『桜くるい 咲き』 No.3640
桜が咲き始めた
ようだ
へぇ、きみとこはもう全開
ぼくんとこは二分咲き
雨が降りかかる
めっぽうきつい
きつい
働くのが無くなった人,人急増
街に溢れ出ようと・・・きつい
今宵は賑わい消え ゴーストタウンが あちこちに
かつて かつてあんなに華やかだった所が
もうそこには人はいなくなってしまった だれも
いない どうしたことか
どうすればいいのかおいらたち 未来の都市
これはたたかい ウィルスとの
いやいや いや自分といのたたかい なの
か
ホラ、白い骨が見えるよ
これはヒトという生き物の骨だったんだ
それにしても雨
桜に強く降りかかる
桜の木の下に真っ白な骨が埋まって
ああ、ヒト科のヒトなんてどこがよかったんだろう
愚か 愚かな動物 朝三暮四のサル
ああ、木の上に上っていればよかったんだよサル
木から降りて来たばかりに
共感が身につきだし・・・
いいことじゃないか とてもとっても
おまえとおれ あんたもあたいも
助け合わなければならない本質なんだ
それがなんだ背いてばかりで おい、おいおいおい
桜が散る
まだ十分に咲いていないのに
花びらがいちまいにまい
ながれてゆく ゆらゆら
ゆ~んらゆら かなたへ彼方へ
それにしてもウィルスは最強だ
何十億年からずっとずーーっとヒトよりずっと
長く生き延びて来たんだから
生き延びる?!
生きながらえるとの違いは?
あー、今日は紙布のゴミの日だった
もう外は明るんでいる
おお、桜が三分咲きに
はてさて ここはあたいの家だったか
あんたの おれの わたしの ぼくの
家、家、いえ、イエー
桜が咲き出した 散りながら咲き出した
時間が行ったり来たり
解き放て! 心心 こころ
何もかも無くしても これだけは大切に
た い せ つに 心
暮らしていこう 桜とあたいと
桜と と とととと
しとしとしと雨が降る
しっとりさくらうるおって
雨が止んだようだ