『新春の朝風呂』 言葉の展覧会837
うっとり
窓外の裸木をながめながら
ゆったり
温泉につかる
乳白のグリーン
露天めぐり 今日は五色の湯だ
まったり
侵入する冷気は湯けむりにあたためられ
いまここのしあわせ
首まで湯につかって
両手で湯をすくって 顔にかける
上の部屋では帰省した息子が眠っている
横のリビングでは妻が炬燵で
年に数回しか戻ってこないその息子の服に
アイロンを当てている
「お〜い、もう起きて、朝の温泉に入れよー」
眠る息子に声かけをする
若き薬品研究者も午後には
この宝塚から筑波に旅立つ
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