『雨上がりの靄』 言葉の展覧会1078

ひとしきり雨が降り続いた後
靄が辺りにたちこめている
途方に暮れるほど
うっとうしい天気だ
断続的に嫌な夢をみる
ほろびに向かっているのだろうか
こんな危機の時にあっても
我が踊り 欲が争い合っている
深い靄からぬっと顔を出すやり場のない怒り
世界はみじめでちっぽけだ
愚かさだけが際だって
滅びに向かっている
何ができて何ができないのか
風がもたもた
    いらいらと吹いている
靄はいっこうに晴れない
もうこつこつと歩み出している時なのに
新しい言葉は失われたままだ
未だ目先の欲望に縛られたままそれを解き放つ術を知らない
くだらぬ枠組みをつくっているのは自分たちだ
    自分たちで選んできたものは
       自分たちで引き受けるしかない


しっかり前を見るときだ
悲しみを乗り越えて
私たちはどんな生き方を選ぶのか