『ときはなつ 1』 No.3642

解き放つ 時、放つ ときはなつ 時は、夏 パシャパシャ 小川に入る逃げる魚たち もぐるカニ 貝殻を閉じる貝寝そべるカメ 飛び交うツバメ子どもたちは大声で 水をかけ合うはしゃぐぼく 笑う山 おどろく雲吸い込まれる蒼い碧い空 出会うあの日のぼくに出会う無…

『ときはなつ 2』 No.3641

時は夏恋に恋するわたし私は少女おとめは森の泉の中水面に輝く太陽 そっと指をひたす と ゆれ散らばる光キラキラ キラキラ映って 写って 輝くひ と みかがやくわたし青い青い夏 濃く茂る青春 あっあそこから初心(うぶ)な少年が チラッと まばゆくわたしを…

『桜くるい 咲き』 No.3640

桜が咲き始めたようだへぇ、きみとこはもう全開ぼくんとこは二分咲き 雨が降りかかるめっぽうきついきつい働くのが無くなった人,人急増 街に溢れ出ようと・・・きつい今宵は賑わい消え ゴーストタウンが あちこちにかつて かつてあんなに華やかだった所がも…

『第3次世界大戦』 No.3639

今、世界中で戦いが起こっているヒトとヒトの戦争から ヒトとウィルスの戦いへ 世界大戦というよりも、地球大戦と言った方がそのうちスターウォーズも近づいてくるかも こんな時だから ぼくは田舎でゆったり里山を歩いたり、読書をしたりそして近所の人たち…

『URA』 No.3638

悠々に(うらうらに)静まる春日に表を見せ裏を見せながらそっと落ちて空にふ~んわり 浮かぶURA池に少し手を入れるとふわんとひろがる水輪緑木も青空もゆれる きみもあなたもあのひとも陽気にはしゃぐURA 長閑な里山のなかの泉シーンと静まりかえって別れの…

『深秘』 No.3637

冥土にゆくものあっけないかなしみをして灰にもどるだれもが通る道 私もいずれまた 常ならざる世界在りし日 こころゆらゆらふっと垣間見る今と永遠のつながり無の安寧 常なる世界おもいがゆらいでいる またどこか とほいところから生まれようとするもの ・ ・

『とほいところへ』 No.3636

死に顔は仏さんのようだった 眠っているときに おだやかに息をひきとられましたよと看護師さん あの時から ものも言えず立って歩くこともできなかったけれどベッド上で 車椅子で 話しかけるといつも ニコッと笑ってくれた 愚痴ひとつ言わず下半身不随の父の…

『・・・』 No.3635

いま母は寝たっきり ほとんど目も開けない食事もとらないのでかなり弱っている来月で93歳しんどいだろうな ベッドの横から 手を握ると少し反応母の指がぼくの手をなでるように すこしだけうごくかすかな指のやりとり手の対話母はわずか目を開けぼくのほう…

『最果死をおもいて』 No.3634

眠っていたのに起きていた ぐっすり浜辺の砂のあたたかさ海はかなしいふるさと寄せては返す波 波 波間に挟まった幸せそんなのあるのか でなく やはり はちゃ めちゃな そう 像力 とび ふわふわ飛び回りぼくの頭上で舞っているソウゾウは 想像と創造なのと ぽ…

『すれちがいざま』 No.3633

話す必要はないひと目見ればわかる ひととひととの深いふかいつながりの 底を流れるものあっ このひとと通じているその不可思議な出会い わかるものどうしはわかる一瞬のうちに心と心が通じ わかりあえる でもそんないっしゅんのふしぎなじかんもすぐおわる…

『ささいなとき 運命』 No.3632

いやでいやで はやくここからたいさんしたいときがあるいごこちよくてすてき いつまでもここにいたいときがある 今日、私のなかでちっちゃな蕾がみつかった なんでもないささいなことをほっぽりだしてきたつけは かえさなければ 日常の中でフツフツと良いエ…

『冬の夜、風強く』 No.3631

いったいわたしは何をしているの何をしてきたのわたしって何なの なぜかわからないどうしてこうなってしまうのかある日ある時こんなわからぬおもいがわたしをくるしめる おもいがけず涙がとめどなく流れる 外は強い風が吹いて戸をガタガタいわせている ・ ・

『断片』 No.3630

眠れぬ夜*ああ、昨夜は離れていたかなりの距離遠くから声をかけあっていたような*この地がいやとか人がいやとか業がいやとか 鬱になったとか*おかしな天気がつづく晴れだとおもえば雨雨がふっていたかとおもうと急に晴れだした冬なのに春のあたたかさで大…

『里山草刈り』 No.3628

里山で まる二日 草を刈るウィーン ウィーン里山づくり(保全)は、1に草刈り、2に草刈り、3に草刈りですと里山づくりのけんいハットリせんせいの言葉 刈っても刈ってもすぐまた生えてくる草でも、草というよりも笹刈り 笹を刈るウィーン ウィーン笹を刈…

