『災いの間』言葉の展覧会1473

巨大な災いは去った
無残な断層を走らせ
ぐじゃぐじゃにひっ掻きまわされた足跡を残して
まるで何も無かったかのように
空はすっきり青く海は穏やかだ
ぷかぷか浮かぶ不条理と
無慈悲の残骸
放置されたモノの記憶の
瓦礫山
忘却の彼方に追いやられそうな
見えない無口な恐怖・・・
何か
根本的なものを欠いたまま日常に舞い戻っている
騒がしい世相の
がらんどうのなかで
失った多くのものと
微々たる心の変容と
喪失した迷子の言葉が
残余として
明日へつながっている
次の災いを想いながら



ぼうや、あったかいぼうしをだいじにね