『かなしさは行方不明』 * No.3148

どこへ行ったのか
どこへ消えてしまったのか
とんとわからない


べつに何もなかったかのように
日常は繰り返されている
ああ、あんなことが・・・
あのひとが・・・・・


いったいどこに行ってしまったのだろう
いつのまにか突然、消えてしまった
いまとなっては・・・・・


日は昇り 日は沈む
始まりから終わりまで
行方不明


消えるもの
消え入るもの
かすかに音楽が奏でられ
消えた


世間とはまた違った
また別次元に
別の手触りのたいせつなもの
わかる人にはわかって
感じるひとには感じて


かなしさが最初にあった
終わりもかなしさである
やがて全ては消え入る


詩は
言葉でもって
先取りをしている


かなしさは行方不明