『枯葉たち』 言葉の展覧会988

aiueokaki2010-12-20


『枯葉たち』

枯葉がよりあつまって
にぎやかだ
木から落ちてよろこんでいるのか
かさなりあって
うっとり
冬の雨にぬれて
しっとり
穴があいたり曲がったりしているけれど
のんびりと
冬の日を過ごしている
やがて
土に帰る日を夢見ながら

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悪戦苦闘していた主戦場から退場してしまって、肩の荷がスーッと下り、いまのんびりと自分なりの毎日を過ごしている。遠ざかっていた詩も戻ってきて充足した日々だ。どこか遠いところへ行きたいけれど、金があまりないので止めている。海外旅行とやらに行ったのは、新婚旅行時のグアムだけだ。沖縄にも行っていない。
もっと、何もかもパーッと捨てちまいたいけど、捨てられないものもある。
食って飲んで寝るところがあり、見て読んでつくって書いて、ときたま気のあった友と語り合うことができれば、このうえない幸せだ。身体は少しずつガタがきているが、今のところ満足である。いきなり死が戸をたたいたら、身近な他者なら悲しみ、自分なら戸惑い苦しむだろうけど、まあ、しようがないか。世の森羅万象は、やがて早い遅いはあれ、無くなってしまうんだという諦念というか無常観というかそんな自覚があればなんだってやっていけそうだ。60歳、還暦。
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