「初春の出会い」言葉の展覧会475
「おう、久しぶり」
ひょんなところで懐かしい顔に出会う
ちっとも変わっていない
声の張りも 目の輝きも
「ちょっとふけたんちがう」
変わったのは少ししわが増えて髪が薄くなったこと
ほんのわずかあたたかい日差しが感じられる
3月
のそっとつくしが土から芽を出した
「あいかわらずやな」
「うん、相変わらずや、おたがい」
お互い無事を確かめ合って
3年前と変わらぬ会話をする
なぜかほっとして
あたたかい心になって
別れていく
もう春が来たのだ
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