2010-11-21 『長谷寺』言葉の展覧会959 黄と橙と赤と緑の 色の興宴 長谷寺はやさしく座っている 「いい天気ですなあ」 大きなカメラを持った老人が声をかけ追い抜いて行った ほんに快晴のあたたかな晩秋 ぼくらは長谷の紅葉詣での旅人 初瀬川はきらきらと流れ 俗世はひゅ〜んと青空に消えてゆく 仁王門を越え登廊を渡り 本堂の舞台で藤原定家や紀貫之、松尾芭蕉とおもいを共に あるいは紫式部や清少納言になって 気分はもうすっかり平安貴族 ちょっと遅れた昼食 よもぎうどんに柿の葉寿し ああおなかもこころもみたされた 帰りは妻と二人で草もちを分け合いながら もみじの赤い葉っぱ三まいを持って 一年で珍しくこの駅にとまる近鉄急行に乗った * ●