『私のノート』 No.3659

私はこれまで何冊もノートを書いてきた
数十冊・・・ いまどこに置いているのやら
もうすっかり忘却の彼方にあるノートばかり
ただのモノとして押し入れや書斎等の奥の片隅に居座っている

 

私のノートは私だけのノート
日々の思いを殴り書き、吐きだす
文字はひょろひょろ曲がりくねり
ときに荒々しく跳ねる

 

私の愉しみの一つは書くこと
ただ書き連ねること
ある日突然、書いた形跡をほほうっと眺めること

 

あのときの私 生きて来た歴史 記憶の重なり
捨ててきてしまったコトの葉 すっかり忘れてしまったコトの根 
こころの奥のほうに鎮座して 居心地よく眠る私だけのコトバ

 

いつかノートは灰となって霧散する