『かなしい断片』 No.3657

みえないんだよ
みたいけど みえない
きみはどこかにひそんで
わたしをまちかまえている
    *
いまきみが せまいへやのなかで
うつうつとしているとき
ぼくはコーヒーをのみながら のんびり
小説をよんでいる
    *
ああ、あのとき とびでた感情を
ひっこめてしまうべきだった
いまあるのは、どうにもならない宝物
からっぽの 
    *
生きることってかなしいね
どうしようもないヒトが息をしている