『最果死をおもいて』 No.3634

眠っていたのに
起きていた

 

ぐっすり
浜辺の砂のあたたかさ
海はかなしいふるさと
寄せては返す波 波  波
間に挟まった幸せ
そんなのあるのか
でなく   やはり
  はちゃ めちゃな そう 像力 とび
    ふわふわ飛び回り
ぼくの頭上で舞っている
ソウゾウは 想像と創造なのと ぽつり
彼女が言った言葉が 踊りくるう
やがて最果てまで飛んで行って
死ぬの
死ぬ


詩のよろこび
 

久しぶりの森
鹿がぐっすり眠っている

ここはどこだ どこだ
どこだ ここは宇宙の果てなの 果ててまた戻ってくるの
ひとり
一人暮らしは ぼくのよろこび

 

   が 終わるところ
   で また始まる

 

翼をはばたかせて
愚かさ

なんにもないほうがいいんだよ
何も支配しないほうが

 

あっそうそう 夢というものがぼくのポケットの中にあった
それは嘘の皮を剥いていったもの
ああ、あのとき
たしかに あたしの手のひらに乗っかって・・・かとおもえば
すぐ飛んで ゆく そら 空   宙 
ふわ ふわふわ

 

ところでこれも確かにあった 愛というもの
愛なんて  そんなのどうでもよかった
すべて悲しみ かなしみ 哀しみだけが人生さ
さ あ  出かけよう
どこへ
どこだっていい
悩み なやみ やみ 闇 病みのない
この地球を飛び抜けた 最果てまで
飛んで 飛んで 飛び切って ちから果て
死のう
いつの日にか やがてやってくるときの ために
ふわふわ ふわ
楽しい愉しい 夢の島 あい くる くる
くるしみのなかで
ぐっすり眠る
グー

 

 

最果タヒの詩を読んで