『スピード社会』 言葉の展覧会９６１

急いで
急いで
よりスピードを
速く速く0.1秒でも速く

あまりにも急いできたので
まわりの景色は何も見えなくなった
次第に目標すらも霞んでいく
ただ自分のことだけしか見えず
やがて自分すらも見えなくなった

おい、ひとをけ落として走るなよ
と「病のメディア」は騒ぎ立てる
いったい何のために走っているの
「経済停滞」は頭を抱える
いつからこんなくにになってしまったの
と「思考停止の政治家」は問う
世界中が競争するようになったので
みんな同じ価値観で動きそれだけ視野が狭くなり
お互い摩擦を起こし　未来が見えずおたおたしているのさ
「余裕のない不安社会」はイライラして答える
「漠たる虚無」は冷ややかに笑いながら聞いていた

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