「善悪人」 言葉の展覧会496
咲き始めた桜の花がかすかに揺らめく午後
春の雨がそぼ降っている
雨粒が出窓のガラスにくっついて
曇っていく
人間には善人と悪人がいる
善人が増えれば世の中はよくなっていく・・・
たしかにそれも一理あるだろう
でも悪人の顔をしていない善人
善人面の悪人が増えている
だとしたら
人間の内に善と悪があるのでは・・・
明るく微笑みの絶えない顔
の裏に隠された陰湿さ
人の良いお父さん
が戦時に見せる残酷さ
善と悪を使い分ける
どうしようもないわがあさましさ
ゆらめく善悪の影絵
窓についた雨粒で
曇った世界を
透視して
咲き始めの桜を見てみたい
*
※辺見庸「栴檀の大樹の下で」(神戸新聞3.24)を読んで、痛く考えさせられた。
※アルコールがひたった脳で書き上げる2日酔いの「言葉の展覧会」は、いま読み返してみるとサイテーの水準だ。ここ3,4日の言葉を少し訂正してみた。ああ、今日こそは禁酒だ!!