『すれちがい』 No.3660

山道で髪が長く とてもきれいなひとに出逢った
少しぼくの前で立ち止まり 

澄みわたった泉のような瞳で若い彼女はぼくを数秒間みつめた 

懐かしい人を見るように・・・・・

でもぼくは
「こんにちは」と挨拶をしただけで
彼女と話しかけることもなしに
去ってしまった
ぼくは初(うぶ)で口下手で若過ぎた

 

あのとき、彼女に他にも何か言葉をかけていたら
運命は変わり 今とは違った道を歩んでいたかもしれない

 

人生の中ですれちがいは何度かある
後になって いつも思う
あのとき
勇気を出して もう少し話しかけていたら・・・