『初春、山を観る』言葉の展覧会1572

風が強い
枝が揺れ曲がり葉たちが靡く
ちいさなちいさな粉や砂が吹き飛ばされ
衣服に混じる



そんな冷たく見えない不安など
まったく気にしない



とにかく
春が入りこんだ
ひそむ
初々しい息吹
いまかいまかと出番を待って



はいいろ空の下
ちゃいろにふかみどり
いまにも表われ出でようとするしろ
きみどり



昨日より少し白くなったようだ
やがて
はしゃぎ動きまわる人を塗りつぶす
黄緑の
淡くけぶる
デンとそこに在て
待つ