「詩」言葉の展覧会478

「詩」は
あの時代ではとても輝きに満ちていた
あのひとが中也の詩が好きだと言ってから
ぼくは片手に詩集を持って
キャンバスを彷徨っていた
あの頃 文学や政治がたいへん熱く
ぼくの胸はふるえていた
何度も徹夜して語り合った下宿屋
真夜中に食べたギョーザやラーメンの味が忘れられない
狭い友の部屋
今はもう広いアスファルト道になって跡形もない


「詩」は今もあの時代であの部屋で
キラキラかがやいている