『とほいところへ』 No.3636

死に顔は仏さんのようだった

 

眠っているときに おだやかに
息をひきとられましたよ
と看護師さん

 

あの時から ものも言えず
立って歩くこともできなかったけれど
ベッド上で 車椅子で 話しかけると
いつも ニコッと笑ってくれた

 

愚痴ひとつ言わず
下半身不随の父の食事を
お風呂入れを しもの世話を
40年間やってきた

今日、93歳で大往生

 

大勢の施設の方々に見送られて
とほいところへ
旅立つ