会1566

朝の戸を開けてしまった どうも歩足が鈍い 迷い迷い とまることなく 夢への飛躍 朝日 雲が笑う あれよあれよの北の悲しみと 雲間よぎる一羽の鳥 一直線 南への 切開される空 光はねる 白 今の日へのいろどり 東から西へ 二羽 ひょんと遠くをながめ くぐもり…

『霜乗り野菜サラダ』言葉の展覧会1565 ★元永定正展

つめたくって こり こり 美味しい!! 朝とれとれの むのうやく霜乗り野菜サラダ 日中はあったかいのに今朝も霜が降りていた。 朝食をつくるために畑に行くと、 野菜には霜がかかっている。 そこでアイデア 霜乗り野菜サラダ 老母といっしょに朝めしづくり。…

『沈黙したままの春』言葉の展覧会1564

よゆうがない 考える時間も心も 自分の、身内の、目先の関心と心配だけで せいいっぱいだ よゆうがない 「限界」や「破滅」があるというのに 成長をつづけたいとおもう人の多いこと 何十年先にはこうなると わかっていながら考えない よゆうがない 半世紀前…

『マスク』言葉の展覧会1563

ゆううつなる春 大陸をおおう毒の霧 まちを包み ひとを蝕む ゆううつなる春 列島に飛来する 大陸からの黄色い砂と 小さな小さな汚染物質 ある地ではいまだに立ち込める見えない恐怖 列島の花の粉もくわわって 春に暗い影 モノがあふれるようになった列島に …

『どこも子ども みな詩人』言葉の展覧会1562

無知だけれど無垢 単純だけれど純粋 未熟だけれど実宿 どこも子ども みな詩人 原初のヒトを内に持ち 野蛮だけれど野生 残酷だけれど懺告 どこも子ども みな詩人 大人の鏡だけれど 鏡をにらむ 割ることだって 歪んでも直せるパワーと 他者と共に歩めるやさし…

『初春、乱高下』言葉の展覧会1561

ちらり ほらり 雪がちらつく とおもえば さらさらさらと あたりいちめんの雪 かとおもえば 陽がさし 周囲がぱっと明るくなり 青空がのぞいて 急に小鳥たちが鳴き交わす ほんの数分間のできごと そしてまた、またまた繰り返す 空模様 この変化はめまぐるしい …