『可能性の荒野へ』 言葉の展覧会1009


内側ばかりを見て
答えのない問題に立ちすくむ
寒々とした日にこそ
窓を開けよう
冷たい風が入ってくるけれど新鮮だ
身をぶるっとふるわせてくれる
遠くの山を見て
山の向こうをおもってみよう
それから空を見上げよう
なにひとつ同じものはない
そしてみんな同じだ 



生まれてきた時が悪かったと嘆くよりも
満たされない社会だと憤るよりも
不満と不安だらけのときにこそ
心を明けて
荒野をしっかり見つめよう
過酷な現実こそが修行の場
悩み苦しんだ分だけ人の間に立てる



扉を開けて
一歩踏み出してみよう
失望の扉は希望の扉
一歩踏み出せば回転する
どこかで幸せが落ちている
世界とつながり世界と対話しよう
内から外へ そして外から内へ



多くの困難が待ち構えているからこそ
時代を明けて
未来を見据えよう
苦しさを乗り越えて始まる
きみの新しい物語
絶望を裏返せば希望
さあ、可能性の荒野へ
一歩踏み出そう




※今日は「成人の日」だそうである。若い人たち(とりわけ身近にいるKくんやYさん、そして我が子)に贈る詩を書いてみた。老婆心ながら。

※これは、十数年前に描いたもの。『白い線』