『船坂』 言葉の展覧会927

aiueokaki2010-10-20

深まる秋に有馬街道走って木造校舎に着いた
さっそく緑くぐって水の宿 そよりと秋風 聴こえる水音
下界にかすむビルディングの街並み眺め 棚田でひといき
ああ、秋の田舎の風景よ
畦の草花咲いて木が実り畑の野菜が実る
時は来たか船坂という場
きのこの灯りがともる茅葺き屋根の下
懸命に藁編む女子大生 立ち止まりしばらく談笑
「わたし、茅葺き職人と結婚するんです・・・」
竹藪中の暗い細道辿って行けば突っ立つ土に
バンソコの貼られた茅葺き廃家
崩れた土壁に盆踊りやかつての生活 
納屋の土間にいっぱいの小さな赤童 囲炉裏の灰が盛っている
山の上の畑小屋 五右衛門風呂で入浴すれば
世間の疲れも不安もすっかり取れる
今春歴史を閉じた古校舎軋む137年の記憶の廊下
あの子のいた教室 時の流れの中で 子どもの幽霊よ 生きろ
ここは里山とARTをつないだ別世界
半日かかって楽しんで使ったお金は百円だけ




※西宮(北部)で開催中の「船坂ビエンナーレ」に行って来た。去年行った新潟県の越後妻有トリエンナーレもよかったが、近くでこんな面白い地域ぐるみのART展が開かれるのは、うれしい限り。時代が変わったからなのか。