『二断片』 No.3627

*一生懸命みんなで取り組んできたのに むくわれなかった 知らされた時 みんな茫然と立ち竦んでいるじっと下を向いたり 涙を流すものも なるっきゃないさ、と言いつつ協働してやって来たことが崩れぬように 歯を食いしばって *どうやった?、とぼくのからだ…

『運命』 No.3629

運命はやってくるものじゃないだろう運命を待つのではないやはり運命はこちらから向かって行くものだろう運命をつくる 良いエネルギーがたまればたまるほど運命も良く高まる運命を選んで創る じゃ、もう少し つついてやろう運命をそれ、コツン ・ ・

『波の富士山』 No.3626

押し寄せては引いて行く波飛び散るしぶき寒さの中でときに荒々しく ときにいたいたしくその向こうに うるわしく 柔和な富士山 ・ ・

『あいいろのかけら』 No.3625

そっとかけらをくれたあい色のかけら手のひらにつつむにぎるにぎりしめる じゃべつべつの家路へ帰るまたあしたすこしひらいた手のひらにある愛色のかけらふたたびにぎりしめる ・ ・

『ひので』 No.3624

ほんのりそらのあたたかないろがつつむなかにふちがほのしろくたなびく くもうかぶ たいへいようのすいへんせんそこからゆっくりゆっくりかおをだす おひさま ・

『きまぐれ』 No.3623

ねむりのふとんなかにそろりとはいってくるあったかくていごこちよくていいおんがくをかなでるゆめうつつのままによりそいだきあってねるぐるぐるぐる しばらくしてあったまりすぎると ぷぃっとでてゆく ・ ・ ・

『歩く』 No.3622

歩くひとつの道を歩くまっすぐ歩いておれまがって こんどは坂道をのぼる 急な上り坂つらい 息はハァ ハァーッ頂上はもう少し がんばって とうとう下り坂足速にくだる そんなに急がなくてもあっ こけた 歩くわたしの人生を歩くでこぼこ道だけれど あれから周…

『希・望』 No.3621

会いたいあなたをおもうと心底からあたたかくなるわたしの人生をかがやかしてくれるまだ見ぬまことの言葉 会いたいつらくてしんどいときかなしいときふっと出てきてよりよいはげましてくれるそしていつのまにか たのしいこころに変換してくれる奥にひそんで…

『生の明かり』 No.3620

石に灯すほのかな明かり 死者の記憶死者への哀悼、祈り 再生の生生きる生きている証の明かり灯る生のほんわりとしたよろこびと永遠の問いと生きるとはどんなこと? 灯りがゆれ 石がゆれ生がゆれるどんなことがあってもとにかく 生きることだ ※前夜、宝塚南口…

『ちいさな学校』 No.3618

都会からすぐ近くにある里山の ちいさな 学校となりあわせの小学校と中学校、それに幼稚園ここで子どもたちは猫を飼っていた白黒の迷い猫小学生たちはパンダ 中学生たちはロロと名付けてみんなだいじにそだてていた子どもだけでなく学校にはたらくいろんな先…

『薬よりもよく効く詩』 No.3617

もうどん底に落ち込んでもがき苦しんでいるときひゅーんと飛んできてひょんと肩にとまるいっしょに苦しんであげるね なんだかやるせなくってむしょうにかなしいときかなしいんだねひゅーん ひょんああ、・・・かなしいんだねこころの奥にひそんでいたかなし…

『生まれてこなければよかったとおもっているひとへ』 No.3616

おさないころにいたくきずついたひとはつらいこころがつらいいきるのがつらい 「あんたなんか生まれてこなければよかった」と母からいわれてそだってきたひとはつらい つらいつらい うらみとおんねんをかかえたままおとなになっているひとはつねにすてみにな…

『旅の途上(1)』 No.3615

よれよれの服を着たみすぼらしい男がとぼりとぼり歩いている今日は七つの山を越えて来たそうな都会の喧騒の中を潜り 裏通りに入り海辺に出て 砂浜を足跡をつけながら走るすぐに波は跡をさらう男は痛んだ足をさすりながらまた山を越え山に囲まれて田畑がひろ…

『お雑煮』 No.3614

幼いころから家を出るまで ずっと食べてきたあなたのお雑煮を ぼくはいただくカツオ出汁の味噌汁に サトイモ、ダイコン、ニンジンそこにおもちを入れたシンプルな味 鰹節を最後にいれて 年始に食べる 一椀のなかにとけこんだ あなたのからだの風土里山の麓の…

『お雑煮』 No.3614

幼いころから家を出るまで ずっと食べてきたあなたのお雑煮を ぼくはいただくカツオ出汁の味噌汁に サトイモ、ダイコン、ニンジンそこにおもちを入れたシンプルな味 鰹節を最後にいれて 年始に食べる 一椀のなかにとけこんだ あなたのからだの風土里山の麓の…